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大学・研究所にある論文を検索できる 「Study of physical properties of molecular clouds in the Milky Way Galaxy based on FUGIN datasets with machine learning」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

Study of physical properties of molecular clouds in the Milky Way Galaxy based on FUGIN datasets with machine learning

翟, 光遠 筑波大学

2023.09.13

概要

数理物質科学研究科 博士論文概要
専 攻 名

物理学専攻

学籍番号 201830081
学生氏名

翟 光遠

学 位 名

博士(理学)

指導教員

久野 成夫



博士論文題目 Study of physical properties of molecular clouds in the Milky Way Galaxy based on
FUGIN datasets with machine learning
(機械学習を用いた FUGIN データに基づく銀河系内分子雲の性質に関する研究)

本論文では、機械学習により解析された大量の分子雲データを用いて、銀河系の分子雲の分布や統
計的な性質についての研究成果を報告する。恒星は星間物質の高密度部分である星間分子雲内部から発
生する。銀河系における星形成のメカニズムや渦状腕などの銀河構造との関係を詳しく知るためには、
広い領域かつ高感度な観測から分子雲の性質について調べる必要がある。野辺山 45m 鏡による FUGIN
プロジェクトの銀径 10°~50°領域内の

12

CO(J =1-0)観測データ(Umemoto et al. 2017)から、

Dendrogram によって 25,734 個の分子雲を同定し、HII Region (Anderson et al. 2014) や COHRS cloud
catalogs (Colombo et al. 2018)などを参考に、様々な方法で 2,212 個の分子雲について距離を求める事
ができたが、残り 23,522 個の分子雲についてはこれらの情報だけでは距離を決定できない。このよう
な大量の分子雲サンプルの距離を決定するには、運動学的距離を使うのが現実的であるが、この手法に
は Near-Far 問題という、難点がある。本研究では、ニューラルネットワークを活用し、既に距離が求め
られている分子雲データの 70%を学習サンプルとした機械学習を構築することで、運動学的距離で問題
となる Near-Far 問題を判定させた。残り 30%の検証サンプルから総合的に 90%以上の判定精度がある
ことを確認した上で、各分子雲の積分強度、視半径、特定の距離における質量や銀河平面からの距離、
ビリアル質量などの特徴量から、Dendrogram によって同定された 25,734 個すべての分子雲について
の運動学的距離を推定した。この推定結果を利用することで、銀径 10°~50°領域内の分子雲を高い解
像度で二次元上にマッピングすることに成功し、銀河系内の分子雲の大局的な分布を知ることが出来た。
さらに、大量の分子雲のデータから質量分布関数を観測領域全体、及びいくつかの領域内に対して高い
解像度で得ることが出来た。さらに、質量-半径の関係、質量-ビリアル比の関係、半径-速度幅の関係を
求め、特にこれまでの観測でデータが不足していた低質量帯に関してのデータを得ることが出来た。
本論文は 6 つの章で構成されている。第 1 章では、分子雲の研究が星形成や渦状腕などの銀河構造
と星形成の関係の理解に必要と考えられている背景、本研究で扱う FUGIN プロジェクト観測データの
概要、分子雲の性質を計算するのに不可欠な距離を測定する方法、運動学的距離の決定手法、及び運動
学的距離を決定する際に遭遇する Near-Far 問題、機械学習が過去の銀河研究においての成果、及び本
研究の目的を述べる
第 2 章では、本論文で扱う観測データから分子雲構造を同定する手法、及び分子雲の物理量の計算

手法について述べる。本研究で扱う銀径 10°~50°領域内の FUGIN による 12CO(J =1-0)観測データか
ら、Dendrogram を通して 25,734 個の分子雲を同定することができた。
第 3 章では、運動学的距離における Near-Far 問題を解決するための機械学習の計算手法、機械学
習に使う 2,212 個の分子雲学習データの獲得方法、及び機械学習の推定結果の信頼性の評価手法につい
て述べる。信頼性評価の結果、機械学習を使用した Near-Far 同定は学習データとは無関係である検証
データに対して 90%以上の精度で正しく評価できることが確認でき、その他の分子雲に対しても同等な
精度で判断できることが期待されることがわかた。
第 4 章では、Dendrogram による分子雲質量の検出限界を計算し、さらに第 3 章で構築した機械学
習の Near-Far 推定結果を用いて計算した、銀河平面上における分子雲の大局的な分布、全体及び部分
的な領域内の質量関数、分子雲の質量-半径の関係、質量-ビリアル比の関係、半径-速度幅の関係、及び
銀河平面からの距離を考慮した分子雲の三次元分布について、分子雲の統計的な性質述べる。FUGIN の
観測と Dendrogram によって同定された 25,734 個の分子雲の距離データから、過去の研究と比べてよ
り多くのサンプルから分子雲の性質を調べる事が出来るようになった。
第 5 章では、今回の機械学習について、既存のモデルと比べた場合の優位点、機械学習が分子雲の
性質から Near-Far の推定を行う際にどのような性質が重要視されているか、精度をさらに向上させる
改善案、及び今後の展望について述べる。機械学習を導入することにより、人間による個別の判断と比
べて、少数の学習サンプルから大量の分子雲の距離を極めて速い速度で推定することが出来るようにな
った。
第 6 章では本論文の結論を述べる。 ...

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