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大学・研究所にある論文を検索できる 「Identification of CD14 and lipopolysaccharide-binding protein as novel biomarkers for sarcoidosis using proteomics of serum extracellular vesicles」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Identification of CD14 and lipopolysaccharide-binding protein as novel biomarkers for sarcoidosis using proteomics of serum extracellular vesicles

Futami, Yu 大阪大学

2022.07.31

概要

〔目的(Purpose)〕
サルコイドーシス(サ症)は非乾酪性肉芽腫が全身に形成される原因不明の難病である。血清バイオマーカーとして、従来よりACEやSIL-2レセプターが使用されているものの、診断における感度•特異度いずれも満足できるものとは言えない。
サ症のような多様な表現型の疾患では、網羅的な解析による新規診断法の開発が望まれるが、血清プロテオミクスは、血清蛋白の複雑性から極めて難しいとされる。最近、細胞外小胞であるエクソソームは蛋白、核酸、代謝産物を内包するだけでなく、ドナー細胞からレシピエント細胞へと細胞間や臓器間を移動する新規メッセンジャーとして注目されている。本研究では、血清由来カエクソソームに対する最新プロテオミクスを駆使したアプローチにより従来のバイオマーカーより優れるサ症の新規バイオマーカー同定に挑戦した。

〔方法ならびに成績(Metbods/Results))
サ症患者7名と健常者5名の血清から、サイズ排除クロマトグラフィーによりエクソソームを単離し、LC-MS/MSに よるショットカンプロテオミクスにより2292種類の蛋白を検出し、有意に増減するバイオマーカー候補蛋白を366 種類同定した。その366種類の蛋白に対してバイオインフォマティクスによる解析(IPA)を行ったところ、抗原提示 反応や免疫反応が主体で、上流因子検索によるとTNFQやTGF61など肉芽腫形成に関わる因子が上位にランクするため、エクソソームの蛋白プロフィールがサ症の病態を反映していることが示唆された。
366種類の蛋白から選択した25種類のバイオマーカーの有力候補蛋白について、サ症患者46名と健常者10名におい て、定量性と再現性に優れるSRM(Selected Reaction Monitoring)を用いたターゲットプロテオミクスによ'り検証 した結果、CD14、LPS-b inding protein (LBP)というマクロファージを主体とする免疫反応に関わる2分子がサ症患者において顕著な増加を示した。これら2種類の蛋白は、.エ'クソソーム内に存在するこどを免疫電顕で確認するとともに、Western blotによる発現増加も確認した。さらに、サ症患者と健常者由来のリンパ節や肺における両蛋白 の発現を確認したところ、サ症患者の肉芽腫を構成するマクロファージを主体とする単核球において発現の増加を 認めた。とりわけ、肉芽腫のHallmarkとされ、マクロファージが融合して形成される多核巨細胞における発現増加 が顕著であった。
サ症における同定された両蛋白の病熊意義を解明するために、マクロファージを用いたin vitro肉芽腫モデルを 検討した。具体的には、マクロファージ細胞株(Raw264. 7) •にLPSを加える多核巨細胞誘導モデルにおいて、多核 巨細胞が形成されるとともにマクロファージにおけるCD14の発現が顕著に増加した。同時に、マクロファージ培養 上清中のエクソソーム内におけるCD14やLBPの発現増加も認めたため、CD14、LBFはマクロファージ由来であると考えられ、サ症における肉芽腫形成に関与している事が示唆された。
次にCD14、LBPのバイオマーカーとしての診断能を評価したところ、Area Under the Curve (AUC)はそれぞれ 0.81,0.84でおり、従来のバイオマーカーより優る診断能を示した。さらに従来のバイオマーカーと組み合わせる 事でAUCが0.98にまで向上し、ACEやSIL12Rがいずれも陰性のサ症患者を新たに診断できる可能性が示唆された。

〔総括(Conclusion)〕
血清エクソソームにおけるプロテオミクスを駆使したアプローチにより、サルコイドーシスの新規バイオマーカ一としてCD14、LBPを同定した。サ症を含めた複雑多様な慢性炎症性疾患や有用なバイオマーカーのない疾患において、本ストラテジーは新規診断法開発だけでなく、病態解明や個別化医療を目指した治療にも有用性が示唆された。.

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