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Short stature is associated with low flow-mediated vasodilation in Japanese men

原田 崇弘 広島大学

2022.03.23

概要

心血管イベントはいまだに多くの国で主要な死亡原因となっており、心血管イベントを予防するためには、心血管危険因子への介入が必要である。患者の中から、心血管イベントのリスクが高く、治療介入が可能な心血管危険因子を厳格に管理すべき患者を層別化することが、心血管イベント抑制のために重要である。したがって、心血管イベントのリスクが高い患者の層別化に役立つ因子を同定することは診療上、重要である。心血管イベントリスク層別化に身長が有用である可能性について、これまでに数の研究者が低身長と心血管イベントとの関連性を報告されているが、低身長と心血管イベントとの関連性の正確なメカニズムはまだ不明である。

動脈硬化が進行すると心血管イベントが発症するリスクが高まることはよく知られた事実である。内皮機能障害は動脈硬化の初期段階であり、動脈硬化の進展や心血管イベントの発症に関連する。血流依存性血管拡張反応(flow mediated dilation:FMD)の測定はこの内皮機能障害を評価するためのツールであり、非侵襲的であること、繰り返し行うことで内皮機能障害の変化を測定できることから、非常に有用である。また FMD によって測定される内皮機能障害は心血管イベントの独立した予測因子であることは、これまでの多数の研究結果から示されている。今回我々は、患者の内皮機能障害と身長を同時に評価することで、FMD で評価される血管内皮機能と身長の関連性を検討した。

FMD-J study に登録された日本人男性 5051 名と、2010 年 8 月から 2016 年 8 月の間に広島大学病院を受診された日本人男性 2631 人の合計 7682 を対象に、身長と FMD の関連性を横断的に評価した。内皮機能障害評価の方法として FMD を用いた。FMD は,安静後にベースラインの上腕動脈血管径の測定を行い,その後,前腕 5 分間の躯血解放後に連続的に上腕動脈血管径の測定を行い, [FMD%=(躯血解除後の最大血管径―ベースライン血管径)/ベースライン血管径]×100 で算出した。全参加者を身長によって、<155.0 cm 未満、155.0~164.9 cm、165.0~174.9 cm、175.0 cm 以上の 4 つのグループに分けた。FMD の四分位値が低かった被験者を、FMD 値が低い被験者と定義した。

単変量回帰分析の結果、身長は FMD と有意に正の相関を示した(r=0.14, p<0.001)。FMD 値は,155.0 cm 未満の群で 4.6±3.1%,155.0~164.9 cm の群で 5.2±3.1%,165.0~174.9 cm の群で 5.7±3.1%,175.0 cm 以上の群で 6.1±3.2%であった。また FMD と身長の相関係数は FMDと体重の相関係数よりも大きかった(r=0.14 versus r=-0.08)。FMD は身長の増加に伴い、有意に増加した。多重ロジスティック回帰分析では、年齢、高血圧・脂質異常症・糖尿病の有無、現在の喫煙、上腕動脈径を調整した上で、身長の高いグループは 155.0cm 未満のグループと比較して、FMD 値が低いリスクの減少と有意に関連していた(155.0〜164.9 cm: odds ratio, 0.54; 95% confidence interval, 0.35-0.82, p=0.004, 165.0 〜 174.9 cm: odds ratio, 0.53; 95% confidence interval, 0.35-0.81, p=0.003, 175 cm 以上: odds ratio, 0.51; 95% confidence interval, 0.33-0.80, p=0.003)。また年齢、高血圧・脂質異常症・糖尿病の有無、現在の喫煙、上腕動脈径に降圧薬内の有無、脂質異常症治療薬内服の有無を加えて調整しても同様の傾向が示された(155.0〜164.9 cm: odds ratio, 0.53; 95% confidence interval, 0.35-0.82, p=0.004, 165.0〜174.9 cm: odds ratio, 0.54; 95% confidence interval, 0.35-0.82, p=0.003, 175 cm 以上:odds ratio, 0.51; 95% confidence interval, 0.33-0.81, p=0.003)。

低身長の人は高身長の人に比べて FMD が低かった。低身長者が心血管イベントのリスクを低減するためには、集中的な介入が必要であると考えられる。

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