リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「Performing the hand laterality judgement task does not necessarily require motor imagery」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

Performing the hand laterality judgement task does not necessarily require motor imagery

壬生, 彰 大阪大学

2020.09.25

概要

〔目的(Purpose)〕
運動イメージ(motor imagery: MI)とは,実際の運動を伴わない心的な運動の想起と定義されている.MIを行う際には実際の運動実行時と同様の脳活動が生じることから,MIは脳卒中後の麻痺肢の運動機能改善や幻肢痛,複合性局所疼痛症候群患者などの疼痛軽減を目的としたリハビリテーション手法として用いられている。中でも,回転している手の写真が左右どちらの手かを判断する課題(laterality judgmenl task: LJT)は,MI能力の評価方法およびMIを惹起させる介入課題として用いられている。LJTを行う際,ヒトは「自身の手を回転させる運動イメージを用いて左右を判断している」と考えられてきた。その根拠として,①回転角度の増加に伴って反応時間(response time: RT)が増加する(linear angle-RT relationship),②生体力学的な運動の困難さを反映し,medial rotation (指先が身体の中心の方向へ回転している条件) に比べてlateral rotation (指先が身体の中心から離れる方向に回転している条件) の反応時間が増加する(biomechanical constraints effect: BCE) という2つの行動学的指標が用いられている。しかし,これらの指標はグルーブレベルで解析されたものであり,また,両指標が同時に見られるかどうかは検討されていない。本研究の目的は,これらの2つの行動学的指標について個人レベルで検討し,被験者がLJTの回答方略として本当に運動イメージを用いているかどうかを検討することである。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
健康成人37名に対してUTを実施した。左右それぞれについて,指先が上方を指しているものを0°とし,時計回りに45°,90°,135°,180° , 225° , 270°,315°回転させた手掌面および背側面の手の写真(2[左右]X2[手面,背側面]X8[回転角度]=32種類)をコンピュータの画面上にランダムに12回ずつ提示した。回答には2つのフットスイッチを使用し,被験者には提示された写真が左右どちらの手であるかをできるだけ速くかつ正確に判断するよう教示した。また,コントロール課題として,手の写真を画面上に2枚同時に提示し,それらが同じ側の手か異なる側の手かを判断させる課題 (same-different judgment task: SDJT) をLJTと同施行数実施した。両課題ともに正答施行のRTを算出し,上述の①linear angle-RT relationshipと②BCEの2つの指標について,被験者全体および被験者ごとに検討した。linear angle-RT relationshipの有無については単回帰分析を行い,回帰直線の傾きが有意な正の値であるかどうかを確認し,BCEの有無についてはlateral rotationとmedial rotationのRTの平均値の差をt検定を用いて確認した。被験者ごとの解析結果から,被験者を①BCEが確認された群,②linear-angle RT relationshipが確認された群,③両方とも確認された群,④どちらも確認されなかった群に分類し,その割合についてMcNemar検定を用いて課題問および刺激条件(手掌面/背側面)間で比較した。結果,グルーブレベルの解析では,先行研究結果と同様にLJT,SDLTともにすべての刺激条件においてlinear angle-RT relationshipが確認され,LJTの手掌面条件のみにおいてBCEが確認された。一方,個人レベルので解析では,linear angle-RT relationshipとBCEの両方が確認された被験者は多くとも約50%であり,その割合は刺激条件間および課題間で有意な差はみられなかった。

〔総括(Conclusion)〕
MI能力の評価方法,MIを惹起する課題として用いられてきたLJTのパフォーマンスについて個人ごとに解析した結果,被験者はLJTの回答方略として必ずしも運動イメージを用いているとは限らない可能性が示唆された。よって,UTを運動機能障害患者や慢性疼痛・難治性疼痛患者・に対する評価・介入方法として用いる際には,個別に回答方略を確認する必要がある。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る