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大学・研究所にある論文を検索できる 「Roles of SHISA6 in climbing fiber synapse elimination during postnatal cerebellar development」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Roles of SHISA6 in climbing fiber synapse elimination during postnatal cerebellar development

佐野, 慶和 東京大学 DOI:10.15083/0002006549

2023.03.24

概要

[課程-2]
審査の結果の要旨
氏名

佐野

慶和

本研究では、AMPAR 補助サブユニットとして知られる SHISA6 が、発達期小脳でみられ
る登上線維(CF) -プルキンエ細胞(PC)シナプスの刈り込み、および興奮性シナプス後電流
(EPSC) のキネティクスへの影響を調べた。子宮内電気穿孔法を用いて SHISA6 をマウス
小脳の PC 特異的にノックダウン(Shisa6-KD)し、作成したマウスを電気生理学的記録法、
および免疫学的染色法により解析することで、SHISA6 が CF-PC シナプスの刈り込みに及
ぼす機能について調査し、下記の結果を得た。
1.RNA 干渉法により SHISA6 を KD する miRNA を含んだベクターを、子宮内電気穿孔法
によって胎生 11-12 日目の PC に導入して、Shisa6-KD マウスを作製した。その後、生後
18 日齢以降のマウスを用いて急性小脳スライスを作製し、刺激電極を通じて CF を刺激す
ることで生じる CF-EPSC を、PC からのホールセルパッチクランプ法で電気生理学的に計
測した。その結果、Control 群と比較して Shisa6-KD 群では、PC に投射する CF の本数が
有意に増加していた。また、CF-EPSC のキネティクスを調べた結果、Shisa6-KD 群では減
衰時間が短縮していた。以上のことから、SHISA6 は CF-PC シナプスの刈り込みおよび正
常な EPSC キネティクスの維持に必要であることが示唆された。
2. 続いて、Shisa6-KD によるシナプス刈り込み異常が,いずれの発達段階から生じるのか
を検証するために、機能分化の時期にあたる P5-6、シナプス刈り込みの前期過程(P7-12) を
含む P7-9 と P10-12、成熟後の P70 以降において Shisa6-KD の効果を電気生理学的に調べ
た。その結果、Shisa6-KD 群では、P7 以降で CF-PC シナプスの刈り込みが障害されてお
り、その影響は成熟後まで継続して残存することが示された。また、CF-EPSC のキネティ
クスを調べた結果、
SHISA6 の KD により P5 の段階で減衰時間の短縮がみられることから、
SHISA6 は少なくとも P5 以降で CF-EPSC キネティクスに関与していることが示唆された。
3. 次に、CF のシナプス刈り込みの後期過程(P12 以降)に関与することが知られる平行線維
(PF)-PC 間のシナプス伝達について、SHISA6 の KD による影響を調べた。その結果、
Shisa6-KD 群では、PF-EPSCs の振幅の減弱および減衰時間の短縮がみられ、PF -PC 間の
正常なシナプス伝達にも SHISA6 が必要であることが分かった。また、P10 以降のシナプ
ス刈り込みに関与する PC への抑制性シナプス入力について、SHISA6 の KD が影響するか
を調べるために、P11-12 において微小抑制性シナプス後電流(mIPSC) を記録した。その結

果、mIPSC の振幅および頻度のいずれにおいても、Control と Shisa6-KD に有意差は見ら
れず、SHISA6 は PC における抑制性入力の発達には関与しないことが示唆された。
4. 最後に、SHISA6 の KD による PC への興奮性入力の変化について、免疫染色法を用い
て形態学的に解析した。CF 終末のマーカーとして VGluT2、PF 終末のマーカーとして
VGluT1、PC を Car8 で免疫染色した。その結果、Shisa6-KD 群では Control 群と比較し
て、分子層における CF 終末の伸展の度合い、PC 細胞体周辺に残存する CF 終末の数、PC
樹状突起に形成された CF および PF のシナプス終末の数のいずれにおいても、有意な差は
認められなかった。以上のことから、Shisa6-KD により CF および PF シナプスに顕著な形
態学的な変化は現れないことが示唆された。
以上、本論文は、SHISA6 がマウスの発達期小脳において CF-PC シナプスの刈り込みおよ
び正常なシナプス伝達に必要であることを明らかにし、シナプス刈り込みのメカニズムの
解明に貢献したことから、学位(医学)の授与に値するものと考えられる。
よって本論文は博士( 医学 )の学位請求論文として合格と認められる。

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