学生と科学者のための英語科学論文を書くことへ実践的ヒント
概要
科学的コミュニケーションは研究活動の重要な一部である。特に,英論文を書くことは,研究結果の他の人々とのコミュニケーションの主要な方法である。なぜなら世界中の違った母国語を持つ科学者達とコミュニケーションするために,英語は共通の言葉になっているからである。しかし,日本の学校教育のみで育った学生や科学者にとっては,英語論文は難しい。日本語は英語と全く違う仕組みを持っているからである。そこでこの論文は,日本の学生や科学者に,科学論文を書く上で有用で実践的なヒントを供給しようとするものである。
本論文で使用した実例は,日本の科学者の投稿前の総説を,英国出身の科学者がクリティカルにチェックした論文からとった。本論文は8 つの主セクションからなる。8 つとは,1)動詞の時制,2)冠詞,3)単数・複数形,4)接続させる語,5)意見を表現する,6)計算式などの説明,7)「neither, either, both や only」の使い方,8)その他の難しい問題である。これらの説明は読者の英語科学論文をわかりやすくしてくれるであろう。
最後に,英語の論文技術を上げるためには,日本語でなく英語で考えること,さらに日本で生まれ日本の学校で育った学生や科学者には,論文投稿前に英語を母国語とし,かつその分野を知る科学者に投稿前に論文を見てもらうことを薦める。