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大学・研究所にある論文を検索できる 「ワイヤレス電力伝送における受電装置の移動に適応して受電装置に安定的に電力を供給する技術の研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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ワイヤレス電力伝送における受電装置の移動に適応して受電装置に安定的に電力を供給する技術の研究

菊地, 秀雄 キクチ, ヒデオ 群馬大学

2021.09.30

概要

本研究は、磁界共振結合によるワイヤレス電力伝送システムを実用化するために必要な設計技術を示し、実用化のために重要な技術課題を明らかにすることを目的として行なった。そのために、シミュレーション駆動による研究によって、シミュレーションを指針として設計し、また、実験体制を構築し、実験に連携させてシミュレーション技術を改善することで、研究のアプローチを改善・構築して研究を進めた。

本研究では、磁界共振結合によるワイヤレス電力伝送の特長である、コイルの寸法よりも大きい距離までワイヤレスで電力を伝送する特徴を発揮させるため、ワイヤレス電力伝送を行なう周波数として2MHz の周波数を選んで実験した。それは、電気自動車のワイヤレス電力伝送用に規格が定められている 85kHz よりも高い周波数である。

磁界共振結合方式のワイヤレス電力伝送の機能を発揮させるためには、その主要な回路である、送電コイル共振回路、及び、受電コイル共振回路の Q 値を高くすること、その共振回路の等価直列抵抗を低くすることが重要な課題である。その共振回路の等価直列抵抗を生じる原因が共振用コンデンサーにあるかコイルにあるかの原因を分析した。その原因は、指針となるシミュレーション手法を整えてコイルの AC 抵抗のシミュレーションを正確に行なえるようにすることで分かった。シミュレーションと実験の連携によって、共振回路の等価直列抵抗の主要な部分がコイルの AC 抵抗であることが分かった。

また、2MHz の周波数での実験により、コイルの AC 抵抗が、表皮効果の表皮の厚さの導体の抵抗よりも約 5 倍大きくなることが分かった。その AC 抵抗が主に、コイルの巻き線のワイヤの近接効果によって生じていることが分かった。近接効果のメカニズムを詳しく把握するための十分な情報は、コイルの AC 抵抗のシミュレーションを正確に行なえるようにすることで得られた。シミュレーションにより、コイルの近接効果は、コイルの形状に依存することが分かった。コイルの形状と近接効果の関係を調べることにより、新しい構造のコイルによって近接効果が低減できることを発見した。その新しい構造のコイルによって、コイルの AC 抵抗が小さく Q 値が高いコイルが得られた。

ワイヤレス電力伝送システムは、Q 値の大きい送電コイルと受電コイルを使って 効率良くワイヤレス電力を伝送するため、強い磁界を利用してワイヤレスに電力を 伝送する。その当然な論理的帰結として、その強い磁界によって電子装置が影響を 受ける問題があった。その影響を受けないように測定回路を改善して実験を進めた。

4つのコイルを用いた磁界共振結合方式のワイヤレス電力伝送システムの実験から、送電コイルと受電コイルを近づけ過ぎると逆にワイヤレス電力伝送の効率が落ちることを確認した。解析の結果、その現象が、隣接しないコイル間のコイルの結合係数の影響によって生じることが分かった。

3つのコイルを用いた磁界共振結合方式のワイヤレス電力伝送システムの実験で、入力インピーダンスが 1Ω程度の模型自動車の直流モーターの負荷に給電した。その実験で、走行中の模型自動車のモーターに直接的にワイヤレス電力伝送して模 型自動車を走行させることに成功した。

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