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大学・研究所にある論文を検索できる 「4-Phenylbutyrate ameliorates apoptotic neural cell death in Down syndrome by reducing protein aggregates」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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4-Phenylbutyrate ameliorates apoptotic neural cell death in Down syndrome by reducing protein aggregates

平田, 克弥 大阪大学

2020.10.31

概要

〔目 的(Purpose)〕
ダウン症候群(DS)は21番染色体のトリソミーが原因である、最も頻度の髙い染色体疾患である。DS患者は程度の差はあるが、全例に認知障害や学習障害が認められる。これまでにDS患者や胎児の剖検の脳の病理所見や動物実験、細胞実験などからDSの神経細胞は、成熟障害や神経細胞死を認めやすい特徴が明らかとなっている。こうした所見は、21番染色体上の重要な遺伝子(DYRKIA, APP, S100Bなど)の発現量が1.5倍に増加することが原因と考えられてきた。一方で、酵母やマウス、ヒトの細胞における知見で、染色体番号に関係なく、トリソミー細胞がタンパクの恒常性の破綻に関連する細胞ストレスを引き起こすことが明らかになりつつある。今回、我々は神経細胞におけるトリソミー共通の細胞ストレスに着目し、複数のヒトトリソミー症候群患者由来のiPS細胞を樹立し、神経分化誘導系を確立し、評価することで、トリソミー自体が神経細胞に与える影響を明らかにした。

〔方法(Methods)〕
健常児、DS患児、13トリソミー患児の皮膚線維芽細胞からiPS細胞を樹立し、各iPS細胞を胚葉体-ロゼット法を用いて神経前駆細胞に誘導した。また各iPS細胞にテトラサイクリン誘導性にNGN2を発現するコンストラクトを piggyBac vectorを用いてトランスフェクションし、iPS細胞から14日間で成熟神経細胞に誘導する系を確立した。 タンパク合成の亢進はClick-iT® AHA Alexa Fluor® 488 Protein Synthesis HCS Assayを用いてメチオニンアナログの取り込みで評価した。ユビキチン、p62、GRP78/BIP、GAD153/CH0P、カスパーゼ3などはWestern blotや免疫染色で評価した。タンパク凝集体はPROTEOSTAT aggresome Detection kitを用いて評価した。免疫染色の定景にはIN CELL Analyzer 6000およびIN Cell Developer Toolbox 1.9を用いて行った。

〔成績(Results)]
健常児の神経前駆細胞に比し、トリソミー神経前駆細胞においてタンパク合成の亢進、ユビキチンやp62の蓄積、 タンパク凝集体の蓄積の所見を明らかにした。さらにトリソミー神経細胞は、健常児の神経細胞に比し、神経細胞の脱落を認め、カスパーゼ3陽性の神経細胞死を認める率が高く、p62を含むタンパク凝集体の蓄積を認め、小胞体ストレスマーカーであるGRP78/BIPとGAD153/CHOPの発現の上昇を認めた。iPS細胞から神経分化誘導する過程でケミカルシャペロンである4-PBAを投与することで、トリソミー神経細胞における上記表現型の改善を認めた。

〔総 括(Conclusion)〕
21, 13トリソミー神経細胞は、小胞体ストレスの上昇および神経細胞死という共通の表現型を認めた。神経分化誘導の初期の段階からケミカルシャペロンである4-PBAを投与することで、小胞体ストレスを軽減し、神経細胞死の表現型の軽減が得られた。本研究の結果から、DSの神経症状に対してトリソミー細胞に共通する細胞ストレス作用が、治療のターゲットとなる可能性が示唆された。

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