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大学・研究所にある論文を検索できる 「Distinct difference in tumor-infiltrating immune cells between Wilms' tumor gene 1 peptide vaccine and anti-programmed cell death-1 antibody therapies」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Distinct difference in tumor-infiltrating immune cells between Wilms' tumor gene 1 peptide vaccine and anti-programmed cell death-1 antibody therapies

横田, 千里 大阪大学

2021.12.31

概要

〔目 的(Purpose)〕
悪性神経膠腫は成人の原発性脳腫瘍において頻度が高く、最も予後の悪い疾患の一つである。悪性神経膠腫細胞は高頻度にがん関連抗原の一つであるWilms’ tumor gene 1 (WT1) 抗原を発現していることが知られており、我々はこれまでこのWT1抗原を標的とするワクチン(WT1療法)を開発してきた。一方で近年がん免疫療法においては複数の免疫療法を組み合わせる複合免疫療法が注目されており、特に免疫チェックポイント阻害療法との併用療法が治療成績向上に期待されている。本研究ではWT1療法と免疫チェックポイント療法である抗Programmed death-1(PD- 1)抗体(抗PD-1抗体療法)の併用療法の有効性と免疫環境の差異についてマウス神経膠腫モデルを用いて検証した。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
マウス神経膠腫細胞株GL261にWT1とホタルルシフェラーゼ遺伝子を共発現した細胞株(GL261-WT1-Luc)を作成 し、B6 Albinoマウスの右視床に移植することでマウス神経膠腫モデルを作成した。本マウスモデルを用いて無治療群、WT1ペプチドワクチン療法群、抗PD-1抗体療法群、WT1ペプチドワクチンと抗PD−1抗体の併用療法群の4群について治療成績および腫瘍内に浸潤する免疫細胞(tumor-infiltrating immune cells ; TIIs)の比較解析を行っ た。

移植した腫瘍細胞は脳内で腫瘍塊を形成し、WT1ペプチドワクチンおよび抗PD-1抗体、またその併用により腫瘍の退縮がみられた。無治療では全例が移植33日後までに死亡したのに対し、WT1ワクチン療法群、抗PD-1抗体療法群はそれぞれ無治療群に対して有意な生存期間の延長を認めた。さらに、併用療法では各単独療法群と比較し有意に生存期間を改善した。
続いて発症したマウスの脳組織を採取し、腫瘍内の免疫環境を比較した。WT1ペプチドワクチンを投与したマウスでは、CD4+ T細胞、CD8+ T細胞、NK細胞、WT1特異的CD8+ T細胞およびCD4+ T細胞が腫瘍内に大量に浸潤したが、抗PD-1抗体を投与したマウスでは、無治療マウスのTIIsと同程度であった。また抗PD-1抗体投与マウスでは、抗 PD-1抗体が腫瘍浸潤CD8+T細胞表面に検出され、PD-1分子の発現は腫瘍浸潤CD8+ T細胞の大部分で減少した。併用療法群ではこれら単独治療時の免疫状態の双方の特徴を認めており、TIIsの総数の増加に加えてCD4陽性T細胞、 CD8陽性T細胞、NK細胞の比率の増加を認め、相乗的な抗腫瘍免疫環境が構築されている可能性が示唆された。

〔総 括(Conclusion)〕
本研究では腫瘍微小環境下でWT1ペプチドワクチンと抗PD-1抗体を用いた治療法の間でTIIsが大きく異なることを初めて明らかにし、両治療法の間で抗がん免疫のメカニズムが異なることを示した。

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