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大学・研究所にある論文を検索できる 「In vivo uterine local gene delivery system using TAT-displaying bionanocapsules」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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In vivo uterine local gene delivery system using TAT-displaying bionanocapsules

小泉, 花織 大阪大学

2020.04.30

概要

〔目的(Purpose)〕
 体内での薬物分布を制御することで、薬物の効果を最大限に高め、副作用を最小限に抑えることを目的とし、近年様々なDrug Delivery System(DDS)が検討されてきた。子宮は経膣的に直接アプローチが可能で、薬剤の局所投与に適した臟器である。子宮内膜はその役割を変化させるために高効率に一過性導入することができるDDSが必要である。現在子宮局所へのDDSとしては子宮内避妊具であるレボノルゲストレル徐放型子宮内避妊システム(LNG-WS)が存在する。しかし、その他には子宮を標的としたDDSはない。さらに動物モデルを対象とした子宮局所に対するGene Delivery System(GDS)の報告も限られている。
 Bio-nanocapsule(BNC)はB型肝炎ウイルスの表面抗原であるLタンパク質を遺伝子組換え酵母で過剩発現することで得られる直径30nmの中空ナノ粒子であり、すでに全世界で30年以上も臨床使用されてきたB型肝炎ワクチンと同様の構造である。本研究ではマウスを用いてBNCを子宮内膜局所のGDSとして至適化、再構築を行うことを目的とした。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
 BNCのLタンパク質のPre-Sl領域に存在するヒト肝臟認識部位によりin-vitroおよびin-vivoにおいてヒト肝臟由来細胞もしくは組織に物質を送達できる。本研究ではPre-Sl領域およびPre-S2領域の一部(51-159aa)を、Protein AのIgG_Fc結合ドメインに置換したZZ-BNCを用いた。子宮腔内に接着させるために、細胞膜透過ペプチドである塩基性ペプチドであるTATペプチドをZZ-BNCに付加した(TAT-modified ZZ-BNC)。リボソーム融合法により遺伝子をBNC内部に封入し、これを麻酔下に交配後1.5日目のマウスの子宮にBNCを直接投与し検討を行った。
 導入24時間後において、Cy7ラベルしたTAT-modified ZZ-BNCはZZ-BNCと比較して明らかに子宮内に多く滞留していることが認められた。導入24時間後におけるluciferase assayにおいて、TAT-modified ZZ-BNC群ではnaked DNA群(5000倍以上)、lipofection群(18倍)に比して有意に高い遺伝子導入効率が認められた。ZZ-BNC群との比較ではばらつきが多く有意差はないものの、1.9倍の遺伝子導入効率を認めた。導入遺伝子の局在は子宮内膜上皮に限局しており、TAT-modified ZZ-BNCそのものは48時問後には子宮内膜より消失していた。子宮局所に導入したTAT-modified ZZ-BNCが血行性に全身へ移行することはなく、導入遺伝子の子宮・胎盤・羊膜・貽児への移行も認められなかった。また、妊娠率、胎児数、胎児発育への影響も認めなかった。

〔総括(Conclusion)〕
 TAT-BNCは経膣的に子宮に直接導入することで、子宮局所への標的化が可能であり、妊娠を阻害することなく高効率なGDSとして有用であることが示唆された。TATペプチドをin-vivoで用いる一般的な欠点は非特異的な細胞への融合であるが、今回のように局所へ直接投与する方法により、TATペプチドの性質を有効的に活用することができる。今後子宮体癌など新たな細胞表面マーカーの検討により細胞に対して再標的化することを今後の検討課題とする。

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