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大学・研究所にある論文を検索できる 「Apolipoprotein A2 Isoforms in Relation to the Risk of Myocardial Infarction : A Nested Case-Control Analysis in the JPHC Study」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Apolipoprotein A2 Isoforms in Relation to the Risk of Myocardial Infarction : A Nested Case-Control Analysis in the JPHC Study

木原, 朋未 大阪大学

2021.03.24

概要

"〔目的(Purpose)〕
 高比重リポ蛋白(HDL)に含まれるHDLコレステロールの値が低いことが心血管疾患のリスクと関連することが知られているが、HDしの代謝や心血管疾患に関与するメカニズムは十分に解明されていない。HDLはアポリポ蛋白と呼ばれるタンパク質と脂質から構成され、アポリポ蛋白A2 (ApoA2)はアポリポ蛋白Alに次いで2番目に多いアポリポ蛋白である。ApoA2は77個のアミノ酸からなり、二通:体として存在する。C末端のアミノ酸配列は完全長のものではアラニン(A) —スレオニン(T) —グルタミン(Q)の「ATQ」型であるが、末端のアミノ酸配列が異なる「AT」型、「A」型が存在し、二量体としては5種類のアイソフォームが報告されている(ApoA2-ATQ/ATQ、ApoA2-ATQ/AT.ApoA2-AT/AT.ApoA2-AT/A、ApoA2~A/A)。このうち主要な 3 種の ApoA2 のアイソフォーム(ApoA2_ATQ/ATQ、ApoA2-ATQ/AT.ApoA2-AT/AT)については酸素免疫測定法(ELISA法)に基づき、C末端における「-ATQJと「-ATJを定fiすることで、簡便に測定することが可能となった。ApoA2-ATQ/ATについては膵癌の早期マーカーとして有用であることが報告されており、心血管疾患の予測マーカーともなり得るのか明らかにするため、主要な3種のApoA2アイソフォームと心筋梗塞との関連について、多自的コホート研究においてコホート内症例対象分析の手法を用いて検証した。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
 日本の地域住民116,896人を対象とし、1990年(コホートI、40〜59歳)および1993-1994年(コホートH、40〜69歳)にベースライン調査を実施した。ベースライン時に血清を保存した34,085人のうち、2002年までの追跡調査で心筋梗塞の発症が106例(男74例、女32例、平均年齢57歳)認められた。心筋梗塞発症例1人に対して、性別、年齢、血液提供日、採血前の食事時問、地域がマッチする対照2人を無作為に抽出し、心筋梗塞発症例106例と対照212例において、3つのApoA2アイソフォーム(ApoA2-ATQ/ATQ,ApoA2-ATQ/AT, ApoA2-AT/AT)の血清濃度を、ELISA法を用いて測定した。ApoA2アイソフォームそれぞれにおいて対照の四分位の値で4群(Q1-Q4)に分け、条件付きロジスティック回帰分析を用いて、心筋梗塞発症に対するオッズ比と95%信頼区間を算出した。ApoA2-ATQ/ATQとApoA2-ATQ/ATにおいては、最も髙い群(Q4)を基準とした最も低い群(Q1)の心筋梗塞発症のオッズ比(95%信頼区間)はそれぞれ0.68 (0.33-1.39)、1.93 (0.95-3.92)であり、心筋梗塞発症リスクとの関連は認められなかった。ApoA2-AT/ATでは、Q4に対するQ1の心筋梗塞発症のオッズ比は2.78 (95%信頼区間は1.26-6.09)で統計学的に有意な関遮が認められたが、Body Mass Index.収縮期血圧、降圧剤内服、糖尿病、喫煙、飲酒を調整した多変做調整オッズ比は1.20 (95%信頼区間は0.41-3.57)と有意でなかった。飲酒と喫煙の交絡の影饗が大きく、飲酒のみを調整した場合のApoA2-AT/ATのQ4に対するQ1のオッズ比(95%信頼区間)は2.11(0.91-4.89)、喫煙のみを調整した場合2.13 (0,91-4.97)、両者を調整した場合1.40 (0.55-3.53)であった。

〔総括(Conclusion)〕
 3つの主要なApoA2アイソフォームと心筋梗塞発症リスクとの関連にっいて初めて解析を行い、ApoA2-AT/ATが低値であるほど、心筋梗塞発症のリスクが髙い傾向が認められたが、交絡因子を調整するとその傾向は弱まった。研究結果の解釈にあたっては、解析対象者の人数が限られることに注意を要するが、3つの主要なApoA2アイソフォームから、予測マーカーとしての有用性は低いことが示唆された。飲酒と喫煙の交絡の影響が大きかったことから、ApoA2のアイソフォームが飲酒や喫煙の影響を受けている可能性が示唆された。

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