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大学・研究所にある論文を検索できる 「Bomb Cyclones in the HighResMIP Historical Simulations and Future Projections [an abstract of entire text]」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Bomb Cyclones in the HighResMIP Historical Simulations and Future Projections [an abstract of entire text]

高, 嘉祥 北海道大学

2021.09.24

概要

地球温暖化が進行する中で,いわゆる気象の極端現象が温暖化によってどのような影響を受けるのかは,大きな注目を集めている.ただし,現在の地球温暖化研究に用いられている気候モデル(大気海洋結合モデル)は,解像度の不足から台風を含め多くの極端現象を適切に表現することができない.このように,気候モデルが表現できない極端現象の一つに,爆弾低気圧がある.爆弾低気圧は国際的に確立した気象学の用語であり,短時間に急速に発達する温帯低気圧を意味する.この急速な発達は,低気圧の中心気圧で評価し,24 時間で 24 hPa × sin(緯度)/sin(60度)以上の気圧低下が生じることが爆弾低気圧の条件である.爆弾低気圧はしばしば日本にも気象災害をもたらす,重要な極端現象である.

本論文は,このような現況にある爆弾低気圧について,高解像度の全球気候数値モデルおよび全球大気数値モデルの解析を行うことで,数値計算モデルの解像度がどのように爆弾低気圧に影響するのか,さらに温暖化が爆弾低気圧をどのように変えるのかを明らかにした.これらの数値モデルデータは,第六期結合モデル相互比較プロジェクトの一環である,高解像度モデル相互比較プロジェクトのプロトコルによって計算されたもので,ヨーロッパの PRIMAVERA プロジェクトよりモデルデータの提供を受けた.

まず爆弾低気圧の特性に強い解像度依存性があることを明らかにした.水平解像度が高いほど,爆弾低気圧の発生頻度は高くなり,平均水平サイズは小さくなる.回帰分析によると,爆弾低気圧の発生頻度は解像度 140km から 25km の間で約 2 倍になる.爆弾低気圧の全体的な増加は,小規模な爆弾低気圧の顕著な増加と,大規模な爆弾低気圧のある程度の減少によっている.また,高解像度モデルの爆弾低気圧は最大風速が大きく,これはサイズが小さいことによる圧力勾配の増加に関連している.これらの結果は,爆弾低気圧を適切に評価するには,高解像度の数値モデルを使用することが重要であることを意味している.

さらに,爆弾低気圧が将来どのように変化するかを調査した.高解像度モデル相互比較プロジェクトでの将来変化は,IPCC 第五次評価報告書で用いられた,最も温暖化が進むシナリオ RCP8.5に基づき,2050 年まで計算がなされている.データ解析の結果,爆弾低気圧の発生頻度は,場所によって異なる変化を示し,それらの変化は大気の大規模場の変化と関係していることを示した.すなわち,人間活動によって将来の気候は,単に気温が上昇するのみならず,大気循環も変化する.その大気循環の変化が,高解像度モデルにおける爆弾低気圧の将来変化に重要であることを明らかにした.

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