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書き出し

Characterization of MORN2 stability and regulatory function in LC3-associated phagocytosis in macrophages

森田 真矢 鳥取大学 DOI:10.1242/bio.051029

2020.09.30

概要

令和 2年 9月

森田真矢


学位論文審査要旨


常世田



副主査

二 宮

治 明





初 沢 清 隆

主論文
Characterization of MORN2 stability and regulatory function in LC3-associated
phagocytosis in macrophages
(マクロファージにおけるMORN2の安定性とLC3-associated phagocytosisの調節機能の解
析)
(著者:森田真矢、梶江真由、櫻井千恵、久保修一、髙橋美紀、木下大生、堀直裕、
初沢清隆)
令和 2年

Biology Open

9巻

bio051029頁

DOI:10.1242/bio.051029

参考論文
1. Quantitative analysis of phagosome formation and maturation using an Escherichia

coli probe expressing a tandem fluorescent protein
(直列型の蛍光タンパク質を発現する大腸菌プローブを用いたファゴソーム形成およ
び成熟化の定量分析)
(著者:森田真矢、澤木和将、木下大生、櫻井千恵、堀直裕、初沢清隆)
平成29年

The Journal of Biochemistry

162巻

309頁~316頁

2. Syntaxin 11 regulates the stimulus-dependent transport of Toll-like receptor 4
to the plasma membrane by cooperating with SNAP-23 in macrophages
(Syntaxin 11はマクロファージにおいてSNAP-23と協同することによりToll様受容体
の刺激依存的な細胞膜への輸送を制御する)

(著者:木下大生、櫻井千恵、森田真矢、常松眞史、堀直裕、初沢清隆)
平成31年

Molecular Biology of the Cell

30巻

1085頁~1097頁













Characterization of MORN2 stability and regulatory function in LC3-associated
phagocytosis in macrophages
(マクロファージにおけるMORN2の安定性とLC3-associated phagocytosisの調節機能の解
析)
LC3-associated phagocytosis(LAP)は、異物の取り込みにより形成されたファゴソーム膜上に
オートファジー関連因子LC3が局在化する現象である。LAPでは異物に応じてファゴソーム内部の成
熟度が厳密に制御されるが、詳細な分子機構は不明である。最近、LAP関連因子としてMORN2(Membrane
Occupation and Recognition Nexus repeat-containing 2)が報告されたが、どのようにLAPに関与
するかなど不明な点が多い。
著者らはLAPにおけるMORN2の機能を解析する過程で、過剰発現させたMORN2の一部はユビキチンプロテアソーム系を介して分解されること、また、MORN2過剰発現マクロファージではファゴソーム
内部の活性酸素種(ROS)産生依存的にLAPが亢進することを見出した。
LAP反応の一連の過程は、エンドソームなどのオルガネラとの膜輸送を介して複雑かつ厳密に制御
されている可能性が考えられた。そこで、MORN2依存的なLAPにおける分子機構を膜輸送の観点から
明らかにするため、ファゴソームの成熟化やROS産生に機能する細胞膜局在SNAREタンパク質SNAP-23
に着目し、様々な検討を行った。

方 法
ヒト胎児腎由来Phoenix-Ampho細胞に、Flagタグや蛍光タンパク質mVenusを融合したMORN2を一過
的に発現させ、MORN2の発現とその制御について検討を行った。
マウスマクロファージ様J774細胞に、mVenusを融合したMORN2を安定発現する細胞株
(J774/mV-MORN2)を樹立し、MORN2過剰発現による大腸菌や酵母のファゴサイトーシス効率と、LAP
効率(膜結合型LC3の産生量あるいはLC3局在ファゴソーム数、それぞれの増加率)について検証し
た。またLAPに必須とされるファゴソーム内部のROS産生を阻害したときのMORN2依存的なLAP効率へ
の影響について、同様に検証を行った。
次に、SNAP-23のLAPへの関与を明らかにするため、J774/mV-MORN2細胞を用いてSNAP-23の発現抑
制および、Mycタグを融合したSNAP-23を過剰発現(J774/mV-MORN2/Myc-SNAP-23)した時のLAP効率
への影響について検討した。また、J774/mV-MORN2/Myc-SNAP-23細胞において、mV-MORN2によるファ
ゴソーム膜上のMyc-SNAP-23局在量とファゴソーム内部のROS産生量の変化を調べ、LAP効率との相関
について検証した。

結 果
MORN2を一過的に発現させた細胞では、定常状態でMORN2の分解が見られ、プロテアソーム阻害剤
であるMG132存在下で分解は抑制された。また、J774/mV-MORN2細胞では、MG132存在下に中心体マー
カーであるγ-tubulinが局在する区画にmV-MORN2の蓄積が観察された。
J774/mV-MORN2細胞を用いて大腸菌あるいは酵母を与えた場合のLAP効率を調べた結果、ともに亢
進した。一方、ファゴソームの成熟化は、大腸菌の場合は亢進し、酵母では抑制された。また、ROS
産生阻害剤であるDPI存在下では、mV-MORN2発現により亢進したLAPは抑制された。
mV-MORN2依存的なLAPは、J774/mV-MORN2細胞においてSNAP-23を発現抑制した場合は抑制され、一
方、Myc-SNAP-23を共発現させたJ774/mV-MORN2/Myc-SNAP-23細胞ではJ774/mV-MORN2細胞に比べ有意
に亢進した。このとき、MORN2の発現に依存してファゴソーム膜上のMyc-SNAP-23局在量は増加し、
それに伴いファゴソーム内部のROS産生量に有意な増加が見られた。

考 察
MORN2はMG132存在下で分解が抑制され、中心体に蓄積する様子が観察された。中心体はユビキチ
ン-プロテアソーム系による分解の場の一つであることから、MORN2はユビキチン-プロテアソーム系
により分解制御されていると考えられるが、その生理的意義は不明である。
本研究では、MORN2が亢進するLAPもROS産生依存的であること、MORN2がSNAP-23のファゴソーム膜
局在化を促進させること、そしてこのファゴソームではROS産生量が増加することを明らかにした。
これらの結果から、MORN2によってファゴソームに局在化したSNAP-23がROS産生を亢進し、LAPすな
わちLC3のファゴソーム局在化が引き起こされたと考えられる。また大腸菌、酵母いずれの場合も
LAPは亢進したが、ファゴソームの成熟化の制御が異なったことから、この制御は異物やその受容体
に依存する可能性が考えられる。SNAP-23はリン酸化状態に応じてファゴソームの成熟化を制御する
という以前の著者らの知見から、MORN2がファゴソーム膜上にSNAP-23を多く局在化させることによ
り、LAPファゴソームの成熟化の促進および抑制を調節していると考えられる。

結 論
LAP関連因子MORN2は、その安定性がユビキチン-プロテアソーム系で制御されていること、ROS産
生依存的なLAPを亢進することを明らかにした。さらに、この亢進は、MORN2依存的にSNAREタンパク
質SNAP-23のファゴソーム局在化が促進しROS産生量が増加することにより起こる可能性を示した。
MORN2によるLAPの調節機能の一端を明らかにした本研究は、自然免疫反応における「外来異物の分
解や抗原提示を効率化する機構」を理解することに繋がり重要性が高いと考えられる。

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