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大学・研究所にある論文を検索できる 「Impairment of endothelium-dependent digital vasodilatations in patients with microvascular angina」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Impairment of endothelium-dependent digital vasodilatations in patients with microvascular angina

梶谷 翔子 東北大学

2020.03.25

概要

【背景】 冠攣縮性狭心症 (vasospastic angina: VSA) と微小血管狭心症 (microvascular angina: MVA) は非閉塞性冠動脈疾患における心筋虚血の病因として重要である。VSA と MVA はいずれも冠動脈機能異常が原因とされ、VSA は心表面冠動脈の攣縮が原因である一方、MVA は冠微小血管における攣縮あるいは拡張障害の 2 つの機能異常が原因と考えられている。さらに近年、MVA 患者は末梢血管においても血管機能異常を有するという報告があるが、その機序に関しては未だ十分には解明されていない。血管内皮細胞は内皮由来弛緩因子(endothelium-derived relaxing factors: EDRFs) と総称される弛緩物質を産生・放出し、血管の恒常性の維持に重要な役割を果たしている。この EDRFs にはプロスタサイクリン (prostacyclin: PGI2)、一酸化窒素 (nitric oxide: NO)、内皮由来過分極因子(endothelium-dependent hyperpolarizing factors: EDHF) が存在する。大動脈などの導管血管における弛緩反応は主に NO により制御されている一方で、血管径が細い抵抗血管では EDHF が重要な役割を果たしていると考えられている。しかしながら、VSA、MVA の病態における、EDRFs、特に EDHF の役割に関しては未だ解明されていない。そこで本研究では、VSA 患者、MVA 患者、VSA と MVA を合併する患者 (VSA+MVA) を対象に、末梢血管における導管血管 (上腕動脈) と 抵抗血管 (指尖細動脈) を用いて、NO と EDHF による内皮依存性拡張反応を検討した。

【方法】 狭心症が疑われ東北大学病院において心臓カテーテル検査が施行された患者のうち、冠動脈の攣縮を評価するアセチルコリン負荷冠攣縮誘発試験と、冠動脈の拡張能を評価する冠動脈生理学的検査の両者が施行された 43 例 (62.0±8.9[平均±標準偏差] 歳) を、VSA 単独群 13 例、MVA 単独群 10 例、VSA+MVA 群 20 例の 3 群に分類した。次に、各群の患者の上腕動脈、指尖細動脈において、ブラジキニン (bradykinin: BK) の上腕動脈内投与により惹起される内皮依存性拡張反応を各々超音波検査、末梢動脈トノメトリーを用いて同時に測定した。NO と EDHF による内皮依存性拡張反応をそれぞれ評価するために、アスピリンの内服、NGモノメチル-L-アルギニン (NG-monomethyl-L-arginine: L-NMMA) の上腕動脈内投与を順次行い、PGI2 と NO による内皮依存性拡張反応をそれぞれ抑制した条件において測定を繰り返した。その後、上腕動脈、指尖細動脈におけるニトログリセリンの舌下投与後の内皮非依存性拡張反応を測定した。さらに、内皮機能に関連した血漿バイオマーカーを測定した。

【結果】 VSA 単独群、MVA 単独群、VSA+MVA 群の 3 群間では、年齢、性別、糖尿病以外の冠危険因子、心臓超音波検査で測定された心機能について有意な差を認めなかった。また内服薬においても 3 群間で有意な差を認めなかった。上腕動脈においては、3 群供に BK の用量に応じた内皮依存性拡張反応の上昇を認めた。一方、指尖細動脈においては、BK に対する内皮依存性拡張反応は VSA 単独群では保持されていたが、MVA 単独群でほぼ消失していた (P<0.05)。 さらに、NO と EDHF による内皮依存性拡張反応は MVA 単独群において著明に低下していた。ニトログリセリンに対する内皮非依存性拡張反応は 3 群で同程度であった。血漿バイオマーカーに関しては、可溶性 VCAM-1 の濃度は VSA 単独群と比較して MVA 単独群において有意に上昇していた。

【結語】抵抗血管における NO 及び EDHF による内皮依存性拡張反応は MVA 単独群で著明に低下しており、MVA は全身性の微小血管内皮機能障害の一部を反映している可能性が示唆された。

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