「最近の木造住宅はどの程度の地震に耐えられるか？」家をお持ちの方や購入を検討されている方には非常に興味があるテーマだと思います。阪神淡路大震災以降、実物大の木造住宅を巨大な実験装置の上に再現して揺らし、直接耐震性能を確認する「振動台実験」が数多く行われてきました。また、実大振動台実験をコンピュータ上で再現するシミュレーション手法が開発され、住宅会社等での導入が進み、揺らして耐震性能を確認することが身近になってきています。木造住宅の耐震性能確保の仕組みと、生存圏研究所が無償公開している耐震シミュレーションソフトについて解説します。
1)
熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会報告書
2)
角田ほか「2016 年熊本地震から2 年経過した益城町市街地の被災建物の現況調査」日本地震工学会論文,
2019, 第19巻1号, pp.21-33
3)
中川貴文：「大地震動時における木造軸組構法住宅の倒壊解析手法の開発」建築研究資料, 第128号
4)
一般社団法人耐震性能見える化協会HP
https://www.wallstat.jp/
著者プロフィール
中川 貴文（Takafumi Nakagawa）
＜略歴＞1998 年東京大学農学部卒業／2003 年東京大学大学院農学生命科学研究科
博士課程修了／民間企業を経て 2005 年～国土交通省国土技術政策総合研究所・
（国
研）建築研究所／2018 年～現在 京都大学生存圏研究所准教授／（一社）耐震性能
見える化協会 代表理事／博士（農学）
・博士（工学）＜主な研究＞巨大地震の際の
被害軽減を目的とした木造の耐震研究、耐震化推進に資する教育・普及活動
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