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大学・研究所にある論文を検索できる 「道扁平上皮癌スクリーニングに最適な内視鏡観察モードに関する研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

道扁平上皮癌スクリーニングに最適な内視鏡観察モードに関する研究

尾形, 洋平 東北大学

2023.03.24

概要

(書式18)




位 論 文 要 約
A b s t r a c t )

博士論文題目 Title of dissertation
食道扁平上皮癌スクリーニングに最適な内視鏡観察モードに関する研究

東北大学大学院医学系研究科
内科病態学講座
氏名 Name

医科学専攻
消化器病態学分野
尾形

洋平

【研究背景】食道扁平上皮癌の根治には早期発見が重要である。食道扁平上皮癌の検出においては、以前から
ヨード染色を用いた方法がゴールドスタンダードとして確立しているが、ヨードの刺激性による被験者の苦痛
や手間などの問題があり、全例に行うことはできない。ヨード染色にかわる方法として、光デジタル法を用い
た画像強調内視鏡の有用性が報告されている。これまでに、blue light imaging(BLI)といった狭帯域光観
察は白色光に比して食道腫瘍検出能が高いこと、色調差を強調させる linked color imaging(LCI)は食道腫
瘍を含めた上部消化管腫瘍の検出能が白色光に比して高いことが、それぞれ多施設共同ランダム化比較試験に
て報告されている。しかし、食道扁平上皮癌スクリーニングにおいて、BLI と LCI のいずれが最適な内視鏡
観察モードであるかについては明らかではない。
【研究目的】BLI は LCI に比して高い食道扁平上皮癌検出能を有する、との仮説を立てた上で、食道扁平上
皮癌スクリーニングに最適な内視鏡観察モードを明らかにすることを目的とした。
【研究方法】本邦 7 施設によるランダム化比較試験(jRCT1022190018)で、上部消化管内視鏡検査を受ける
食道扁平上皮癌高リスク患者(食道扁平上皮癌内視鏡治療・放射線治療既往、頭頚部癌保有・内視鏡治療・放
射線治療既往)を対象とした。BLI 先行群 (BLI→LCI)
・LCI 先行群(LCI→BLI)に割付けし、咽喉頭・
食道をそれぞれの観察法の順番で撮影し、腫瘍性病変の評価を行った。ヨード染色法のヨード不染域に対する
病理組織学的診断を食道扁平上皮癌診断のゴールドスタンダードとした。主要評価項目は先行観察モードにお
ける食道扁平上皮癌の検出率で、主な副次評価項目は先行観察モードにおける食道扁平上皮癌見逃し率、
BLI・LCI それぞれの診断能とした。
【研究結果】2020 年 1 月から 2021 年 4 月に 700 例が登録され、BLI 群 351 例、LCI 群 348 例に割付けられ
た(除外 1 例)
。先行観察モードの検出率は、BLI 群 4.0%(14/351 例)
、LCI 群 4.9%(17/348 例)であり有
意差を認めなかったが(リスク比, 0.82 [95%信頼区間, 0.41–1.63]; p = 0.565)、ヨード染色法で検出された食
道扁平上皮癌患者は BLI 群 19 例、LCI 群 30 例と、BLI 群は LCI 群の 2/3 未満であった(p = 0.097)
。一方、
1

(書式18)
先行観察モードの見逃し率は、BLI 群 26.3%(5/19 例)
、LCI 群 63.3%(19/30 例)と BLI 群で見逃し率が低
い結果であった(リスク比, 0.42 [0.19–0.92]; p = 0.012)
。さらに先行の BLI で見逃し、後行の LCI で検出し
た症例は認めなかった(0/5)のに対し、先行の LCI で見逃した症例の 78.9%(15/19)は、後行の BLI で検
出された。診断能については、BLI の感度は LCI に比し有意に高かったが(75.0% vs. 47.6%; p = 0.042)
、陽
性的中率は BLI のほうが低い傾向にあった(28.8% vs. 45.5%; p = 0.092)
。感度、見逃し率の点で BLI が LCI
に比し優れていた原因を明らかにするため、事後解析で癌部、非癌部の色差について検討を行った。BLI は
LCI に比し色差(ΔE*)が大きく(21.3 vs. 13.6; p < 0.001)
、明度(L*)
、色度(a*:赤-緑、 b*:青-黄)の
コンポーネント別にみた解析では、特に明度差(ΔL*)が大きかった(18.6 vs. 7.3; p < 0.001)

【結論】食道扁平上皮癌検出率では BLI・LCI 間に差異を認めなかったが、2 群間の食道扁平上皮癌患者数の
不均衡が結果に影響した可能性が考えられた。BLI は食道扁平上皮癌見逃し率が低い、食道扁平上皮癌感度が
高い、といった利点を有しており、その理由として癌部、非癌部の色差が大きいことが関係しているものと思
われた。BLI は LCI に比し食道扁平上皮癌診断能が優れており、食道扁平上皮癌スクリーニングに適してい
る可能性がある。 ...

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