リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「Generation and validation of a PITX2-EGFP reporter line of human induced pluripotent stem cells enables isolation of periocular mesenchymal cells」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

Generation and validation of a PITX2-EGFP reporter line of human induced pluripotent stem cells enables isolation of periocular mesenchymal cells

大久保, 徹 大阪大学

2020.12.31

概要

〔目的(Purpose)]
ヒト人工多能性幹(iPS)細胞を含む多能性幹細胞は再生医療の細胞源として有用である。iPS細胞から誘導した、網膜色素上皮細胞、ドパミン神経前駆組胞、角膜上皮細胞はすでにヒトへの移植が実施されている。一方、網膜細胞や、角膜上皮細胞以外の眼を構成する他の様々な細胞の安定的な誘導方法が報告された例は少ない。神経細胞を由来とする周囲間(Periocular mesenchynal, POM) 細胞からは、角膜内皮、角膜実質、虹彩間薬、毛様体筋、線維柱体、強膜等、眼を構成する多様な組織が誘導される。特に、角膜内皮細胞、角膜実質細胞を安定的に誘導することが可能となれば再生医療等への応用が可能となり、臨床的意義も高いと考えられる。しかしながら、POM細胞を選択的に単離する方法が存在しないため、POM細胞およびそれらの派生細胞の発生機構を詳細に調べることが困難であった。

Paired like homeodonain transcription factor 2 (PITX2 遺伝子はPOM胞で発現する転写因子である。本研究では、POM細胞やPCM由来の様々な分化胞を安定的に誘導するための有用なツールとなりうる、PITK2遺伝子をターゲットにしたヒトiPS細胞レポーター株を作製し、iPS細胞株としての特性の確認、レポーター機能の確認、そしてPOM細胞の分化誘導およびその単離に有用であることを示すことを目的とした。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
ヒトiPS細胞201B7株において、Transcription activator-like effector nucleases (TALENS)により、PITX2伝子のエクソン8の下流に遺伝子をノックインした。ゲノム配列のシーケンスを解析し、導入遺伝子配列が目的部位の片アリルにノックインされていることを確認した。アルカリフォスファターゼ活性やNANOG,OCT3/4, TRA-1-60, SSEA-4の発現を免疫蛍光色法により確認し、作製したは多能性を有していることが示された。この株を用いて、林らが報告した、眼全体の発生を模倣する同心円状の多層構造Self-formed ectodermal autonomous multi-zone (SEAM)の誘導を試みたところ、典型的な4層の構造ができ、各層に神経網膜(CHX10)網膜色素上皮(MITF)、レンズ(o-crystallin)、角膜上皮(PAX6/P63)が存在することを免疫蛍光染色により、および、他の細胞も正常に誘導されていることを層別に回収した細胞の遺伝子発現解析により確認した。

既報の誘導条件の組み合わせにより決定した、POM細胞の誘導条件では、一部の凝集した細胞塊において緑色の蛍光が認められ、それは、PITX2の発現と一致していることを免疫蛍光染により確認した。また、ウェスタンブロッティングによる解析でも、PITX2とEGFPの共発現を確認した。次に、誘導後のEGFP陽性組胞の遺伝子発現プロファイルを解析したところ、PITX2の発現が上がっており、レポーター株としては正常に機能していることが確認されたが、POM細胞のマーカーとされる、FOXC2、p75、LMXIB、COL812などのmRNAの発現が低い値を示しており、POM組胞の誘導方法としては課題が残った。そこで、SEAMを誘導することで、その中に含まれると思われるPOM細胞の遺伝子発現プロファイルを解析することにした。興味深いことに、SEAM誘導14日後において、2層目付近に出現する凝集細胞の一部において、緑魚の蛍光がみられた。この時期にフローサイトメーターによりEGFP性細胞の単離を行い、遺伝子発現プロファイルを解析したところ、すべてのPOM細胞マーカーの発現上昇が認められた。さらに、単離したPOM細胞は特定の環境下で培養することが可能であり、少なくとも培養後2日ではFOXC1とPITX2の共発現を確認できた。

〔総括 (Conclusion)]
PITX2の発現の追跡が可能なヒトiPS細胞株を作製し、PITX2とEGFPが連動して発現していることを確認した。また、SEAM法により誘導されたEGFP陽性細胞はPITY2が発現しているとともに、他のPCM細胞の陽性マーカーであるFONCI、FONC2、p75、LIX1Bは高く、陰性マーカーであるSOKIOは低く、いずれもPOM細胞の特徴を示した。さらに、単離されたPOM細胞は少なくとも一定期間培養が可能であり、PITX2とFOXC1の発現が維持されていたことから、POM細胞としての特性が保持されているものと考えられた。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る