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大学・研究所にある論文を検索できる 「リモートセンシングによる乾田直播水稲およびダイズ圃場の観測」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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リモートセンシングによる乾田直播水稲およびダイズ圃場の観測

山崎 耀平 東北大学

2021.02.28

概要

【目的】近年,我が国では農業者の減少および高齢化に従って担い手への農地集約が進んでおり,生産性向上や規模拡大が求められている.省力化・効率化に寄与する栽培技術として注目されている大規模水田輪作は利用が難しく,収量低下のリスクを孕んでいる.適切な管理のためには作物生育状況の把握が重要であるが,大規模圃場において現地観測のみでまかなうことは容易ではない.そのため,省力的・効率的な観測技術が必要であり,リモートセンシングの活用が適していると考えられる.

リモートセンシングによる圃場の観測に関する研究は盛んに行われており,作物の生育量や収量の推定を目的とした植生指標の開発がなされてきた.本研究では,乾田直播水稲およびダイズ圃場を対象とし,複数時期の衛星画像を用いた植生指標による生育量および収量推定への適用可能性を検討することを目的とした.

【方法】福島県新地町の水田輪作圃場のうち,乾田直播水稲およびダイズ圃場を対象とした.圃場内の地上観測点において,水稲のみ10回の生育調査と,水稲およびダイズの収量調査が行われた.生育調査の測定項目は草丈,SPAD,茎数とした.衛星画像はSentinel-2レベル2A画像を使用した.画像は2019年7月29日から9月15日までの5時期および2020年8月2日から9月9日までの6時期を取得した.幾何補正を行った後,地上観測点を中心とする直径5mの円バッファを作成し,植生指標のバッファ内の平均値を算出し,生育量および収量との関係を調査した.植生指標はNDVI,GNDVI,MTVI2,VARI,GCCを使用した.

【分析結果】2019年の乾田直播水稲圃場および2020年のダイズ圃場を対象とした分析結果について示す.乾田直播水稲の収量推定について,8月10日のGNDVIが収量との間に最大の相関を示し,検証した指標の中で最も適していると考えられた.NDVIと比較すると,8月6日までは同程度だったが,その後はGNDVIの方が強い相関を示した.これは,GNDVIの方が繁茂した植生に対して敏感に変動する性質が原因であると考えられる.生育が進行すると,GNDVIの方が収量推定に有効である可能性が示唆された.

乾田直播水稲の生育量推定について,全体を通じてNDVIおよびGNDVIと草丈の間に中程度の相関が見られた.他の3指標は草丈との間に相関は見られず,草丈推定への適用はNDVI,GNDVIが適していると考えられる.また,SPADおよび茎数と植生指標の相関は観測日によって異なっていた.

ダイズにおいては,8月27日のGNDVIが収量との間に最大の相関を示し,最も収量推定に適していると考えられた.NDVIと比較すると,8月20日まではNDVIの方が高かった相関係数が8月27日で逆転していることから,乾田直播水稲と同様,生育が進行するとGNDVIの方が収量推定に有効である可能性が示唆された.また,8月20日において,VARI,GCCは収量との間に他の指標と同程度の相関を示したことから,可視光のみを利用する指標のダイズ収量推定への適用可能性が示唆された.

【結論】乾田直播水稲およびダイズ圃場を対象とし,衛星画像を用いた植生指標による収量推定において,検証した5指標の中でGNDVIが最も有効であった.GNDVIは,生育が進行すると他の指標と比較して収量との強い相関を示した.

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