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DPCデータベースに基づく急性膵炎の実態調査

池田, 未緒 東北大学

2023.03.24

概要

博士論文

DPC データベースに基づく急性膵炎の実態調査

東北大学大学院医学系研究科医科学専攻

内科病態学講座

消化器病態学分野

池田

未緒

1

I 要約
急性膵炎(AP)は、特に重症例において多臓器不全や感染性合併症により、未だに
致命率の高い疾患である。本邦の AP の診療ガイドラインは 5-6 年毎に改訂が行われ
ており、遵守により AP の予後改善が期待されるが、実臨床においてどの程度ガイド
ラインに基づく治療が行われているかは不明である。実際の治療内容や致命率の変化
を明らかにすることは、今後のガイドラインの改訂に際して重要である。また、AP は
小児と成人でその成因や予後が異なるが、本邦において小児 AP に関する大規模調査
は少ない。以上の点を明らかにするため、本邦で医療費の定額支払い制度に用いられ
ている診断群分類別包括評価(Diagnosis procedure combination: DPC)データベースを
用い、①2015 年のガイドライン改訂前後の比較、②小児 AP と成人 AP の比較、の 2
点に関し検討を行った。2012-2020 年度の DPC データベースから、AP 患者 216,717 人
を抽出した。平均年齢は 61.6(SD, 18.9)歳、男性が 64.9%であった。重症度判定基準
に基づき、重症 AP と判定された患者は 28.6%であった。①2015 年のガイドライン改
訂前後の比較として、2014-2015 年度と 2016-2017 年度を対象に検討した。対象患者
は 2014-2015 年 49,637 人、2016-2017 年 52,482 人で、平均年齢は 2014-2015 年で 61.1
(SD, 18.8)歳、2016-2017 年で 61.7(SD, 18.9)歳と有意に高齢化していた。チャー
ルソン併存疾患指数が 3 以上である患者の割合は 2014-2015 年で 14.3%、2016-2017 年
で 16.1%であり、合併症が多い患者が増加していた。重症度基準を満たす重症 AP の

2

割合は、2014-2015 年は 26.5%、2016-2017 年は 28.8%と、重症 AP が増加していた。
患者全体の致命率は、ガイドライン改訂前後ともに 2.9%と変化がなかった。入院 14
日以内の死亡を早期致命率、15 日以降の致命率を晩期致命率と定義し死亡時期につ
いて検討すると、重症 AP において、早期致命率は 2014-2015 年、2016-2017 年でそれ
ぞれ 3.2%、2.6%と改善していた。晩期致命率は 2014-2015 年、2016-2017 年でそれぞ
れ 2.8%、2.8%と改善が乏しかった。次に、②小児 AP と成人 AP の比較について、20
歳未満を小児、20 歳以上を成人と定義し検討した。重症例は、小児群 694 人(23.1%)、
成人群 46,751 人(28.7%)と、小児において重症例が少なかった。併存疾患に登録さ
れた傷病名での検討では、慢性膵炎、糖尿病、膵癌、胆石症の合併率が成人群で有意
に高かった。一方、膵の先天性異常の合併率は小児群で有意に高かった。致命率は小
児群 0.61%,成人群 2.9%と、小児群では致命率が低いことが分かった。膵被包化壊
死(Walled-off necrosis: WON)などの晩期合併症に対するインターベンション治療を
受けたのは小児群 0.23%、成人群 1.3%であり、小児群で少なかった。AP においては、
ガイドラインの遵守により早期致命率は改善しているものの晩期致命率の改善に乏
しく、感染性合併症に対する管理が今後の課題であることが明らかとなった。また、
小児と成人の比較により、小児は成人と比較して重症例が少ないことが明らかとなり、
在院日数は短く致命率も低かった。また、小児では感染性合併症の発生率が低いこと

3

が示唆された。今後のさらなる AP 治療および予後改善にむけた治療方針の最適化に、
これらの知見が役立つことが期待される。

4

II 略語一覧
AP:Acute pancreatitis、急性膵炎
DPC:Diagnosis procedure combination、診断群分類別包括評価
CCI:Charlson comorbidity index、チャールソン併存疾患指数
WON:Walled-off necrosis、膵被包化壊死
ICD-10:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems, 10th
Revision、国際疾病分類第 10 版
ICU:Intensive care unit、集中治療室
SD:Standard deviation、標準偏差
EUS:Endoscopic ultrasonography、超音波内視鏡
DIC:Disseminated Intravascular Coagulation、播種性血管内凝固
APFC:Acute pancreatic fluid collection、急性膵周囲液体貯留
ANC:Acute necrotic collection、急性壊死性貯留

5

III 研究背景
急性膵炎(AP)は膵臓の急性炎症性疾患であり

、世界的に患者数が増加してい

1-3)

る 4-6)。2016 年に行われた AP 全国調査においては、人口 10 万人あたり 61.8 人の発症
率と推定されている 6)。AP は主にアルコールや胆石によって発症し、その多くは軽症
で致命率も低いが、約 20%の患者は重症化するとされる(図 1)1-3)。AP では、膵臓か
らの炎症性メディエーターの放出により、血管透過性亢進が生じそれにより循環血液
量減少が起こり、多臓器不全に至り重症化する 3)。また、AP の晩期には膵仮性嚢胞や
血流障害による膵壊死を発症し感染を合併することがあり、それによる敗血症によっ
て致命的な転帰を辿ることがある。軽症 AP の致命率は全国調査においては 0.5%と報
告されているが 6)、感染性膵壊死を合併した場合の致命率は約 30%との報告もあり、
依然として高い 1-3), 7)。AP においては、一般に厚生労働省急性膵炎重症度判定基準が
用いられる 8)。血液検査所見や臨床所見から成る予後因子と、造影 CT 所見から成る
造影 CT グレードによって構成され(表 1)、予後因子 3 点以上または造影 CT グレー
ド 2 以上が重症と判定される。晩期合併症に対しては、現在は改訂アトランタ分類に
よって評価される 9)。AP 発症から 4 週以内と以後、膵壊死の有無によって分類され、
特に発症から 4 週間経過し膵壊死を伴った被包化壊死(Walled-off necrosis: WON)に
おいては、ドレナージおよびネクロセクトミーが必要となることが多い。近年では、
内視鏡によるドレナージおよびネクロセクトミーが主流となっており、これは、超音

6

波内視鏡下に胃を経由して WON を穿刺し、大口径の金属製ステントを留置した上で、
経胃的に壊死物質を取り除くという方法である(図 2)。重症 AP の致命率改善のため
には大きく二つの課題があり、一つ目に発症早期の多臓器不全に対する管理と、二つ
目に感染性晩期合併症に対する治療が挙げられる。本邦の AP 診療ガイドラインは 56 年毎に改訂が行われ、最新のガイドラインは 2021 年に刊行されているが、それ以前
には 2015 年のガイドラインが広く用いられてきた

。2015 年のガイドラインでは、

10)

以前の 2010 年に刊行されたガイドラインと比較しいくつかの改訂が行われており、
その代表的な項目を表 3 に示した。特筆すべき点としては、経腸栄養は入院 48 時間
以内に開始すべきと示され、早期経腸栄養の重要性が強調されたことや、晩期合併症
に対するインターベンション治療として内視鏡または経皮的なアプローチが推奨さ
れたことなどが挙げられる。また、ガイドライン上には Pancreatitis bundles (PB)2015
が定められ、特に遵守すべき 10 項目が示されている(表 4)。しかし、このようなガ
イドラインの推奨による治療内容の変化や予後への影響は明らかとなっていない。AP
の診療実態に関する正確かつ大規模なデータは、ガイドラインの検証・改訂に必須と
考えられる。
AP では年齢によって成因が異なることが知られている。成人ではアルコールや胆
石が最も多い成因であるのに対し 1-3)、小児では遺伝性 AP や先天性異常による AP の
割合が増加する 11)。小児 AP はこのような背景の違いにより、成人 AP とは治療内容

7

や予後が異なると考えられる。小児では AP の致命率が低いことも過去に報告されて
いるが 12)、本邦における小児 AP に関する大規模なデータは少ない。
本邦では 4-5 年毎に AP の全国疫学調査が実施されている 6), 13-17)。AP の推定患者数
は過去 30 年間で増加を続け、2016 年には 78,450 人となり、2011 年に比べて 25%増
加した 6) 17)。しかし、重症 AP 患者の致命率は、2011 年の 10.1%から 2016 年には 6.1%
へ減少した。これらの調査は AP の診療実態を反映したデータとして活用されてきた
が、質問紙法による調査であるためバイアスの存在が考慮される。AP の診療実態の
把握には、よりバイアスの少ない手法による検討が必要である。
診断群分類別包括評価(Diagnosis Procedure Combination: DPC)は、2003 年から導
入された医療費の定額支払い制度に用いられる評価方法である 18) 19)。本研究で用いた
DPC データベースは、厚生労働省科研費事業である東京医科歯科大学の伏見清秀教授
を主任とする研究班により実施されているもので(課題番号:20AA2005、研究課題:
入院医療の評価のための DPC データの活用及びデータベースの活用に関する研究)、
診断群分類研究支援機構によりデータの収集が行われている。各医療機関と個別契約
を結んで匿名化後の DPC データを借用し、データベース化されている。本邦の 1,200
以上の急性期病院と全ての大学病院を含み、日本の病院のおよそ 50%を対象として
いる。DPC データベースには,1 入院ごとに国際疾病分類第 10 版(International
Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems, 10th Revision: ICD-10)に

8

基づく病名が登録され、年齢、性別、入院時の併存疾患、入退院日、集中治療室(ICU)
への入院歴、投薬や処置内容、退院時の転帰などの臨床情報が含まれる。DPC の対象
病院は年度によって異なり、DPC のデータは、各医療機関によって登録されるもので
あり、そのデータには一部病態を正確に反映したものではないデータが含まれる可能
性がある。また、外来の診療内容が含まれないことや、同一患者の再入院を区別する
ことができないなど様々な制約はある一方で、年間 700 万を超える症例を含む、本邦
の急性期医療の代表性を有するデータベースである。DPC は各種疾患の診療実態をよ
く反映し、これまでも DPC データベースを利用した報告が多数存在する。AP に関す
る報告では、持続動注療法の有効性に関する検討 20)、急性膵炎重症度判定基準と致命
率の相関についての報告

、病院規模と予後の関連を検討した報告

21)

などがある。

22)

AP 患者の大部分は急性期病院へ入院する可能性が高く、DPC データベースは AP の
解析において有用である。

9

IV 目的
本研究では、DPC データベースから AP の患者診療情報を抽出し、① 2015 年の
ガイドライン改訂前後の診療実態の変化、②小児例と成人例の比較の 2 点について、
明らかにすることを目的とした。

10

V 方法
2012-2020 年度の DPC データベースを用い、入院契機となった傷病名あるいは医療
資源を最も投入した傷病名に急性膵炎 (ICD-10 コード: K85)が登録された患者を抽
出した。合計 216,717 人を対象とし、患者の背景因子や転帰、治療内容について評価
した。ガイドライン改訂前後の検討として、2014-2015 年度と、2016-2017 年度のデー
タを比較検討した。また、20 歳未満の患者を小児と定義し、小児群と成人群の 2 群に
分けて検討を行った。入院経路において、他の病院・診療所の病棟からの転院が登録
されている患者は、転院例と定義した。医療資源を最も投入した傷病名に AP が登録
された患者においては、急性膵炎重症度判定基準

(表 1-1、2)が入力されるため、

8)

解析対象とした。重症度判定基準については、入院期間中最も重症であった時点での
数値が入力されることとなっている。対象患者の併存疾患の指標として、チャールソ
ン併存疾患指数(CCI)を用いた(表 5)23)。使用薬剤は以下のように定義した。蛋白
分解酵素阻害薬は、ナファモスタットメシル酸塩、ガベキサートメシル酸塩、ウリナ
スタチンのいずれか 1 つ以上が投与された患者を投与群とした。抗菌薬としては、カ
ルバペネム系、第 2・3・4 世代セフェム系、ピペラシリン、βラクタマーゼ阻害剤配
合ペニシリンのうちのいずれかの薬剤が投与された患者を抽出した。抗真菌薬は,フ
ルコナゾール,ホスフルコナゾール,イトラコナゾール,ボリコナゾール,ミカファ
ンギン,カスポファンギン,アムホテリシン B を対象とした。また、経腸栄養は、診

11

療行為コード 経鼻栄養:140054710(厚生労働省による医療保険請求に係るマスター
より)が登録された患者を実施した患者と定義した。インターベンション治療につい
ては、診療行為コードとして超音波内視鏡ガイド下瘻孔形成術:150362410、経皮的腹
腔膿瘍ドレナージ:150347510、AP 手術:150348210 が登録された患者を同定した。
また、併存疾患についての検討では、慢性膵炎、糖尿病、膵性糖尿病、膵癌、胆石症、
膵の先天性異常のそれぞれの疾患について、該当する病名が入力されているものを全
て対象とし抽出した。本研究における統計解析では、連続変数は平均±SD で表し、
分散分析および Welch-t 検定を用いて比較した。また、Pearson のカイ 2 乗検定を用い
て二群間比較を行った。統計解析は、JMP16(SAS Institute Inc, Cary, NC)を用いて行
った。P<0.05 にて統計学的に有意と判定した。本研究は、ヘルシンキ宣言の原則に従
って実施し、東北大学大学院医学系研究科倫理委員会(承認番号:2021-1-029)によ
り承認されている。データの匿名性を理由に書面でのインフォームドコンセントの要
件は免除されている。

12

VI. 結果

1.

全患者の検討

(1) 患者背景

合計 216,717 人の患者のうち、男性は 140,568 人(64.9%)、女性は 76,149 人(35.1%)
であった。患者背景を表 6 に示す。平均年齢は 61.6(standard deviation (SD), 18.9)歳
で、男性は 59.2(SD, 17.6)歳、女性は 66.2(SD, 20.4)歳と女性の方が高齢であった。
年代・性別毎の患者分布を図 3 に示す。最も多い年代は男性で 60-69 歳、女性は 8089 歳であった。CCI は 0 が 118,357 人(54.6%)、1-2 が 82,415 人(38.0%)、3 以上が
15,945 人(7.4%)であった。ICU へ入室したのは 6.2%で、入院経路では他の医療機関
からの転院例は全体の 3.9%であった。

(2) 重症度

表 1-1 および 2 に本邦で使用されている AP 重症度判定基準を示した。予後因子が
3 以上あるいは造影 CT グレードが 2 以上を満たす症例が重症膵炎と定義され、本検
討でも同基準を満たす例を重症 AP と定義し、満たさない例を軽症 AP とした 6)。重
症度分類が入力されていたのは、全体の 76.4%に相当する 165,656 人で、そのうち重

13

症 AP は 47,445 人(28.6%)、軽症 AP は 118,211 人(71.4%)であった。重症度別の患
者背景を表 6 に示す。平均年齢は、軽症 AP で 60.9(SD, 18.6)歳、重症 AP で 61.6
(SD, 18.9)歳と重症例で有意に高齢であった(P<0.001)。ICU への入室を要した症例
は軽症 AP で 3.2%、重症 AP で 13.9%と重症 AP で有意に多かった(P<0.001)。また、
他の医療機関から転院してきた症例は、軽症 AP のうち 2.4%、重症 AP のうち 7.1%で
あり、重症 AP の方が転院例の割合が高かった(P<0.001)。重症 AP 47,445 人のうち、
造影 CT グレードのみ満たす患者は 32,951 人(69.5%)、予後因子のみ満たす患者は
5,762 人(12.1%)、造影 CT グレードと予後因子のどちらも満たす患者は 8,732 人
(18.4%)と、造影 CT グレードのみを満たす患者が最多であった。造影 CT グレード
のみを満たす患者では、造影 CT グレードが 2 の患者が 26,713 人(81.1%)、3 の患者
が 4,293 人(13.0%)、4 の患者が 1,945 人(5.9%)であった(表 7)。予後因子と造影
CT グレードのどちらも満たす患者では、造影 CT グレードが 2 の患者が 5,392 人
(61.7%)
、3 の患者が 2,486 人(28.5%)、4 の患者が 854 人(9.8%)であった。造影
CT グレードが 4 となる患者の割合は、造影 CT グレードのみを満たす患者よりも、
予後因子と造影 CT グレードどちらも満たす患者の方が多かった(P<0.001)
。平均在
院日数については、造影 CT グレードのみを満たす患者で 20.8(SD, 22.4)日、予後因
子のみを満たす患者で 27.1(SD, 31.2)日、どちらも満たす患者で 36.6(SD, 44.4)日
で、どちらも満たす患者群で最長であった(P<0.001)。

14

(3) 致命率

本検討では AP 関連致命率と AP 非関連致命率の両者を含む全致命率を評価した。
全体の致命率は 2.9%
(6,177 / 216,717)であった。男性の致命率は 2.6%(3,621 / 140,568)、
女性は 3.4%(2,556 / 76,149)で、女性の方が男性より有意に致命率が高かった(P<0.001)
(表 8)。年齢と性別ごとの致命率の分布を図 4 に示した。男性と女性では、20-29 歳
代、40-49 歳代を除きいずれも男性の方がより致命率が高い結果であった。重症 AP の
致命率は 5.5%
(2,608 / 47,445)で、軽症 AP では 1.0%(1,139 / 18,211)であった(P<0.001)。
入院 14 日以内の死亡を早期死亡、15 日以降の死亡を晩期死亡と定義し、死亡時期に
ついて検討すると、早期致命率は 1.3%、晩期致命率は 1.6%であった(表 9)。重症 AP
では、早期致命率は 2.7%、晩期致命率は 2.8%であった。重症 AP のうち、予後因子
のみ満たす患者の致命率は 10.8%、造影 CT グレードのみ満たす患者では 2.2%、どち
らも満たす患者では 14.4%であった(表 10)。造影 CT グレードのみ満たす患者より、
予後因子のみを満たす患者の方が致命率が高いのは、予後因子の方がより強く重症度
を反映する結果であると考えられる。造影 CT グレードのみ満たす患者では、致命率
は造影 CT グレードの増加とともに上昇し、造影 CT グレード 2、3、4 の患者の致命
率はそれぞれ 1.8%、3.3%、5.4%であった(P<0.001)(表なし)。

15

(4) 入院経路ごとの比較検討

本邦の AP 診療ガイドラインでは、特に重症 AP において自施設で十分な対応が困
難の場合、直ちに高次施設に転送を考慮すべきと示されている。本検討において直接
入院の患者と他の医療機関から転院した患者を比較検討した。計 216,717 人の患者の
うち、直接入院例は 208,268 人(96.1%)、転院例は 8,449 人(3.9%)であった(表 11)

重症 AP は直接入院例では 27.7%、転院例では 53.8%であり転院例では重症 AP が過
半数を占めた(未入力例を除く)。直接入院例と比較して、転院例は女性が多い、発症
年齢が高い、ICU への入室率が高い、インターベンション治療の実施率が高いなどの
特徴がみられた。在院日数は、直接入院例で平均 17.6(SD, 23.6)日、転院例で 28.2
(SD, 36.2)日と転院例において長かった(P<0.001)。致命率は直接入院例で 2.7%、
転院例で 7.5%と転院例の方が有意に高かった(P<0.001)。

2.

ガイドライン改訂前後の検討

(1) 患者背景

2014-2015 年度、2016-2017 年度のデータを比較検討した。それぞれの患者背景を表
12 に示す。対象患者は 2014-2015 年 49,637 人、2016-2017 年 52,482 人で、平均年齢
は 2014-2015 年で 61.1(SD, 18.8)歳、2016-2017 年で 61.7 歳(SD, 18.9)と有意に高

16

齢化していた(P<0.001)。CCI が 3 以上である患者の割合は 2014-2015 年で 14.3%、
2016-2017 年で 16.1%であり、合併症が多い患者が増加していた(P<0.001)。重症度基
準を満たす重症 AP の割合は、2014-2015 年は 26.5%、2016-2017 年は 28.8%と増加し
ていた(P<0.001)。入院経路では、他の医療機関から転院してきた患者の割合は、20142015 年で 4.7%、2016-2017 年で 4.8%と明らかな変化はなかった(P=0.85)。また、在
院日数は 2014-2015 年で 18.5(SD, 30.3)日、2016-2017 年で 17.6(SD, 21.9)日と有
意に短縮していた(P<0.001)。

(2) 致命率の変化

患者全体の致命率は、2014-2015 年、2016-2017 年のいずれも 2.9%と変化はみられな
かった(P=0.96)
(表 13)。重症度別では、軽症 AP において 2014-2015 年は 1.0%、
2016-2017 年は 1.0%(P=0.50)、重症 AP において 2014-2015 年は 6.0%、2016-2017 年
は 5.4%と、いずれも有意な変化はみられなかった(P=0.082)。 ...

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XI 図表

表 1-1. 予後因子

(厚生労働省難治性膵疾患に関する調査研究班 2008)

1.

Base excess ≤-3mEq/L

またはショック(収縮期血圧 <80 mm Hg)

2.

PaO2 ≤60 mm Hg

または呼吸不全(人工呼吸器の使用)

3.

BUN ≥40 mg/dL(または Cr ≥2 mg/dL)

または乏尿

4.

LDH ≥基準値上限の 2 倍

5.

血小板 ≤100,000/μL

6.

血清 Ca ≤7.5 mg/dL

7.

CRP ≥15 mg/dL

8.

SIRS 診断基準における陽性項目≥3

9.

年齢 ≥70 歳

表 1-2. 造影 CT grade

(厚生労働省難治性膵疾患に関する調査研究班 2008)

前腎傍腔

結腸間膜根部

腎下極以遠

< 1/3

Grade 1

Grade 1

Grade 2

1/3 ~ 1/2

Grade 1

Grade 2

Grade 3

1/2 <

Grade 2

Grade 3

Grade 3

49

表 2. 改訂アトランタ分類

膵炎発症より

4 週間以内

膵炎発症から

4 週以降

間質性浮腫性膵炎

膵壊死なし

急性膵周囲液体貯留

Acute peripancreatic fluid

collections

(APFC)

膵仮性嚢胞

Pancreatic pseudocyst

(PPC)

壊死性膵炎

膵壊死あり

急性壊死性貯留

Acute necrotic collection

(ANC)

被包化壊死

Walled-off necrosis

(WON)

50

表 3. 急性膵炎診療ガイドライン 2010 と 2015 の比較(抜粋)

2010

2015

輸液

炎症に伴う循環血漿量の低下を補うために細胞外液 短時間の急速輸液(150~600 ml/h:ショックの有無

補充液を用いて十分な初期輸液を行うべきである。

や脱水の程度による)を行うことは有用である。ただ

し、過剰輸液とならないように十分に注意する。

蛋白分解酵素阻害薬

重症膵炎に対する蛋白分解酵素阻害薬の大量持続 急性膵炎に対する蛋白分解酵素阻害薬の経静脈的

点滴静注は死亡率や合併症発症率を低下させる可 投与による生命予後や合併症発生に対する明らかな

能性がある。

改善効果は証明されていない。

抗菌薬

軽症例では、予防的抗菌薬投与は必要ない。

重症例に対する抗菌薬の予防的投与により、感染性

膵合併症の発生の低下や、生命予後の改善が期待

できる。

軽症例に対しては、予防的抗菌薬は必要ない。

重症例や壊死性膵炎に対する予防的抗菌薬投与

は、発症早期(発症後 72 時間以内)の投与により生

命予後を改善する可能性がある。

栄養療法

重症例において、早期からの経腸栄養は感染性合

併症の発症率を低下させ、入院期間の短縮や医療

費の軽減にも役立つ。

経腸栄養チューブを十二指腸あるいは Treiz 靭帯を

越えた空腸に留置して行うことが一般的である。

経腸栄養は早期に開始すれば、合併症発症率を低

下させ生存率の向上に寄与するので、遅くとも入院

48 時間以内に開始することが望ましい。

原則として Treiz 靭帯を越えて空腸まで挿入した経管

栄養チューブを用いることが推奨されるが、十二指腸

内や胃内に栄養剤を投与してもよい。

インターベンション治療

膵膿瘍に対してはドレナージ治療(経皮的ドレナー 経皮的(後腹膜経路)もしくは内視鏡的経消化管的ド

ジ、内視鏡的ドレナージ、外科的ドレナージ)をすべき レナージをまず行い、改善が得られない場合はネク

である。

ロセクトミーを行う。内視鏡的または、後腹膜的アプ

ローチによるネクロセクトミーが望ましい。

51

表 4. Pancreatitis bundles 2015

1.

急性膵炎診断時、診断から 24 時間以内、および 24~48 時間の各々の時間帯で、厚生労働省重症度判定基準の予後因子スコアを用

いて重症度を繰り返し評価する

2.

重症急性膵炎では、診断後 3 時間以内に、適切な施設への転送を検討する

3.

急性膵炎では、診断後 3 時間以内に、病歴、血液検査、画像検査などにより、膵炎の成因を鑑別する

4.

胆石性膵炎のうち、胆管炎合併例、黄疸の出現または増悪などの胆道通過障害の遷延を疑う症例には、早期の ERCP+ES の施行を

検討する

5.

重症急性膵炎の治療を行う施設では、造影可能な重症急性膵炎症例では、初療後 3 時間以内に、造影 CT を行い、膵造影不良域や

病変の拡がりなどを検討し、CT grade による重症度判定を行う

6.

急性膵炎では、発症後 48 時間以内は十分な輸液とモニタリングを行い、平均血圧 65 mmHg 以上、尿量 0.5 mL/kg/h 以上を維持す

7.

急性膵炎では疼痛のコントロールを行う

8.

重症急性膵炎では、発症後 72 時間以内に広域スペクトラムの抗菌薬の予防的投与の可否を検討する

9.

腸蠕動がなくても、診断後 48 時間以内に経腸栄養(経空腸が望ましい)を少量から開始する

10.

胆石性膵炎で胆嚢結石を有する場合には、膵炎沈静化後、胆嚢摘出術を行う

52

表 5. チャールソン併存疾患指数(Charlson comorbidity index: CCI)

各1点

心筋梗塞、うっ血性心不全、末梢動脈疾患、認知症、脳血管疾患、慢性肺疾患、膠原病、消化性潰瘍、軽度の肝疾患、

合併症のない糖尿病

各2点

片麻痺、中等度-重度の腎疾患、合併症のある糖尿病、限局性固形がん、白血病、リンパ腫

各3点

中等度-重度の肝疾患

各6点

転移性固形がん、後天性免疫不全症候群

以下のように年齢調整を行った上で、疾患の点数を合計する

40 歳以下 +0 点、41-50 歳 +1 点、51-60 歳+2 点、61-70 歳 +3 点、71-80 歳 +4 点、81 歳以上 +5 点

53

表 6. 重症度別の患者背景

全患者 (n = 216,717)

軽症 AP* (n = 118,211)

重症 AP* (n = 47,445)

140,568 (64.9%)

77,452 (65.5%)

31,201 (65.8%)

0.35

全体

61.6 ±18.9

60.9 ±18.6

61.6 ±18.9

<0.001

男性

59.2 ±17.6

58.6 ±17.3

58.5 ±17.7

0.38

女性

66.2 ±20.4

65.2 ±20.1

67.6 ±19.8

<0.001

性別, 男性, n (%)

発症時年齢, 平均±SD

チャールソン併存疾患指数, n (%)

0.0003

118,357 (54.6%)

66,062 (55.9%)

26,033 (54.8%)

1-2

82,415 (38.0%)

44,225 (37.4%)

18,247 (38.5%)

>3

15,945 (7.4%)

7,924 (6.7%)

3,165 (6.7%)

ICU 入室, n (%)

13,408 (6.2%)

3,757 (3.2%)

6,576 (13.9%)

<0.001

他の医療機関からの転院, n (%)

8,449 (3.9%)

2,881 (2.4%)

3,348 (7.1%)

<0.001

致命率, n (%)

6,177 (2.9%)

1,139 (1.0%)

2,608 (5.5%)

<0.001

在院日数, 日, 平均(SD)

18.0 ±24.3

14.8 ±14.9

24.5 ±29.5

<0.001

インターベンション治療の実施, n (%)

2,826 (1.3%)

687 (0.6%)

1,341 (2.8%)

<0.001

*重症度未入力例を除く

54

表 7. 重症 AP 患者における予後因子・造影 CT grade の内訳

造影 CT grade

予後因子

<2

26,713(81.1%)

4,293(13.0%)

1,945(5.9%)

32,951

3≤

5,392(61.7%)

2,486(28.5%)

854(9.8%)

8,732

55

表 8. 性別ごとの致命率

全患者

男性

女性

致命率, n (%)

6,177 / 216,717

(2.9%)

3,621 / 140,568

(2.6%)

2,556 / 76,149

(3.4%)

<0.001

軽症 AP

1,139 / 118,211

(0.96%)

654 / 77,452

(0.84%)

485 / 40,759

(1.2%)

<0.001

重症 AP

2,608 / 47,445

(5.5%)

1,546 / 31,201

(5.0%)

1,062 / 16,244

(6.5%)

<0.001

56

表 9. 早期致命率・晩期致命率

全患者

(n = 216,717)

軽症

(n = 18,211)

重症

(n = 47,445)

致命率, n (%)

6,177 (2.9%)

1,139 (1.0%)

2,608 (5.5%)

<0.001

14 日以内

2,763 (1.3%)

412 (0.4%)

1,298 (2.7%)

<0.001

15 日以内

3,414 (1.6%)

727 (0.6%)

1,310 (2.8%)

<0.001

57

表 10. 重症度分類に基づく致命率

予後因子

造影 CT grade

非該当, n (%)

該当, n (%)

合計, n (%)

非該当, n (%)

1,139 / 118,211 (1.0%)

623 / 5,762 (10.8%)

1,762 / 123,973 (1.4%)

該当, n (%)

727 / 32,951 (2.2%)

1,258 / 8,732 (14.4%)

1,985 / 41,683 (4.8%)

合計, n (%)

1,866 / 151,162 (1.2%)

1,881 / 14,494 (13.0%)

58

表 11. 入院経路別の患者背景

性別, 男性, n (%)

発症時年齢, 平均 ±SD

全患者

(n = 216,717)

直接入院

(n = 208,268)

転院

(n = 8,449)

140,568 (64.9%)

135,346 (65.0%)

5,222 (61.8%)

<0.001

61.6 ±18.9

61.5 ±18.9

64.1 ±19.8

<0.001

0.30

チャールソン併存疾患指数, n (%)

118,357 (54.6%)

113,809 (54.6%)

4,548 (53.8%)

1-2

82,415 (38.0%)

79,157 (38.0%)

3,258 (38.6%)

>3

15,945 (7.4%)

15,302 (7.4%)

643 (7.6%)

重症 AP*, n (%)

47,445 / 165,656

(28.6%)

44,097 / 159,427

(27.7%)

3,348 / 6,229

(53.8%)

<0.001

ICU 入室, n (%)

13,408 (6.2%)

12,251 (5.9%)

1,157 (13.7%)

<0.001

インターベンション治療の実施, n (%)

2,826 (1.3%)

2,294 (1.1%)

532 (6.3%)

<0.001

致命率, n (%)

6,177 (2.9%)

5,545 (2.7%)

632 (7.5%)

<0.001

在院日数, 日, 平均 ±SD

18.0 ±24.3

17.6 ±23.6

28.2 ±36.2

<0.001

*重症度未入力例を除く

59

表 12. 2015 年前後の患者背景の比較

2014-2017 (n = 102,219)

2014-2015 (n = 49,637)

2016-2017 (n = 52,482)

66,508 (65.1%)

32,433 (65.3%)

34,075 (64.9%)

0.17

全患者

61.4 ±18.9

61.1 ±18.8

61.7 ±18.9

<0.001

男性

59.0 ±17.5

58.7 ±17.4

59.3 ±17.6

<0.001

女性

65.9 ±20.5

65.6 ±20.5

66.1 ±20.5

0.022

性別, 男性, n (%)

発症時年齢, 平均 ±SD

チャールソン併存疾患指数, n (%)

<0.001

43,810 (42.9%)

21,399 (43.1%)

22,411 (42.7%)

1-2

42,772 (41.9%)

21,142 (42.6%)

21,630 (41.2%)

>3

15,537 (15.2%)

7,096 (14.3%)

8,441 (16.1%)

重症度*, n (%)

<0.001

軽症 AP

57,485 / 79,455 (72.3%)

28,696 / 39,043 (73.5%)

28,789 /40,412 (71.2%)

重症 AP

21,970 / 79,455 (27.7%)

10,347 / 39,043 (26.5%)

11,623 / 40,412 (28.8%)

ICU 入室率, n (%)

6,179 (6.1%)

3,024 (6.1%)

3,155 (6.0%)

0.59

大学病院, n (%)

10,698 (10.5)

5,086 (10.3%)

5,612 (10.7%)

0.020

他の医療機関からの転院, n (%)

4,850 (4.8%)

2,351 (4.7%)

2,499 (4.8%)

0.85

在院日数, 日, 平均 ±SD

18.0 ±26.3

18.5 ±30.3

17.6 ±21.9

<0.001

*重症度未入力例を除く

60

表 13. 致命率の比較

全期間

2014-2015

2016-2017

全患者, n (%)

2,933 / 102,119 (2.9%)

1,427 / 49,637 (2.9%)

1,506 / 52,482 (2.9%)

0.96

14 日以内

1,316 /102,119 (1.3%)

640 / 49,637 (1.3%)

676 / 52,482 (1.3%)

0.99

15 日以内

1,617 / 102,119 (1.6%)

787 / 49,637 (1.6%)

830 / 52,482 (1.6%)

0.96

軽症 AP*, n (%)

573 / 57,485 (1.0%)

278 / 28,696 (1.0%)

295 / 28,789 (1.0%)

0.50

14 日以内

211 / 57,485 (0.4%)

96 / 28,696 (0.3%)

115 / 28,789 (0.4%)

0.20

14 日以内

362 / 57,485 (0.6%)

182 / 28,696 (0.6%)

180 / 28,789 (0.6%)

0.89

重症 AP*, n (%)

1,251 / 21,970 (5.7%)

619 / 10,347 (6.0%)

632 / 11,623 (5.4%)

0.082

14 日以内

634 / 21,970 (2.9%)

327 / 10,347 (3.2%)

307 / 11,623 (2.6%)

0.022

14 日以内

617 / 21,970 (2.8%)

292 / 10,347 (2.8%)

325 / 11,623 (2.8%)

0.91

*重症度未入力例を除く

61

表 14. 治療内容の比較

全期間

2014-2015

2016-2017

85,225 / 102,119 (83.5%)

42,416 / 49,637 (85.5%)

42,809 / 52,482 (81.6%)

<0.001

軽症 AP*

47,743 / 57,485 (83.1%)

24,451 / 28,696 (85.2%)

23,292 / 28,789 (80.9%)

<0.001

重症 AP*

19,590 / 21,970 (89.2%)

9,398 / 10,347 (90.8%)

10,192 / 11,623 (87.7%)

<0.001

79,986 / 102,119 (78.3%)

39,427 / 49,637 (79.4%)

40,559 / 52,482 (77.3%)

<0.001

軽症 AP*

42,752 / 57,485 (74.4%)

21,739 / 28,696 (75.8%)

21,013 / 28,789 (73.0%)

<0.001

重症 AP*

19,845 / 21,970 (90.3%)

9,453 / 10,347 (91.4%)

10,392 / 11,623 (89.4%)

<0.001

31,106 / 102,119 (30.5%)

15,674 / 49,637 (31.6%)

15,432 / 52,482 (29.4%)

<0.001

軽症 AP*

12,612 / 57,485 (21.9%)

6,635 / 28,696 (23.1%)

5,977 / 28,789 (20.8%)

<0.001

重症 AP*

12,579 / 21,970 (57.3%)

6,119 / 10,347 (59.1%)

6,460 / 11,623 (55.6%)

<0.001

970 / 102,119 (1.0%)

490 / 49,637 (1.0%)

480 / 52,482 (0.9%)

0.23

軽症 AP*

165 / 57,485 (0.3%)

75 / 28,696 (0.3%)

90 / 28,789 (0.3%)

0.25

重症 AP*

486 / 21,970 (2.2%)

241 / 10,347 (2.3%)

245 / 11,623 (2.1%)

0.27

4,756 / 102,119 (4.7%)

2,234 / 49,637 (4.5%)

2,522 / 52,482 (4.8%)

0.021

軽症 AP*

927 / 57,485 (1.6%)

427 / 28,696 (1.5%)

500 / 28,789 (1.7%)

0.018

重症 AP*

2,854 / 21,970 (13.0%)

1,345 / 10,347 (13.0%)

1,509 / 11,623 (13.0%)

0.97

蛋白分解酵素阻害薬, 全患者, n (%)

抗菌薬, 全患者, n (%)

カルバペネム系抗菌薬, 全患者, n (%)

抗真菌薬, 全患者, n (%)

経腸栄養, 全患者, n (%)

*重症度未入力例を除く

62

表 15. 経管栄養の開始時期の比較

2014-2015

(n=2,234)

2016-2017

(n=2,522)

0.007

開始時期

3 日以内

735 人 (32.8%)

924 人 (36.6%)

4-7 日以内

669 人 (30.0%)

771 人 (30.6%)

8-13 日以内

401 人 (18.0%)

416 人 (16.5%)

14 日以降

429 人 (19.2%)

411 人(16.3%)

63

表 16. 初回 intervention 治療の比較

全期間

(n = 1,307)

2014-2015

(n = 579)

2016- 2017

(n = 728)

超音波内視鏡ガイド下瘻孔形成術, n (%)

666 (50.9%)

261 (45.1%)

405 (55.6%)

0.001

経皮的腹腔膿瘍ドレナージ, n (%)

482 (36.9%)

230 (39.7%)

252 (34.6%)

0.057

手術, n (%)

159 (12.2%)

88 (15.2%)

71 (9.8%)

0.003

64

表 17. 局所合併症治療患者における患者背景

E (n = 595)

E + P (n = 55)

E + S (n = 30)

E + P + S (n = 9)

性別, 男性, n (%)

445 (74.8%)

30 (54.6%)

22 (73.3%)

5 (55.6%)

0.008

発症時年齢, 平均 ±SD

62.7 ±14.3

61.7 ±14.8

61.5 ±11.3

67.6 ±10.7

0.68

0.95

チャールソン併存疾患指数, n (%)

188 (31.6%)

14 (25.5%)

11 (36.7%)

3 (33.3%)

1-2

273 (45.9%)

28 (50.9%)

14 (46.7%)

4 (44.4%)

>3

134 (22.5%)

13 (23.6%)

5 (16.6%)

2 (22.2%)

重症 AP, n (%)*

262 / 458 (57.2%)

40 / 44 (90.9%)

21 / 23 (91.3%)

7 / 7 (100%)

<0.001

ICU 入室, n (%)

126 (21.2%)

25 (45.5%)

18 (60.0%)

3 (33.3%)

<0.001

大学病院, n (%)

231 (38.8%)

22 (40.0%)

12 (40.0%)

4 (44.4%)

0.98

他の医療機関からの転院, n (%)

147 (24.7%)

19 (34.6%)

7 (23.3%)

4 (44.4%)

0.23

56 (9.4%)

16 (29.1%)

7 (23.3%)

5 (55.6%)

<0.001

55.4 ±44.1

135.1 ±86.4

120.3 ±55.0

263.2 ±362.5

<0.001

致命率, n (%)

入院日数, 日数 ±SD

E, 超音波内視鏡ガイド下瘻孔形成術; P, 経皮的腹腔膿瘍ドレナージ; S, 手術

*重症度未入力例を除く

65

表 18. Pancreatitis bundles 2015 の推定実施率

2014-2015

2015-2016

8.

重症急性膵炎では、発症後 72 時

重症例のうち抗菌薬投与を実

間以内に広域スペクトラムの抗菌

施した割合

薬の予防的投与の可否を検討する

6,533 / 10,347

(63.1%)

7,109 / 11,623

(61.2%)

0.003

9.

腸蠕動がなくても、診断後 48 時間

以内に経腸栄養(経空腸が望まし 経腸栄養の投与率

い)を少量から開始する

2,234 / 49,637

(4.5%)

2,522 / 52,482

(4.8%)

0.021

項目

検討項目

66

表 19. 小児・成人の患者背景

性別, 男性, n (%)

発症時年齢, 平均 ±SD

小児

(n=4,401)

成人

(n=212,316)

2,622 (59.6%)

137,946 (65.0%)

<0.001

12.3 ±5.5

62.7 ±17.7

<0.001

チャールソン併存疾患指数, n (%)

<0.001

3,722 ±84.6

114,635 ±54.0

1-2

652 ±14.8

81,763 ±38.5

3>

27 ±0.6

15,918 ±7.5

<0.001

重症度, n (%)*

軽症 AP

2,308 / 3,002 (76.9%)

115,903 / 162,654 (71.3%)

重症 AP

694 / 3,002 (23.1%)

46,751 / 162,654 (28.7%)

他の医療機関からの転院, n (%)

212 (4.8%)

8,237 (3.9%)

0.0015

ICU 入室, n (%)

175 (4.0%)

13,233 (6.2%)

<0.001

*重症度未入力例を除く

67

表 20. 併存疾患の比較

小児

(n=4,401)

成人

(n=212,316)

慢性膵炎, n (%)

147 (3.3%)

12,125 (5.7%)

<0.001

糖尿病, n (%)

66 (1.5%)

32,136 (15.1%)

<0.001

5 (0.11%)

946 (0.45%)

<0.001

膵癌, n (%)

2 (0.05%)

1,928 (0.91%)

<0.001

胆石症, n (%)

143 (3.3%)

36,724 (17.3%)

<0.001

膵の先天性異常, n (%)

84 (1.9%)

546 (0.26%)

<0.001

うち膵性糖尿病, n (%)

68

表 21. 在院日数の比較

小児

(n=4,401)

成人

(n=212,316)

全患者

16.2 ±26.3

18.0 ±24.2

<0.001

軽症 AP*

13.3 ±16.8

14.8 ±14.8

<0.001

重症 AP*

19.6 ±24.5

24.5 ±29.5

<0.001

在院日数, 日, 平均 ±SD

*重症度未入力例を除く

69

表 22. 致命率の比較

小児

(n=4,401)

成人

(n=212,316)

全患者, n (%)

27 / 4,401 (0.6%)

6,150 / 212,316 (2.9%)

<0.001

軽症 AP*, n (%)

3 / 2,308 (0.1%)

1,136 / 115,903 (1.0%)

<0.001

重症 AP*, n (%)

8 / 694 (1.2%)

2,600 / 46,751 (5.6%)

<0.001

*重症度未入力例を除く

70

表 23. 治療内容の比較

小児

成人

3,057 / 4,401 (69.5%)

174,837 / 212,316 (82.4%)

<0.001

軽症 AP*

1,640 / 2,308 (71.1%)

94,935 / 115,903 (81.9%)

<0.001

重症 AP*

577 / 694 (83.1%)

41,166 / 46,751 (88.1%)

<0.001

1,078 / 4,401 (24.5%)

74,435 / 212,316 (35.1%)

<0.001

軽症 AP*

440 / 2,308 (19.1%)

30,023 / 115,903 (25.9%)

<0.001

重症 AP*

345 / 694 (49.7%)

28,435 / 46,751 (60.8%)

<0.001

81 / 4,401 (1.8%)

3,710 / 212,316 (1.8%)

0.64

軽症 AP*

14 / 2,308 (0.6%)

490 / 115,903 (0.4%)

0.18

重症 AP*

27 / 694 (3.9%)

1,839 / 46,751 (3.9%)

0.95

経腸栄養, 全患者, n (%)

331 / 4,401 (7.5%)

9,831 / 212,316 (4.6%)

<0.001

軽症 AP*

99 / 2,308 (4.3%)

1,888 / 115,903 (1.6%)

<0.001

重症 AP*

104 / 694 (15.0%)

5,864 / 46,751 (12.5%)

0.054

19 / 4,401 (0.4%)

3,598 / 212,316 (1.7%)

<0.001

軽症 AP*

2 / 2,308 (0.09%)

331 / 115,903 (0.3%)

0.074

重症 AP*

6 / 694 (0.9%)

2,243 / 46,751 (4.8%)

<0.001

蛋白分解酵素阻害薬, 全患者, n (%)

抗菌薬, 全患者, n (%)

トロンボモデュリン製剤, 全患者, n (%)

持続的血液濾過透析, 全患者, n (%)

*重症度未入力例を除く

71

表 24. インターベンション治療の実施率

小児

成人

全患者

10 / 4,401 (0.2%)

2,816 / 212,316 (1.3%)

<0.001

軽症 AP*

4 / 2,308 (0.2%)

683 / 115,903 (0.6%)

0.0092

重症 AP*

2 / 694 (0.3%)

1,339 / 46,751 (2.9%)

<0.001

超音波内視鏡ガイド下瘻孔形成術, n (%)

4 / 4,401 (0.09%)

1,487 / 212,316 (0.7%)

<0.001

経皮的腹腔膿瘍ドレナージ, n (%)

4 / 2,308 (0.09%)

1,195 / 115,903 (0.6%)

<0.001

3 / 694 (0.07%)

461 / 46,751 (0.2%)

0.034

インターベンション治療, n (%)

手術, n (%)

*重症度未入力例を除く

72

図 1. 急性膵炎の一般的経過

73

図 2. 膵被包化壊死に対する大口径金属ステントを用いた内視鏡下ドレナージおよびネクロゼクトミー法

74

図 3. 年齢・性別毎の AP 患者の分布

男性では 60-69 歳、女性では 80-89 歳が最多であった。

75

図 4. 年齢・性別毎の致命率

20-29 歳、40-49 歳を除き、男性の方が女性よりも致命率が高かった。また、性別を問わず高齢になるほど致命率が高かった。

76

図 5. 小児と成人の予後因子・造影 CT grade の分布

予後因子・造影 CT grade のどちらも、小児の方が成人より値が小さい割合が多かった。

...

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