書き出し
Tet DNA demethylase is required for plasma cell differentiation by controlling expression levels of IRF4
概要
〔目的(Purpose)〕
形質細胞がB細胞から分化する過程で、DNAメチル化を含むエピジェネティック修飾が大きく変化することが知られているが、形質細胞分化をどのように制御するかは不明である。
我々はDNA脱メチル化酵索Tet2とTet3の同時欠損が成熟B細胞の活性化に及ぼす影響について調べた。
〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
抗原刺激されたTet欠損B細胞は正常に増殖し、IRF4を中等度発現したが、CD138+形質細胞で見られるような高濃度の IRF4を発現することが出来ず、形質細胞に分化出来なかった。また、IRF4の過剰発現がTet欠損B細胞の形質細胞分化を回復させたことで、形質細胞分化にはTet2/3に依存したIRF4の高発現が必要であることが示唆された。さらに我々は、Tet2/3依存的に形質細胞で特異的に脱メチル化されているCpG siteをIrf4の転写調節領域に見いだした。
〔総括(Conclusion)〕
我々の結果により、これらのCpG siteのTet2/3依存的な脱メチル化は、活性化初期の中等度のIRF4発現には不要であるが、形質細胞分化に必要なIRF4高発現に必須であることが示唆された。