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大学・研究所にある論文を検索できる 「Effects of mandibular advancement device (MAD) for obstructive sleep apnea syndrome (OSAS) on occlusal function, dentition and maxillofacial morphology」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Effects of mandibular advancement device (MAD) for obstructive sleep apnea syndrome (OSAS) on occlusal function, dentition and maxillofacial morphology

石田 恵莉 広島大学

2022.03.23

概要

睡眠関連呼吸障害は、循環器疾患や代謝疾患を合併し、患者本人の生命予後に影響を与えるだけでなく、日中の集中力の低下や居眠りを惹起させ、重大な交通事故や産業事故の原因となることもあり、社会的にも悪影響を及ぼす。睡眠関連呼吸障害のうち、最も患者数が多い疾患が閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)である。成人OSASの診断は、終夜睡眠ポリグラフ検査(polysomnography:PSG)を用いて、無呼吸低呼吸指数(apnea hypopnea index: AHI)を測定し、5WAHIV15は軽症、15WAHIV30は中等症、30WAHIは重症と定義されている。重症OSAS患者への治療としては、経鼻的持続陽圧呼吸療法(nasal continuous positive airway pressure: nCPAP)が適用される。一方、軽度から中等度のOSAS患者に対しては、下顎前方位型口腔内装置(mandibular advancement device: MAD)による治療法が選択される。MADには、一体型MADと分離型MADの2種類が存在し、MADの短期的な副作用としては、使用時の違和感、起床時の咬合の違和感や顎関節の疼痛等が報告されている。長期的な副作用としては、咬合や歯列の変化が示唆されている。しかしながら、OSAS患者に対する一体型MADおよび分離型MADによる副作用に関する報告は少ない。そこで、本研究では、OSAS患者に一体型および分離型MADを使用させ、撤去後の咬合機能の経時的変化について、咬合力測定システム用フィルムおよび咬合力分析ソフトを用いて、比較•検討する。さらに、MADを4年以上使用している患者に対して、側面頭部エックス線規格写真分析および口腔模型の3D分析を行い、歯列・顎顔面形態の変化を詳細に検討することとした。

実験1では、一体型および分離型MADの短期的な副作用について、比較•検討を行った。被験者は、軽症または中等症OSASと診断されたMAD治療を受けている患者15名(男性9名、女性6名、平均年齢61.4歳)とした。分離型•一体型MADを作製し、十分調整した後、午後来院させ、デンタルプレスケールIIの採得を行い、これを患者の平常時の咬合機能のベースラインとした。帰宅後に分離型MADを装着して睡眠させた。翌朝、MAD撤去時を0分とし、30分時、60分時、120分時、720分時において、プレスケールの採得を実施した。また、その晩に一体型MAD装着を指示し、MAD撤去後に、プレスケールによる咬合力の経時的変化を解析した。

実験2では、分離型MAD使用後約4年の患者に対し、側面頭部エックス線規格写真分析および口腔模型3D分析を行い、MAD治療開始前(TO)および治療開始約4年後(T1)における歯列•顎顔面形態の変化を比較•検討した。セフアロ分析では、骨格系、歯系、顔面高の測定項目とした。3D模型分析では、上顎の歯列弓幅径、歯槽基底部幅径、口蓋深さ、そしてoverjet、overbiteとした。これらをそれぞれ統計学的に比較•検討した。

結果、一体型MAD撤去後の咬合接触面積は、ベースラインと比較して、0分時で約46%、30分時で約57%、60分時で約74%と有意に小さな値を示した。分離型MADでは、0分時で約62%、30分経過時で約78%と有意に小さな値となった。群間比較では、30分時点において分離型MADのほうが一体型MADよりも有意に大きな値となった。咬合力の経時的変化は、一体型MADでは、咬合接触面積のときと同様に0分時、30分経過時、60分経過時の値はベースラインと比較して有意に小さな値となった。分離型MADの咬合力に関しても、咬合接触面積と同様に0分時、30分時に小さな値を示した。咬合力の群間比較では、0分時において分離型MADのほうが一体型MADよりも大きな値を示した。

これらの実験結果より、以下の所見が明らかとなった。
1. 分離型•一体型MADともに装着翌朝の咬合接触面積および咬合力はベースラインと比較して低下していた。両装置を比較すると、分離型のほうが低下の割合が少なく、経時的回復も早期に起こった。また、両装置ともに装着翌朝の咬合重心はベースラインよりも前方に位置していた。両装置の比較では有意差は見られなかった。
2. MADの長期使用により、上顎前歯の舌側傾斜、下顎前歯の唇側傾斜、Ui・UTの増加、Li-Li,の減少、overjetとoverbiteの減少、SN/MPの増加、下前顔面高および総前顔面高の増加が認められた。
3. MADによりAHIおよび他の睡眠評価指数は有意に低下していた。

以上より、MAD治療の長期副作用として歯や骨格の変化が認められたが、MAD治療は客観的に利益を提供することが示唆された。

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