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大学・研究所にある論文を検索できる 「Imaging Characteristics of Liver Metastases Overlooked at Contrast-Enhanced CT」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Imaging Characteristics of Liver Metastases Overlooked at Contrast-Enhanced CT

Nakai, Hirotsugu 京都大学 DOI:10.14989/doctor.k23074

2021.03.23

概要

転移性肝腫瘍は最も頻度の高い肝内悪性腫瘍である。造影 CT は、転移性肝腫瘍を検索するために行われる頻度の高い画像検査である。転移性肝腫瘍の早期発見は適切な治療のために重要であるが、初期の病変は見落とされて治療時機を逸してしまうことがある。見落としには様々な要因が関わり、病変の画像的特徴はその一因と考えられる。見落としに関連する画像的特徴は、これに精通することで見落とし軽減に有用と考えられるが、これまで十分な検討がなされていない。本研究の目的は、造影 CT において見落とされた転移性肝腫瘍の画像的特徴を評価することである。

1 名の放射線診断医が、京都大学医学部附属病院の放射線科レポートソフトウェアを用いて下記条件を全て満たす患者を同定した。
① 2010 年 11 月から 2017 年 9 月の間に、京都大学医学部附属病院で画像検査(CT、MRI、FDG-PET/CT)が行われている。
② その際の病名に、結腸癌、乳癌、胃癌、肺癌かのいずれかを含む。
③ ①の画像を読影した放射線診断医によって、転移性肝腫瘍と診断されている。 この条件を満たした 746 人における、転移性肝腫瘍と初めて診断された画像を後方視的に読影した。この画像よりも前にも造影 CT が撮像されている場合には直前の造影 CT 画像も読影し、転移性肝腫瘍の見落としの有無を評価した。見落とし有無の評価が悩ましい場合には、2 名の放射線診断医の合意で決定した。また、診断されている転移性肝腫瘍が複数個ある場合、および見落とされている転移性肝腫瘍が複数個ある場合の評価対象病変は、特定の読影環境および読影医師へのバイアスを最小限にするために、最大径の一病変のみとした。最終的に評価対象とした、造影 CT で転移性肝腫瘍の見落としが生じた病変は 68 個、見落としがなかった病変は 69 個であった。評価した画像的特徴は以下の 10 項目である。①病変の最大径、②病変と背景肝間のコントラストノイズ比、③Couinaud 分類に基づく病変存在部位の肝区域、④病変が肝被膜に接するかどうか、⑤病変が肝静脈本幹もしくは門脈亜区域枝より近位の比較的太い脈管に接するかどうか、⑥病変存在部位が静脈還流異常の好発部位かどうか(肝鎌状間膜付着部ないし胆嚢床部)、⑦背景肝に 5mm より大きな肝嚢胞が 5 個以上存在するかどうか、⑧病変が単発かどうか、⑨脂肪肝の有無、⑩検査目的が悪性腫瘍の評価かどうか。見落としの有無で分類した 2 群間において、上記画像的特徴を Student の t 検定および Fisherの正確検定を用いて比較した。

結果、病変と背景肝間のコントラストノイズ比は見落とし群で有意に低かった(2.65 ± 0.24 vs 3.90 ± 0.23; p < 0.001)。肝被膜に接する病変(オッズ比, 3.44; 95%信頼区間, 1.57–7.61; p < 0.001)、脂肪肝(オッズ比, 6.35; 95%信頼区間, 1.52–38.20; p = 0.007)、悪性腫瘍の評価以外を目的とする検査(オッズ比, 9.07; 95%信頼区間, 1.14–408.03; p = 0.02)の割合は、見落とし群で有意に高かった。

背景肝とのコントラストが乏しい病変、脂肪肝の存在、肝被膜に接する病変、悪性腫瘍の評価以外を目的とする検査では、転移性肝腫瘍の見落としが増加する可能性があり画像を読影する際に注意する必要がある。

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