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大学・研究所にある論文を検索できる 「18F-FDG-Labelled Stem Cell PET Imaging in Different route of Administrations and Multiple Animal Species」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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18F-FDG-Labelled Stem Cell PET Imaging in Different route of Administrations and Multiple Animal Species

能勢, 直子 大阪大学

2021.09.24

概要

細胞治療はこれまでの内科的治療の概念を変える革新的な治療法の一つとして期待されているが、投与された細胞の生体内分布を正確にモニタリングできる手法は未だ開発されていない。前臨床試験においては、ルシフェラーゼなどの発光基質を用いたレポーター遺伝子を事前に導入した細胞を投与する生体発光イメージング法が一般的であるが、ヒトを対象とした診断・治療では、安全性の面から同法を適用することは難しい。一方、放射性同位元素を用いた分子イメージングは、非侵襲でありながらその感度は高く、定量性にも優れる最先端の画像技術である。特に陽電子放出断層撮影(PET)を用いた機能画像技術は、既に癌の診断・治療の場においては、必須の中心的技術となっていることから、本技術を細胞治療効果の評価に応用できると考えた。本研究では、核医学イメージングを投与後細胞のトラッキングに応用することにより、細胞の生体投与後体内分布を明らかにし、細胞治療の治療プロトコルの最適化に役立てることを目的とした。具体的には、2-deoxy-2-18F-fluoro-D-glucose(18F-FDG)による細胞直接標識法とPETイメージングを組み合わせ、複数の動物種に、複数の投与経路を通して生体内へ投与された幹細胞のトラッキングを行い、各々の投与経路や動物種における投与後細胞の体内分布を評価した。

まず初めに、in vitroでヒト骨髄由来間葉系幹細胞(Messenchymal Stem Cell : MSC)を18F-FDG標識する際の至適条件を決定するため、標識時間と細胞中への取り込み率の相関、および、18F-FDG標識した細胞中の18F-FDG保持率を経時的に評価した。その結果、標識時間は60分まで取り込み率が増加したのち、 120分までプラトー状態が維持されることを確認した。次に18F-FDG標識した細胞を様々な投与経路で複数種の動物に投与し、投与細胞の体内分布の違いをイメージングにより評価した。投与するMSCは、18F- FDGを含むダルベッコりん酸緩衝生理食塩水中で60分間インキュベート(37°C, 5%CO2)して標識後、末梢静脈経由、頸動脈経由、心筋内投与の複数の投与経路にて、複数の動物種に投与し、細胞投与10分後に安楽死させてからPETイメージングを行い、投与された細胞の体内分布を評価した。その結果、末梢静脈経由でMSCを投与した場合、使用した全ての動物種において、肺で強いトレーサ集積が確認され、投与されたMSCの多くが肺組織にトラップされていることが示唆された。この結果はex vivoの結果とも相関していた。さらに、PETシグナルの分布は、細胞投与の経路により大幅に異なっており、頸動脈を介した投与では頭部で最も高い集積を示し、心筋内への投与では心臓での集積が増加していた。
以上より、投与する細胞を事前にin vitroで18F-FDG標識してからPETイメージングする方法は、投与後細胞の体内分布を非侵襲的に感度良く可視化するために大変有用な手法であることを確認した。また、複数の動物種において、細胞投与経路の違いにより投与後細胞の体内初期分布に違いが生じることが確認されたことから、放射性標識した細胞を投与し追跡する生体内トラッキングシステムという手法は、細胞治療における投与後細胞の生体内モニタリングに有用であるだけでなく、細胞治療プロトコルの改善にも役立つと考えられ、診断~治療までの医療全体に大きく貢献する技術となる可能性が示された。

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