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大学・研究所にある論文を検索できる 「Hyperglycemia enhances pancreatic cancer progression accompanied by elevations in phosphorylated STAT3 and MYC levels」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Hyperglycemia enhances pancreatic cancer progression accompanied by elevations in phosphorylated STAT3 and MYC levels

佐藤, 克彦 大阪大学

2020.11.30

概要

〔目的(Purpose)〕
 膵癌は5年生存率が6. 9%の予後不良癌である。糖尿病と膵癌の関連は深く、膵癌患者の25.9%に糖尿病既往があり、糖尿病患者の膵癌リスクは健常人の2倍であると報告されている。高血糖は糖尿病の重要な側面であり、高血糖と低インスリン血症を特徴とする1型糖尿病は膵癌リスクを上昇させる。また、5年以上膵癌発症がなく膵癌に糖尿病が先行していると考えられる患者群で、高血糖、高インスリン血症、H0MA-R高値が膵癌発症リスクファクターであり、観察期間が10年以上の長期罹患がリスクを上昇させると報告された。糖尿病と同様に膵癌の臨床的なリスクファクターとされる肥満と慢性膵炎は膵癌モデルマウスで膵癌を促進することが示されているが、糖尿病においてはこういった報告はない。我々は糖尿病の重要な側面である高血糖に注目し、高血糖が膵癌モデルマウスにおいて膵前癌病変であるPanINおよびその進展に与える影響を検討した。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
 膵特異的Kras変異マウスであるKra,SL_ PdxlCreマウスに7日齢で100111g/kgのストレブトゾトシン(STZ)を腹腔内投与し、膵発癌モデルマウスにインスリン依存性糖尿病を誘導した。12週齢でsacrificeを行い、HE染色を行った結杲、塍前趨病変であるPanINの面積割合がSTZ投与群で増加し(control群:0. 73 土 0.69%,STZ群:4.8 土 3. 8W、単位面積当たりのPanIN個数も同様に増加した(control群:23 土 21個/mm2, STZ群:80 ± 44個/mm2)。続いて、Kras変異を有する細胞株であるPANC-1とmPKCl、Kras野生型株であるBxPC3を4週間 high もしくは low glucose の DMEM で培養し、WST Assay と Sphere Formation Assay を施行した。結果、Kras 変異を伴うPANC-1、mPKC1においてhigh glucose群でlow glucose群と比し、細胞増殖、sphere形成が増加していた。4週間のprecondi t ioningなしでは、これらの細胞増殖およびsphere形成の増強は確認できなかった。Kras野生型のBxPC3ではhigh glucose群ではlow glucose群と比し、細胞増殖の亢進やsphere形成の増強は確認されなかった。続いて、high glucose群で増殖やsphere形成能が亢進していたPANCI、mPKClにおいて蛋白発現を確認すると、STAT3のリン酸化およびMYCの発現が増強していた。STZ投与および非投与の膵発癌モデルマウスのPanINで免疫染色を行うと、STZ投与群で同様にSTAT3リン酸化とMYCの発現が増強していた。STAT3のリン酸化がhigh glucose下における細胞増殖やsphere形成に影響を与えているか検討するため、STAT3阻害薬であるSTATTICを用いて、lowもしくはhigh glucoseで培養したKras変異型株PANC-k mPKClにおいて、STAT3抑制実験をおこなった。結果、STAT3阻害薬であるSTATT1CUMはhigh glucose培養群のSTAT3のリン酸化、MYCの発現をlow glucose培養群と同等まで低下させた。また1μMのSTATTICはhigh glucose群で増加していた細胞増殖および sphere 形成能もlow glucose群と同程度まで低下させた。High glucoseで培養したKras変異型株PANC-L mPKClにおいて、MYCをsiRNAでノックダウンするとSTAT3のリン酸化は減少しなかった。またMYCのノックダウンは細胞増殖には影響を与えなかったが、sphere形成能を低下させた。

〔総括(Conclusion)〕
 高血糖はSTAT3のリン酸化およびMYCの発現増強を伴って、膵発癌進展を増強する。

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