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大学・研究所にある論文を検索できる 「腎移植レシピエントにおいて尿中dipeptidyl peptidase-4(DPP-4)は移植腎の尿細管炎を反映するマーカーとなりうる」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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腎移植レシピエントにおいて尿中dipeptidyl peptidase-4(DPP-4)は移植腎の尿細管炎を反映するマーカーとなりうる

山岸 敦史 山形大学

2020.03.31

概要

背景
腎移植において拒絶反応は移植腎廃絶の原因として最も多くの割合を占めている。拒絶反応を含めた移植腎障害の診断・鑑別には移植腎生検が必要であるが、侵襲的検査であることから、より低侵襲なバイオマーカーが望まれている。今回我々はDPP-4に着目し、腎移植レシピエントにおける血中ならびに尿中 DPP-4と、移植腎組織中のDPP-4 発現を調査し、移植腎生検の病理学的所見やその他の臨床的データとの関連性を検討するとともに、移植腎におけるDPP-4の動態について考察した。

方法
腎移植レシピエント28例とそれらにおける移植腎生検49検体を対象とした。生検時に血清と尿を採取し、それぞれのDPP-4濃度およびDPP-4活性を測定した。生検組織をDPP-4 特異抗体で免疫染色し、尿細管細胞におけるDPP-4発現を評価した。それらと各種臨床所見との関連性について検討した。

結果
DPP-4濃度とDPP-4活性の間には、血清、尿中ともに中等度から強い相関を認めた(順にr=0.611, r=0.794)。DPP-4 阻害薬の内服により血清・尿中 DPP-4活性は抑制されたが(順にp=0.073, p=0.049)、DPP-4濃度では血清、尿中ともに差を認めなかった。尿中 DPP-4濃度は急性T 細胞性拒絶(ATCMR)で増加し(p=0.030)、尿蛋白/クレアチニン比と有意に相関した(r=0.450)。一方、eGFRとは有意に逆相関し(r=-0.604)、Banff t, iスコアが高値になるほど増加した(ともにp<0.001)。尿中 DPP-4濃度のBanff t3またはi3に対するROC曲線下面積は0.811(95%信頼区間 0.687-0.934)であった。血清DPP-4濃度はいずれの因子とも有意な関連を認めなかった。腎尿細管細胞中のDPP-4 発現はATCMRで低下し(p<0.001)、Banff t, i, ct, ci, ah, tiスコアのが上昇すると低下する傾向を認めたが(順にp=0.043, p=0.009, p<0.001, p<0.001, p=0.017, p<0.001)、間質線維化/尿細管萎縮の診断とは関連を認めなかった(p=0.321)。

結論
尿中 DPP-4はATCMRで増加し、尿細管炎を反映するマーカーとして有用であった。腎尿細管細胞中のDPP-4 発現はATCMRとそれによる線維化で低下を認めた。ATCMRにより尿細管細胞から尿中へのDPP-4放出と、結果としての尿細管細胞中発現の低下が示唆された。

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