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大学・研究所にある論文を検索できる 「Abnormal phase–amplitude coupling characterizes the interictal state in epilepsy」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Abnormal phase–amplitude coupling characterizes the interictal state in epilepsy

Fujita, Yuya 大阪大学

2022.06.30

概要

〔目的(Purpose)〕
てんかん診断に必要な脳波、脳磁図の判読は髙い専門性かつ労力が求められる。しかしながら、てんかん患者の罹患率に対しててんかん専門医の数は十分とは言えず、てんかんの自動診断が可能となれば診断の均質化に非常に有用であると考えられる。過去に相対パワーや機能的結合といった脳波や脳磁図から計算された特徴が、てんかんの自動診断に役立つと報告されている。しかしながら、位相振幅結合がてんかん診断に有用かはわかっていない。本研究では位相振幅結合がてんかん患者と健常者で異なり、これまでに報告された相対パワーや機能的結合、深層学習によるてんかん診断を改善するかを検討した。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
当院に通院されたてんかん患者90名、健常者90名を対象とした。安静時に計測した脳磁図から、脳表の信号源推定値、6 つの周波数帯(δ、Θ、α:、β、low、 γ、high γ )の相対パワ ー(Relative power: Power)、Θ 帯の機能的結合(Functional connectivity: FC)、8つの周波数帯ペア(位相:6、θ、α、β、振幅:low γ、high γ)の位相振幅結合(Phase amplitude coupling: PAC)の合計3つの特徴量を計算した。PACの強さはsynchronization index (SI)を用いた。まず、てんかん患者と健常者の平均SI値を比較した。次に、3つの特徴量を単独あるいは組み合わせて、shallow neural networkを用いて、てんかん患者と健常者を識別した。最後に、脳磁図の脳表の信号源推定値から、我々が脳磁図解析用に作成したdeep neural network (MNet)を用いて、脳磁図のもつ特徴を抽出し、先程の3つの特徴量をそれぞれ加えて、てんかん患者と健常者の識別率が向上するかを検討した。

SI値はてんかん患者群と健常者群で優位に異なっていた(δ/low γ, Ρ=0.82; θ/lowγ, P= 0.62; ct/low γ,Ρ= 0.85; β/lowγ, Ρ= 0.54; δ/high γ, Ρ: 0.76; G/highy, Ρ= 0.43; α/high γ, Ρ= 0,60; β/highγ, Ρ= 0.10; all rank sum tests)。また、側頭葉のθ帯域とlow γ帯域のSI値が最も違いがあった(Ρ < 0.001for all lobes in δ/low γ, β/low γ, δ/high γ, and β/high γ and for the frontal, temporal, and occipital lobes in a/low γ and a/high γ, and P =0. 048 for the frontal lobe in θ/highγ, Steel-Dwass method)。Shallow neural networkを用いた識別では、てんかん患者と健常者の識別率はPowerで80%、FCで70%、PACで70%、Power、FC、PACの組み合わせで85%と組み合 わせた場合が最も高値であった。Deep learningを用いた識別では、PACを加えた場合が最も高く、90%の識別率であった。以上からは、PACはPowerやFC、Deep learningが脳磁図から抽出する情報とは異なった情報をもつことがわかり、てんかん患者の診断に役立つ新たな特徴と考えられた。

〔総括(Conclusion))
発作間欠期のてんかん患者の安静時PACは健常者と異なり、てんかん患者の特徴である。また、これまでのてんかん診断に役立つ特徴量とは異なった側面の情報を持ち、てんかん自動診断の診断率向上に役立つことが示唆された。