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大学・研究所にある論文を検索できる 「A human isogenic iPSC-derived cell line panel identifies major regulators of aberrant astrocyte proliferation in Down syndrome」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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A human isogenic iPSC-derived cell line panel identifies major regulators of aberrant astrocyte proliferation in Down syndrome

川谷, 圭司 大阪大学

2021.07.31

概要

〔目 的(Purpose))
 ダウン症候群は先天性心疾患、認知障害、血液疾患など様々な合併症を生じる最も頻度の高い症候群である。21番染色体トリソミーによる遺伝子発現量の増加がダウン症候群の症状を引き起こすと考えられているが、どの遺伝子の組み合わせが病態につながるのかは明らかではない。我々は疾患特異的ヒトiPS細胞とゲノム編集技術を組み合わせ、ダウン症候群における病態責任遺伝子の同定を可能にする実験モデルの樹立を目指した。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
 健常児の剖検脳と比べ、ダウン症候群の剖検脳ではアストロサイトが多く存在するとされ、過剰なアストロサイトが認知障害の一因となると考えられている。我々はすでにダウン症候群由来iPS細胞から分化させたアストロサイト前駆細胞(Tri21 APC)が、健常児由来と比べ増殖速度が亢進するという表現型を見出しており、本研究での標的細胞をAPCとして増殖速度に関する責任遺伝子特定を目指した。
 病態責任遺伝子を同定するためには、21番染色体上の遺伝子発現量が多様な組み合わせで3コピー、あるいは2コピ一分となった部分トリソミーips細胞ライブラリの樹立と、それら発現量の違いによってもたらされる明確な細胞表現型を見出すことが重要となる。我々は染色体不活化をもたらすXICT遺伝子に注目し、これを3本ある21番染色体の1本のみに挿入することで、21番染色体1本の不活化、つまりダイソミー化を行うことを目指した。ダウン症候群由来iPS細胞の21番染色体のうち1本に、Tet発現誘導性挿入した細胞株iPSC)を樹立した。Doxycycline投与なし(Dox OFF)、投与あり(Dox ON)、一定期問Dox投与後に再度中止(Dox removal)することでのXIST-Tri21 APCの表現型の変化を解析した。APCの増殖速度、遺伝子発現プロファイルなどの解析を行い、APC異常増殖の資任遺伝子の特定を試みた。
 XIST-Tri21 APCは、Dox 0FFの状態では健常細胞に比較して増殖速度は亢進したが、Dox ONにより増殖速度は低下し健常細胞と同程度となった。Dox removalではAPCの増殖速度は再び上昇した。この表現型を遺伝子発現プロファイルと比較することで、責任遺伝子をDYRK1A、PIGP、DSCR3の3つに絞り込んだ。DYRK1Aに対してCRISPR/Cas9 systemを用いて、DYRK1Aの発現コピー数を減少させることで、APCの増殖速度が低下することを見出した。DYRK1A阻害剤を用いても同様にAPCの増殖速度は低下した。また、PIGP、DSCR3に関しては、piggyBac transposon systemを用いて、それぞれ遺伝子の強制発現を行うことで解析を行った。PIGPの強制発現においてAPCの増殖速度は亢進したが、DSCR3に関しては増殖速度に変化はなかった。またそれぞれSiRNAを用いてknockdownを行うと、SiPIGPでは増殖速度は低下したが、SiDSCR3では増殖速度に変化はなかった。以上の結果より、APC異常増殖に関連する遺伝子としてDYRK1、PIGPを同定した。

〔総 括(Conclusion)]
 遺伝的背景が同一である細胞株パネルを用いて、APC増殖責任遺伝子を特定した。今後もこの実験モデルを用いて他の細胞においても実験を行い、ダウン症候群における病態解明をさらに進めていきたい。

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