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自己集合を利用したタンパク質のカプセル化

藤田, 大士 京都大学

2023.03

概要

令和 4 年度

京都大学化学研究所 スーパーコンピュータシステム 利用報告書
自己集合を利用したタンパク質のカプセル化
Protein encapsulation within synthetic cages
京都大学 高等研究院 物質-細胞統合システム拠点

藤田大士

研究成果概要
本研究は、自己集合現象を利用した中空構造を有する有機ケージ分子の合成、およびこれ
を用いたタンパク質などの生体高分子の包接と機能化を目的としており、その分子設計にお
いて京都大学化学研究所スーパーコンピュータシステムを利用した。
自己集合現象は、物理的あるいは数理的な駆動力に基づいて小分子が自発的に集まること
で大きな構造体を形成する現象であり、あらゆる物質スケールで広く自然界に散見される。た
とえばウイルスのカプシドのような球状構造体も自己集合現象により与えられる産物であり、こ
れを人工的に模倣しようという試みの1つが有機ケージ分子の合成研究である。有機ケージ分
子は強固な共有結合で形成される安定な構造体であり、ドラッグデリバリーやナノサイズの反
応容器としての応用が期待できる。一方、既報の有機ケージはサイズにして精々5 nm 程度で
あり、タンパク質などの生体高分子を包接する場としては不適である。よって本研究では、より
大きな中空空間を与える有機ケージを効率的に合成するために、グラフ理論に基づいた分子
設計を行い、これを実証することとした。前年度までの成果として、分子直径 6 nm の有機ケー
ジの合成とその単結晶の取得に成功しており、放射光施設での X 線構造解析の段階までプロ
ジェクトが進んでいる。本年度は、我々のグラフ理論的考察に基づいた自己集合理論の限界
を知る目的で、さらに巨大な有機ケージ分子の合成に取り組んだ。自己集合体の設計を見直
し、高い溶解性を担保しながら構造単位となる分子ユニットの伸長を行なった。得られた分子
ユニットを用いて自己集合を行い、質量分析や核磁気共鳴分析を用いて解析を行なったとこ
ろ、最大直径 9 nm の有機ケージの形成が問題なく進行することを見出している。前年度まで
に合成した有機ケージと比べて、直径にして 1.5 倍、容積にして 3 倍以上の大きさであり、大幅
なサイズ拡張に成功したといえる。一方で、構造解析という視点からは、本研究で合成する有
機ケージが中空物質であることから、従来の X 線結晶構造解析の手法をそのまま適用するこ
とは難しい。よって今後の方針としては、水中分散性と安定性を向上させた有機ケージを再設
計し、クライオ電子顕微鏡と単粒子解析法によってその構造を明らかにしていく予定である。 ...

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