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大学・研究所にある論文を検索できる 「頭蓋内電極を用いた年齢による音認識変化の理解~てんかん外科治療の術後発作抑制と合併症軽減の両立のために~」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

頭蓋内電極を用いた年齢による音認識変化の理解~てんかん外科治療の術後発作抑制と合併症軽減の両立のために~

坂倉, 和樹 筑波大学

2023.09.04

概要



論 文 題 目:
識変化の理解







頭蓋内電極を用いた年齢による音認
~てんかん外科治療の術後発作抑制

と合併症軽減の両立のために~

指導教員:
人間総合科学研究科 疾患制御医学専攻
石川 栄一 教授



属:筑波大学大学院人間総合科学研究科
疾患制御医学専攻



名:坂倉

和樹



的:薬剤抵抗性てんかんに対する外科治療の目標とは、術後のてんか

ん発作抑制と術後の神経学的な合併症の軽減を両立させることである。合併症
の一つである言語障害は、言語野周囲の損傷で起こるとされているが、言語野
には個人差があり、症例に応じた切除範囲を考慮する必要がある。しかし、小
児では神経の可塑性が高く、長期的に合併症の症状改善が期待できることから、
術後の発作抑制を優先し、成人に比べて積極的に外科治療が行われることがあ
る。成人では、大脳の上側頭回(STG)皮質、およびその周辺の脳皮質が言語機
能に関連していると言われているが、小児が同様の部位に同様の機能を示すの
か、それとも発達とともに部位や機能が変化していくのかは明らかになってお
らず、この解明が小児における言語障害の回復過程や言語習得の機序解明の一
助となる可能性がある。
言語習得の有力な概念は、機能の再編成を通じて無関係な聴覚情報を無視する
ことを学習し、関連情報をより効率的に処理できるようにすることである。し
かし、脳のどの領域がどの時間帯に、このような聴覚情報の無視と効率的な処
理を行っているかを、年齢の違いに着目して、明らかにした研究はほとんどな
い。そこで本研究では、薬剤抵抗性焦点てんかんの標準治療を受けている患者
を対象に測定した頭蓋内皮質脳波反応を用いて、年齢における音の認識の変化
を解明することを目的とした。
対象と方法:皮質脳波検査を受けた患者 32 名(年齢 8 ヶ月〜28 歳)を対象に、
発作発生領域、発作間欠期の棘波発生領域、MRI 病変を除いた 2,039 個の頭蓋
内電極を解析した。患者には刺激に対して反応する必要がない条件下で順再生
音声、逆再生音声、信号関連雑音が与えられた。次に、70-110Hz の高ガンマ反
応を用いて、与えられた時間窓における音処理に関連した神経活動を定量化し、
年齢が高ガンマ反応に脳領域や時間窓を越えて独立して寄与しているかどうか
を明らかにした。


果:STG における雑音関連の高ガンマ反応の解析では、年齢が上が

るにつれて、早期の高ガンマ反応が増加し、遅発性の高ガンマ反応が減少する
ことが明らかになった。一方、音声関連の高ガンマ反応の解析では、STG の前
後方向の機能分割が示された。左前方 STG の早期(刺激開始後 200 ミリ秒以内)
高ガンマ反応は年齢が上がるにつれて、増加が見られたが、左後方 STG の遅延
高ガンマ反応は年齢が上がるにつれて、減少した。


察:雑音関連の高ガンマ反応が、年齢が上がるにつれ減少するのは、

STG における神経の刈り込み(無関係な皮質シナプスが小児期から青年期にか

けて段階的に除去されること)に起因すると考えられる。音声関連の高ガンマ
反応では、年齢が上がるにつれ、STG 内の機能を分割することで、効率的な音
声処理が行えるようになると考えられる。


論:この結果は、成長に伴い、ヒトの STG は神経動態を洗練させ、

有益でない雑音を迅速に検出し、その後無視するという考えを支持するもので
ある。また、左 STG 内の前方と後方の機能分割は、年齢が上がるにつれ、効率
的な音声知覚のために徐々に強化されるという考え方も支持される。これらの
結果は、言語習得において重要な過程である。脳の可塑性は、このような発達
に伴う神経の機能編成を伴っているものと考えられ、今後のてんかん外科治療
の発作抑制と神経合併症発生の減少の両立につながる可能性がある。 ...

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