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大学・研究所にある論文を検索できる 「薬剤溶出性ステント留置後の冠動脈過収縮反応に対する低出力パルス波超音波―血管外膜の炎症に対する治療の試み―」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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薬剤溶出性ステント留置後の冠動脈過収縮反応に対する低出力パルス波超音波―血管外膜の炎症に対する治療の試み―

渡辺 翼 東北大学

2022.03.25

概要

【背景】冠動脈外膜が炎症性変化を起こし、血管平滑筋収縮の分子スイッチの役割を果たしている Rho-kinaseと呼ばれるタンパク質が関与するシグナル伝達系が亢進することで、血管平滑筋の過剰収縮(攣縮)が引き起こされることが明らかとなっている。一方、血管外膜をターゲットとした治療法は未だ確立していない。体表面からアプローチする低出力パルス波超音波 (low-intensity pulsed ultrasound: LIPUS) 法は、内皮型一酸化窒素合成酵素 (endothelial nitric oxide synthase: eNOS) 誘導を介し、抗炎症作用を発揮することが期待される。

【目的】LIPUS 治療が薬剤溶出性ステント (drug-eluting stent: DES) 留置後のブタ冠攣縮モデルにおいて冠動脈過収縮反応を抑制するか否か、どのような機序が関与しているかを検討した。

【方法】去勢後の雄ブタの冠動脈左前下行枝 (left anterior descending coronary artery: LAD) への DES 留置後、 LIPUS 群または sham 群 (各群 8 頭) に無作為に割り付けた。LIPUS 群では全身麻酔下に、LIPUS を 32 サイクル、193 mW/cm2 の条件下で留置したステントの近位端、遠位端、ステント中央部に対して、それぞれ 20 分間、 1 日おきに計 2 週間の照射を施した。Sham 群は全身麻酔を行い、LIPUS 照射以外の手技を同様に施した。ステント留置後 4 週の時点で冠動脈造影検査と薬物負荷試験を行った後、開胸し近赤外線カメラを用いて心臓リンパ輸送速度を評価した。Ex vivo で冠動脈標本を作製し免疫組織学的分析を行った。

【結果】Sham 群の DES 両端において認められた serotonin に対する冠動脈過収縮反応は、LIPUS 群で有意に抑制されていた。さらに、in vivo での心臓リンパ輸送速度は、sham 群よりもLIPUS 群で有意に速かった。組織学的分析ではマクロファージ集積やインターロイキン 1β 発現などの炎症性変化、Rho-kinase の発現および活性化が LIPUS 群で有意に抑制されていた。eNOS はLIPUS 群で有意に発現が亢進しており、リンパ管新生の程度やリンパ管新生因子の増生と有意な相関関係を認めた。

【結論】LIPUS 治療は冠動脈外膜の炎症と冠動脈過収縮反応を抑制した。その機序として、eNOS の増生によるリンパ管新生の亢進を介した炎症性サイトカインのドレナージ亢進による抗炎症効果が考えられた。

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