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大学・研究所にある論文を検索できる 「Inhibition of Clusterin Represses Proliferation by Inducing Cellular Senescence in Pancreatic Cancer」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Inhibition of Clusterin Represses Proliferation by Inducing Cellular Senescence in Pancreatic Cancer

Mitsufuji, Suguru 大阪大学

2022.09.22

概要

[目的(Purpose)]
浸潤性膵管癌(以下、膵症)の根治的治療は外科的切除であるが、たとえ切除可能であってもその治療成續は十分なものとは言えず、新規治療標的の同定およびその治療開発は重要な課題である。今回、新規治療標的として、ストレス誘発性細胞保護シャペロン番白であるClusterin (以下、CLU)に着目した。CLUは、分子量75-80kDaのへテロニ量体を形成する番白であり、核型と分※型のアインフォームが存在し、正常細胞ではDNA修復、組織修復、神経変性などの生理学的プロセスに関与する。一方、悪性腫瘍では、より生理活性を有した分泌型CLUが、増殖能、薬剤耐性、転移能において重要な役割を持つことが報告されているが、膵海におけるCLUの意義は明らかではない。これまで他病において分泌型CLUに対するアンチセンスヌクレオチドであるCustirsen (0GX-011)を用いた第I相、第II相臨床試験が行われ、その有効性が確認されつっある。本研究では、膵痃における分泌型CLUの働きを解析することで、治療標的となり得るかどうかを検討した。

[方法ならびに成纉(Methods/Results)]
はじめに、分泌型CLUの発現が勝癌細胞に与える影響を検討した。分泌型CLUの発現を4種の膵病細胞株(PANC-I、MiaPaCa2、BxPC3、PSNI)で、ウエスタンブロット法を用いて検討したところ、すべての細胞株においてその発現が認められた。以下の実験は、PANC-1、PSN1を用いて行った。分泌型CLUの発現抑制による膵癌細胞の増殖能を評価するために、SiRNAを用いて分泌型CLUの発現抑制を行った。その結果、膵液細胞の増殖は細胞播種後72時間で平均58.4%低下した(Px0.01)。続いて、増殖能が低下した機序について、アポトーシス、細胞周期、細胞増殖シグナル経路への影響を検討した。アポトーシスにおいては、AnnexinV assay、ウエスタンブロット法を行ったが誘導は認められず、細胞増殖シグナル経路においては、AktらよびMAPK経路における評価を行ったが誘導は認められなかった。一方で、細胞周期においては、Cell cycle assayで、G1期細胞の割合が平均1.25倍に増加していた(P<0.01)。以上から、G1期での細胞周期の停止を特徴とする「細胞老化」に着目し、検討を追加した。

老化細胞を検出する senescence-associated B-galactosidase(SA-B-gal)染色を用いて評価したところ、分泌型CLUの発現抑制によって、SA-B-gal染色陽性細胞の割合が平均3.49倍に増加し(P<0.01)、形態学的にも老化細胞に特徴的な細胞の扁平化および肥大化を認めた。細胞老化の原因となるDNA損傷のマーカー(yH2AX)とその下流のp21の発現をウエスタンブロット法で評価したところ、分泌型CLUの発現抑制によりそれぞれの発現元進が認められた。細胞老化で認められる細胞老化関連分泌現象(senescence-associated secretory phenolype : SASP)因子であるCXCEl、IL-la、IL-16、1L-6およびIL-8を測定したところ、分泌型CLUの発現抑制によって、全てのSASP因子の上昇を認めた。

最後に、膝痛患者における分泌型CLUの発現の意義を、街前治療なしで根治切除を行った53例の切除検体を用いて免疫組織化学染色を行い、検討した。膵癌細胞における分泌型CLU発現がLangerhans島よりも高い症例をCLU高発現群(26例)、それ以外をCLU低発現群(27例)に分類したところ、CLU低発現群ではCLU高発現群に比して無再発生存率(P-0.047、3年無再発生存率 CLU低発現群:33.3%、CLU高発現群:7.69%)と金生存率(P=0.019、3年生存率 CLU低発現群:63.0%、CLU高発現群:34.6%)が良好であり、脇床的に分必型CLUの発現は膝痛の切除後の治療成續に関与していた。

[総括(Conclusion)]
勝滷細胞においては、分泌型CLUの発現抑制によって増殖能低下が誘導されること、そのメカニズムとしてG1期における細胞間期の停止とそれに寄与する細胞老化が関与していることを示した。分泌型CLUの高発現は膵癌切除後の予後不良因子であったことから、分泌型CLUの発現抑制は、膵海切除後の予後改善に寄与する可能性がある。

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