リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「Immunoscore signatures in surgical specimens and tumor-infiltrating lymphocytes in pretreatment biopsy predict treatment efficacy and survival in esophageal cancer」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

Immunoscore signatures in surgical specimens and tumor-infiltrating lymphocytes in pretreatment biopsy predict treatment efficacy and survival in esophageal cancer

野間, 俊樹 大阪大学

2022.03.24

概要

〔目 的(Purpose))
近年、がん治療としての免疫チェックポイント阻害剤の開発導入にともなってがん免疫微小環境の重要性が再認識されている。その中でも特に腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は抗腫瘍免疫において主要な役割を果たすが、最近TILの新たな定量化法としてImmunoscore (IS)が提案され、主に大腸癌において患者予後と強く相関すると報告されている。しかし、食道癌領域においてはIS評価自体のfeasibilityや予後•治療効果予測における有用性についてのエビデンスは存在しない。そこで本研究では食道癌におけるIS評価の妥当性およびその予後予測における有用性、さらに治療効果予測の可能性について明らかにすることを目的とした。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
1.食道癌切除組織を用いたImmunoscoreによる予後予測
2000-2017年に根治切除を施行した術前無治療食道扁平上皮癌患者300例の外科切除組織のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)スライドにおいて、IS評価方法として抗CD3抗体(総Tリンパ球、monoclonal,Clone F 7.2.38,Dako)と、CD8抗体(キラーTリンパ球、monoclonal,Clone C8.144B,Dako)についての組織免疫化学染色を行い、腫瘍周囲の辺縁浸潤部(間質と腫瘍の境界線から内外側に500μmの範囲)と腫瘍の中心部(辺縁部より内側の範囲)のTIL数について1視野:500μ㎡を複数視野分、自動計測(BZ-X710/BZ-H3C,Keyence)した。中心部と辺縁部それぞれにおいてTIL数の上位5視野を選択し、5視野の合計TIL数の平均値をカットオフとし症例ごとにISスコアリング(0-4点)を行った。CD3・CD8の免疫染色評価では、腫瘍の中心部と辺縁部のCD3陽性細胞数(平均値)は中心部722/m㎡、辺縁部1474/m㎡(P=0.0001)、CD8陽性細胞数(平均値)は中心部500/m㎡、辺縁部870/m㎡(P=0.0001)であり、CD3・CD8ともに中心部よりも辺縁部の方が有意に多かった。この平均値を用いてISを評価すると、ISの分布は0/1/2/3/4=92例(32%)/76(25%)/52(17%)/32(10%)/48(16%)であった。ISを2群[IS-high(3-4点)群 vs IS-low (1-2点)群]に分けると、2群間でstageを含めた患者背景因子には差を認めなかった。予後に関して、全症例においてIS-High群はIS-Low群よりも予後良好な傾向があり[5年全生存率(OS)IS-High群 vs Low群:77.6 vs 65.8% , p=0.0722]、pStage Il-IV 症例(n=180)においてより顕著であった[IS-High群 vs Low群 5年 OS:70.2 vs 54.5%、p=0.0208]。さらにOSの多変量解析ではISが独立した予後因子となった。

2.食道癌治療前(NAC前)内視鏡生検組織を用いた治療効果予測
2000-2017年に術前化学療法(NAC)としてDCF(Docetaxel/Cisplatin/5-FU)またはFAP(5-FU/Adriamycin/Cisplatin)療法後に根治切除を施行した食道扁平上皮癌146例のNAC前内視鏡生検FFPEスライドを用いたCD3・CD8免疫染色評価を行った。評価法に関しては、複数の生検腫瘍検体中の全てのTIL細胞数を自動計測し、腫瘍面積あたりのTIL密度(/1μ㎡)を算出、その中央値をカットオフとしてHigh群、Low群に2群化した。CD3陽性およびCD8陽性細胞数密度の中央値は各3.1×10^4/μ㎡と1.7×10^4/μ㎡であったP=0.0001)。NAC奏効例(n=71;組織学的Grade2-3)は、非奏効例(n=75:組織学的Grade0-1b)と比較してCD3腸性(3.8×10^4 vs 2.5×10^4/μ㎡,P=0.0106)およびCD8陽性細胞密度(2.1X10^4 vs 1.4×10^4/μ㎡,P<0.0729)が多く、多変量解析においてはCD3陽性細胞密度が治療効果の独立した予測因子となった。

〔総 括(Conclusion)〕
外科切除組織および治療前内視鏡生検組織を用いたImmunoscore評価が、食道癌における予後および治療効果予測において有用である可能性が示唆された。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る