Prostaglandin EP4 Selective Agonist AKDS001 Enhances New Bone Formation by Minimodeling in a Rat Heterotopic Xenograft Model of Human Bone
概要
[目的(Purpose)]
Prostaglandin E2は,その受容体の一つであるEP4を介して骨形成作用を有する.本研究の目的は,ヒト骨xenograftモデルを確立し,EP4アゴニスト(AKDS001)のヒト骨,ヒト細胞に対する作用を解明する事である.
[方法(Methods)]
Xenograftモデルでは6週齢免疫不全ラットと60-80代患者の腰椎椎弓部分切除術余剰骨を用いた.余剰骨を粉砕し,2週間の培穗を行った後,骨をチューブに充填してラット1匹の筋膜下に12個ずつ移植し,薬剤を投与した.術後4週で評価を行った.1患者から作成した12個のサンプルをラット1匹の筋膜下に移植したBlank MS(n=6個)とAKDS001 MS1.0mg/mL(n=6fi)の比較試験では,組織学的評価,μJCT解析,骨形態計測を行った.1患者から作成した24個のサンプルをラット2匹の筋膜下に12個ずつ移植したBlank MS(n=6個)とAKDS001 MS 0.1, 0.3, 1.0mg/mL(各n=6個)の濃度依存性試験では,骨形態計測を行った.in vitroにおいてヒト間葉系幹細胞,ヒト破骨細胞前駆細胞を用いて骨芽細胞および破骨細胞への分化に対するAKDS001の作用を評価した.
[成績(Results)]
組織学的評価では,いずれの群でもヒト由来骨芽細胞の残存を確認した.pCT解析では,AKDS001投与群で新生骨の増大を認めた.骨形態計測では,AKDS001投与群において新生骨の増大,骨芽細胞数と骨芽細胞面の増加,骨形成速度と石灰化速度の増加,移植骨部における破骨細胞数と破骨細胞面の減少を認めた.さらに,骨形成の様式はremodelingから,minimodelingに変化していた.濃度依存性試験の骨形態計測では,低用量でも骨芽細胞および骨形成速度の増加と破骨細胞の減少が見られ,濃度依存的に新生骨量も増加した,また,in vitroにおいてもAKDS001はヒト骨芽細胞への分化を促進し,ヒト破骨細胞への分化を抑制した.
[総括(Conclusion)]
EP4アゴニストは自家骨移植と併用することにより,骨形成を促進する新規骨形成促進剤となり得る.