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大学・研究所にある論文を検索できる 「我が国における死亡前14日間の終末期医療の実態に関する研究:診療報酬請求データベースを用いた観察研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

我が国における死亡前14日間の終末期医療の実態に関する研究:診療報酬請求データベースを用いた観察研究

富樫, 慎太郎 東北大学

2023.03.24

概要

(書式18)




位 論 文 要 約
A b s t r a c t )

博士論文題目 Title of dissertation
我が国における死亡前 14 日間の終末期医療の実態に関する研究:診療報酬請求データベースを用いた
観察研究

東北大学大学院医学系研究科
家族支援看護学講座
氏名 Name

保健学専攻

緩和ケア看護学分野

富樫

慎太郎

背景:

疾病構造の変化や高齢化の影響によって、死亡者数が増加傾向であることから、終末期医療の質向上が世界
的に課題となっている。終末期医療の質の維持と向上を目的として、終末期に提供された治療や検査などの実態を捉
える調査が実施されている。我が国でも、がんを中心として終末期医療の実態に関する報告がいくつか行われている
が、非がん疾患を対象とした報告は十分とは言えない。
目的:

本研究では、死亡した入院患者を対象として、がん及び非がん 7 疾患(心疾患、脳疾患、腎疾患、肝疾患、呼
吸器疾患、神経変性疾患、認知症及び老衰)を特定し、終末期における積極的治療の実態について記述し、積極的
治療の関連要因を明らかにすることとした。
方法:

データソースは、厚生労働省から第三者提供の承認を得た、匿名レセプト情報・匿名特定健診等情報(NDB:
National DataBase)サンプリングデータセットを用いた。研究対象者は、2012 年から 2015 年の 1 月、4 月、7 月、10 月
の各月 14 日以降に死亡した、20 歳以上の入院患者とした。評価項目は、死亡前 14 日間の 7 項目の積極的治療(全
ての集中治療室(ICU, Intensive Care Unit)入室、ICU 入室期間、心肺蘇生、人工呼吸器、気管切開、経管栄養、透析、
非侵襲的陽圧換気療法(NPPV, Non-invasive Positive Pressure Ventilation)、胃ろう(PEG, Percutaneous Endoscopic
Gastrostomy)造設術、外科手術)の実施の有無、医療費とした。傷病名は、がん、心疾患、脳疾患、腎疾患、肝疾患、
呼吸器疾患、神経変性疾患、認知症及び老衰を用いた。記述統計およびロジスティック回帰分析を行った。
結果:

1

(書式18)
研究対象者として 54,105 名を特定した。割合が最も高かった主傷病名は、がん(24.9%)であり、次いで心疾患
(16.5%)、呼吸器疾患(12.3%)の順であった。
ICU 入室の実施割合は、全体において 9.7%(5,223 名/54,105 名)であり、心疾患 20.5%(1,827 名/8,902 名)が
最も多く、次いで脳疾患 12.6%(660 名/5,230 名)であった。心肺蘇生は、全体において 19.6%(10,579 名/54,105 名)で
あり、心疾患 38.1%(3,389 名/8,902 名)が最も多く、次いで脳疾患 19.7%(1,030 名/5,230 名)が多かった。人工呼吸器
は、全体において 19.3%(10,469 名/54,105 名)であり、心疾患 34.6%(3,079 名/8,902 名)が最も多く、次いで腎疾患
15.8%(238 名/1,502 名)が多かった。経管栄養は、全体において 8.5%(4,577 名/54,105 名)であり、神経変性疾患
21.0 % (152 名 /723 名 ) が 最 も 多 く 、 次 い で 脳 疾 患 15.6 % (816 名 /5,230 名 ) が 多 か っ た 。 全 体 に お い て
325[159.4-516.1]×1,000 円であり、腎疾患が 481.6[273.6-694.4] ×1,000 円と最も高く、次いで神経変性疾患で
394.3[305.8-58.2]×1,000 円が高かった。

多変量ロジスティック回帰分析は、目的変数に各積極的治療、説明変数に傷病名、年齢、性別、併存疾患スコ
ア、在院日数を用いて行った。多変量ロジスティック回帰分析の結果、死亡前 14 日間の ICU 入室の実施の増加に関
連した要因は、心疾患あり(オッズ比(OR, Odds ratio)1.96 [95%CI: 1.81-2.11])、脳疾患あり(OR 1.45 [95%CI:
1.31-1.62])、在院日数 1-7 日(OR 1.81 [95%CI: 1.65-2.01])、60 歳未満であった。死亡前 14 日間の心肺蘇生実施の増
加に関連した要因として、心疾患あり(OR2.37 [95CI:2.24-2.52])、腎疾患あり(OR1.14[95%CI: 1.00-1.30])、在院日数
1-7 日以(OR 2.87 [95% CI: 2.64-3.11])、60 歳未満であった。死亡前14日間の人工呼吸器実施の増加に関連した要
因として、心疾患あり(OR1.98 [95CI:1.87-2.10])、在院日数 1-7 日(OR1.96 [95%CI: 1.81-2.12])、60 歳未満であった。
結論:

本研究は、我が国の非がん疾患の報告において、1)心疾患以外の非がん疾患の終末期医療の実態を一部明
らかにしたこと、2)系統的レビューに基づいて死亡前 14 日間の積極的治療を記述と関連について示したこと、3)在院
日数によるサンプリングの制限に対処して、臨床実態に近い結果を示したこと、の 3 点で新規性を示したと考える。今
後は、がん及び非がん疾患の患者を対象とした、データベースで抽出可能である終末期における質の低い指標の開
発と妥当性検証、目標値設定を行うことであると考える。 ...

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