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大学・研究所にある論文を検索できる 「Accuracy of thin-slice model-based iterative reconstruction designed for brain CT to diagnose acute ischemic stroke in the middle cerebral artery territory: a multicenter study」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Accuracy of thin-slice model-based iterative reconstruction designed for brain CT to diagnose acute ischemic stroke in the middle cerebral artery territory: a multicenter study

三谷 英範 広島大学

2021.08.26

概要

Accuracy of thin-slice model-based iterative reconstruction designed for brain CT to
diagnose acute ischemic stroke in the middle cerebral artery territory: a multicenter study
(急性期中大脳動脈梗塞における頭部 CT の thin-slice 逐次近似画像再構成法を用いた診断能:
他施設研究)

三谷 英範(医歯薬保健学研究科

医歯薬学専攻

放射線診断学)

【目的】
急性期脳梗塞の診断においては現在でも頭部 CT の撮影が第一選択であり、早期発見、早期治
療することが臨床的に重要である。近年開発されたモデルベース逐次近似画像再構成法
(model-based iterative reconstruction:MBIR)は、現在の標準的画像再構成法であるハイブ
リット逐次近似画像再構成法(hybrid iterative reconstruction: hybrid IR)よりも画像ノイズ
が低く、さらにビームハードニングアーチファクトが少ない画像を作成可能である。今回、我々
は、頭部 CT 専用の MBIR を開発し、中大脳動脈領域の急性期脳梗塞の頭部 CT に応用し、そ
の臨床的有用性を検討した。
【方法】
対象は、国内 3 施設、海外 1 施設で頭部 CT 検査が実施された中大脳領域の急性期脳梗塞 41 症
例である。それぞれの症例において、スライス厚 5mm および 2mm の hybrid IR 画像、スライ
ス厚 2mm の MBIR 画像を作成した。なお、スライス厚 5mm の hybrid IR 画像は多くの施設で
頭部の標準的 CT 画像として作成されているものである。まず、スライス厚 2mm の hybrid IR
および MBIR 画像において、画像ノイズ、病変におけるコントラストノイズ比(contrast-noise
ratio:CNR)を比較した。画像せんゆノイズは脳室内の CT 値の標準偏差と定義した。CNR は
対側正常領域の CT 値と病変の CT 値の差を画像ノイズで除して算出した。次に、dataset 1 を
5mm 厚の hybrid IR に thin-slice hybrid IR(2mm 厚)を組み合わせたもの、dataset 2 を 5mm
厚の hybrid IR に thin-slice MBIR(2mm 厚)を組み合わせたものとして、2 つの data set に
おける急性期脳梗塞の検出に関して読影実験を行った。読影実験に使用した症例数は、急性期脳
梗塞 41 症例に急性期梗塞のない 39 症例を加えて合計 80 例とした。読影実験は、8 人の放射線
診断医が参加して、Alternative free response received operative characteristics (AFROC)
analysis を行った。
【結果】
画像ノイズは MBIR で有意に低かった(1.2 vs. 3.4, p<0.001)。CNR は MBIR で有意に高かっ
た(6.3 vs. 1.6, p<0.001)。
AFROC analysis の area under curve の平均値は、thin-slice MBIR を併用した方が thin-slice
hybrid IR を併用した場合よりも有意に高かった(0.55 vs. 0.48, p=0.036)。感度、特異度、正
確性は thin-slice hybrid IR 併用で 41.2%, 88.8%, 65.7%、thin-slice MBIR 併用で 58.8%, 86.1%,
72.9%であった。症例検討では、MBIR 画像は皮質領域や基底核領域の病変は比較的明瞭であっ

たが、白質領域の病変の判別は困難だった。
【考察】
Thin-slice MBIR は thin-slice hybrid IR と比較して、画像ノイズを低減し、コントラスト分解
能を向上させた。これは先行研究と同等の結果であった。AFROC による読影実験でも、現在の
標準的方法である 5mm 厚の hybrid IR 画像に、thin-slice(2mm)の MBIR 画像を追加するこ
とにより、中大脳動脈領域の急性期梗塞の診断能が向上することが示唆された。
症例を検討すると、MBIR 画像は、hybrid IR 画像と比べて、正常皮髄境界や基底核領域のコン
トラストが明瞭であった。先行研究でも同様のことが報告されている。これら領域の虚血を示唆
する低吸収域は、MBIR 画像でより明確に描出されていた。一方で、白質病変は、陳旧性梗塞
や慢性虚血性変化による低吸収域と大差なく描出されており、急性期病変の判別は困難であった。
これらの検討から、MBIR 画像は特に皮質病変や基底核病変の診断能を向上させることができ
たのではないかと推察される。
MBIR 画像はノイズの低減やアーチファクト低減によって、より正確に頭蓋内状態を捉えてい
るものと思われる。しかしながら、日常臨床で使用している hybrid IR 画像とは見え方がかなり
異なるため、読影者が見慣れていない MBIR 画像を単独で読影することは読影実験に影響を与
えると考えられた。よって、本研究では 2 つの data set に普段読影者が見慣れている Hybrid IR
(5mm 厚)を組み込んだ。
結論として、頭部 CT の画像再構成に MBIR を用いることより、今後、急性期脳梗塞において
従来よりも精度の高い診断ができる可能性があると考えられた。

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