リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「レチノイドがBRAFV600E変異型大腸癌に対するBRAF阻害薬、MEK阻害薬と抗EGFR抗体薬の併用療法による抗腫瘍効果を増強させる効果に関する研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

レチノイドがBRAFV600E変異型大腸癌に対するBRAF阻害薬、MEK阻害薬と抗EGFR抗体薬の併用療法による抗腫瘍効果を増強させる効果に関する研究

吉田, 裕也 東北大学

2023.03.24

概要

(書式18)




位 論 文 要 約
A b s t r a c t )

博士論文題目 Title of dissertation
レチノイドが BRAFV600E 変異型大腸癌に対する BRAF 阻害薬、MEK 阻害薬と抗 EGFR 抗体薬の
併用療法による抗腫瘍効果を増強させる効果に関する研究

東北大学大学院医学系研究科
内科病態学講座
氏名 Name

医科学専攻

臨床腫瘍学分野

吉田

裕也

【背景】BRAF V600E 変異型大腸癌(BRAF 変異型大腸癌)は予後不良であることが知られている。BRAF
阻害薬、MEK 阻害薬と抗 EGFR 抗体薬の 3 剤併用療法(BRAF 阻害薬+MEK 阻害薬+抗 EGFR 抗体薬)に
よる分子標的治療が開発され臨床導入されたものの、いまだ BRAF 変異型大腸癌は予後不良であり、さらな
る新規治療戦略の開発が求められている。
【目的】BRAF 変異型大腸癌において、BRAF 阻害薬+MEK 阻害薬+抗 EGFR 抗体薬による抗腫瘍効果を増
強する化合物を同定し、その化合物の臨床開発を行うための前臨床データを確立すること、またその化合物
が抗腫瘍効果を増強する分子生物学的機序を解明することを目的とした。
【方法】78 種類の化合物を含む化合物ライブラリーSCADS inhibitor kit IV に含まれる各化合物(ライブラリ
ー化合物)単独および各ライブラリー化合物、BRAF 阻害薬ダブラフェニブと MEK 阻害薬トラメチニブの
3 剤併用が BRAF 変異型大腸癌細胞の増殖を抑制する効果について、MTT アッセイで評価した。DAB と TRA
の 2 剤併用(DAB+TRA)による細胞増殖抑制効果を増強させた化合物であるトレチノイン(TRE)が BRAF
阻害薬エンコラフェニブと MEK 阻害薬ビニメチニブの 2 剤併用(ENC+BIN)および ENC、BIN と抗 EGFR
抗体薬セツキシマブの 3 剤併用(ENC+BIN+CET)による BRAF 変異型大腸癌細胞の増殖抑制を増強する
効果について、MTT アッセイで評価した。さらに他のレチノイドとして、レチノール、タミバロテン、ベ
キサロテンを使用して同様に MTT アッセイで評価した。TRE と ENC+BIN の併用が細胞周期、アポトーシ
ス誘導能、遺伝子発現、タンパク質発現へ与える影響について、細胞周期解析、Annexin V-PI アッセイ、mRNA
マイクロアレイ、抗体マイクロアレイ、Western blot で解析した。この細胞増殖抑制を増強する効果が RAR
αまたは RXRαの発現の程度によって変化するかについて、siRNA によって RARαまたは RXRαを抑制さ
せた RKO 細胞と HT29 細胞を用いて評価した。これまでの in vitro の解析に加えて、腫瘍皮下移植モデルマ
ウスを用いて、TRE は ENC と CET の 2 剤併用(ENC+CET)および ENC+BIN+CET による抗腫瘍効果を
増強するかについて評価した。
1

(書式18)
【結果】単剤では増殖抑制効果が乏しく、DAB+TRA と併用することで DAB+TRA の細胞増殖抑制を増強
する化合物として、レチノイドである TRE を同定した。TRE は ENC+BIN および ENC+BIN+CET による
BRAF 変異型大腸癌細胞の増殖抑制を相乗的に増強した。さらに TRE 以外のレチノイドでも同様に ENC+
BIN による細胞増殖抑制を増強した。TRE と ENC+BIN の併用は、sub G1 を有意に増加させ、アポトーシ
ス細胞を有意に増加させた。さらに、TRE と ENC+BIN の併用は MAPK シグナル伝達経路、PI3K-Akt シグ
ナル伝達経路や JAK-STAT シグナル伝達経路などの腫瘍増殖に関わる分子シグナル伝達経路を変化させ、
cleaved PARP、BAK と p-H2AX のタンパク質発現を増強させることを明らかにした。siRNA による RARα
または RXRαの抑制は TRE と ENC+BIN の併用による細胞増殖抑制効果を減弱させ、TRE をはじめとした
レチノイドが ENC+BIN による細胞増殖抑制を増強させる効果は、部分的に RXRαまたは RARαを介した
アポトーシス誘導能の増強によることを示した。さらに、腫瘍皮下移植モデルマウスで TRE は ENC+CET
や ENC+BIN+CET による抗腫瘍効果を相乗的に増強することを示した。
【結語】TRE は BRAF 阻害薬+MEK 阻害薬によって、RARαや RXRαを介してアポトーシス誘導能を増強
し、BRAF 変異型大腸癌細胞の増殖抑制効果を相乗的に増強させる化合物であることを発見した。さらに TRE
は in vivo モデルにおいても BRAF 阻害薬+MEK 阻害薬+抗 EGFR 抗体薬の併用による抗腫瘍効果を増強す
ることを明らかにした。本研究は、レチノイドが BRAF 変異型大腸癌における有望な新規治療薬となる可能
性を示した。 ...

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る