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災害被ばく時における診療放射線技師によるリスクコミュニケーションの検討

八島, 幸子 東北大学

2023.03.24

概要

博士論文

災害被ばく時における診療放射線技師による
リスクコミュニケーションの検討

東北大学大学院医学系研究科保健学専攻
災害医学研究部門 災害放射線医学分野
八島

幸子

目次
1. 要約・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1~2
2. 研究背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2~7
3. 研究目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7~8
4. 研究方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8~17
4.1 福島原発事故に対する個別の相談活動について
4-1-1 災害被ばく相談対応の概要
4-1-2 自治体 A におけるアンケート調査項目
4-1-3 自治体 B におけるアンケート調査項目
4-2 放射線技師を対象としたアンケート調査について
4-2-1 アンケート調査の概要
4-2-2 放射線技師におけるアンケート調査項目
4-2-3 解析
5. 研究結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17~29
5-1 福島原発事故に対する個別の相談活動について
5-2 自治体 A における相談活動と調査結果
5-3 自治体 B における相談活動と調査結果
5-4 放射線技師における調査結果

6. 考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29~42
6.1 福島原発事故に対する個別の相談活動について
6.2 放射線技師におけるアンケート調査について
6.3 リミテーション
7. 結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43~44
参考・引用文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45~58
図・表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・59~87

1. 要約
2011 年 3 月に発生した東日本大震災は、地震や大津波により多くの人命を
失っただけでなく、福島第一原子力発電所の原子炉が損傷し、放射性物質の
広範囲にわたる拡散放出を伴う原子力事故の発生につながった。その結果、
福島だけでなく、福島以外の北日本から東日本まで広く放射性核種が地表に沈
着した。福島第一原子力発電所事故は、発電所の設置されている福島県の住民
と、福島県北部に隣接する宮城県など、福島に近接する地域の住民の間に大
きな不安を引き起こした。特に、放射線被ばくによる健康への影響を深く懸
念していた。原子力発電所が設置された県では、原発事故発生以前から年に
一度、原子力防災訓練が実施されている。宮城県でも女川原発事故を想定し
た訓練が行われ、2009 年・2010 年には、住民への不安対応について学ぶこと
を目的に診療放射線技師も参加し、被ばく相談訓練が行われた。2011 年の原
発事故に直面し、宮城県に在籍する診療放射線技師と一部の地方自治体は、
妊婦と乳幼児を持つ親の不安に対応することを目的として、共同のリスクコ
ミュニケーション活動を実施した。活動終了直後に参加者を対象としたアン
ケート調査を実施し、回答について分析および検討を行った。地域と対象の
住民は限られたが、検討の結果、放射線に関する基礎教育を受講し、医療現
場にて被検者や患者への放射線検査の説明と医療放射線被ばくへの不安対
応が求められる診療放射線技師は、不安対応の人材となりうると考えられた。
原子力災害における不安対応の人材としても、職場の放射線安全対策のた
1

めにも、放射線による健康影響・環境放射線・放射線防護・放射線管理(測
定を含む)等の知識が必要と考える。電離放射線に対する認識状況と研修・
教育の必要性について把握することを目的に放射線に関する意識調査を行
い、回答について分析および検討を行った。対象は、診療における専門域が
異なる医療施設に所属し、使用する放射線装置・電離放射線量が異なる診療
放射線技師である。統計ソフト JMP ver.16 を用いて分析した結果、放射線防護
と放射線管理に関する認識、あるいは災害被ばくに関する認識について有意差を
認めた。災害放射線被ばくにおいても医療放射線被ばくにおいても、正しく
認識されていない項目が認められ、理解が困難である項目に対して、教育研
修が必要であることが示唆された。

2. 研究背景
2011 年 3 月 11 日 14 時 46 分、宮城県沖を震源とするマグニチュード 9.0 の観測史
上最大の地震が発生した。この東日本大震災においては多くの人命が失われただ
けでなく、東京電力福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」)にて運転中だっ
た原子炉を巨大津波が襲い、炉心溶融・水素爆発・原子炉建屋損壊を引き起こした
1)2)

。大気中には大量の放射性同位元素が放出され 3)、海洋には汚染水が流出された

(図1)。その結果、放射性核種は福島県だけでなく、福島以外の日本北部から
東 日 本 に か け て 広 く 地 上 に 沈 着 し た ( UNSCEAR, United Nations Scientific

2

Committee on the Effects of Atomic Radiation 2013)4~5)。原子力事故または事象の深
刻度について、国際原子力機関 (IAEA) が定める国際原子力事象評価尺度(INES)
においては、暫定評価でレベル 7 となった。
福島第一原発事故後、日本政府は自宅での屋内退避、汚染された食品(ミル
ク、野菜、穀物、肉、魚、その他)および水のモニタリングや流通・消費に対す
る制限を含む、さまざまな対策を実施した。しかしながら、健康影響調査、甲状
腺スクリーニング・ホールボディカウンタによる放射線被ばく影響調査等の対
策について、しばらくは福島第一原発の周辺地域と福島の住民にのみ提供され、
福島以外では実施されなかった。そのため、福島第一原発が設置してある福島県
の住民だけではなく、主に東北と関東であったが近隣の県の住民に放射能や放射性
物質に対する大きな不安をもたらした 6~8)。事故当時、日本政府が推奨する避難場所
は、福島第一原発から 30km 圏内のすべての地域だったが、福島第一原発から 80
km 以内に位置する宮城県南部の一部の住民は原発事故による放射線の影響を恐
れて避難し、避難しないことを選択した住民の中にもその影響を非常に心配す
る住民がいた 7)。
日本では福島第一原発事故の以前に、日本で初めての臨界事故つまり原子力
災害を経験している(東海村 JCO 臨界事故)9)。茨城県東海村に設立されていた
ウラン燃料加工工場において、3 名の作業員が核燃料臨界事故による重篤な急性
放射線障害を負い、3 名中 2 名が死亡する事故が発生した。2001 年に「ウラン加工
工場臨界事故に関する放医研報告書」10)が放射線医学総合研究所から刊行された。
3

この報告書によると、“相談の内容として、説明会で多人数の前で質問をすることがで
きない住民が持つ不安と不信をぶつけられ、放射線の健康影響の問題というよりも、
不安を受け止められる精神科の医師やカウンセラーの方が担当することがふさわしい
ケースが多々あった“、“放射線は無味・無臭・無色であり、障害もすぐに現れず、原子
力災害は起きているのかどうかさえ不明なこともあることが不安を増加させる”、“JCO
事故で求められていたのは、現地での除染でも救護活動でもなく、住民との対話だっ
た”等の報告が提示された。これらの報告を踏まえて、“住民に対して説明会や個別相
談があることを考慮し、放射線影響をわかりやすく説明する体制の用意”を課題とする
ことが示唆された。同年に「緊急被ばく医療のあり方について」7)が原子力安全委員会
から報告され、 地域の医療従事者・消防・行政などを対象に緊急被ばく医療に関す
る研修が行われてきた。「緊急被ばく医療のあり方について」7)においては、“医療を必
要としない場合であっても、住民等は健康不安を抱くものであり、この健康不安には、
自身の将来的な健康への影響に対する不安、子供の健康影響に対する不安が存在
する”と提言された。原子力安全委員会は 2002 年に「原子力災害時におけるメンタル
ヘルス対策のあり方について」を報告し

11)

、 2009 年には「原子力災害時における心

のケア対応の手引き-周辺住民にどう応えるか-」 12) が原子力安全研究会から発行
された。
宮城県放射線技師会において診療放射線技師(以下「放射線技師」)らは、JCO 事
故後、緊急被ばく医療の研修に参加し、災害被ばく対応について座学で学び、放射
線被ばく相談対応の研修を行ってきた。宮城県には女川原子力発電所が設置され
4

ていたため(図1)、福島第一原発事故が発生する以前から年に一度、女川町、
石巻市、宮城県庁で原子力防災訓練が実施されていた

13)

。2009 年の原子力災害

時における心のケア対応の手引き 12) の発行を受け、2009 年 11 月と 2010 年 11 月に
は、放射線技師が原子力防災訓練に参加し

13)

、避難所の開設と原発事故訓練に

て避難した住民の不安への対応を行う機会を得た 14~15)。2010 年の原子力防災訓
練参加の約 4 か月後、2011 年 3 月 11 日に東日本大震災により福島第一原発事故
が発生、3 月 12 日から 3 月 15 日に大規模な放射性物質拡散が認められ(図 1)、
3 月 16 日に宮城県庁に開設された電話相談窓口に 3 月 18 日より約 20 日間相談
員として参加した 9~10) 。5 月 18 日には、宮城県内の牧草から暫定許容値を超え
る放射性セシウムが検出されたことが判明し

16)

、6 月 4 日から事故より 1 年以

内の期間に、福島第一原発に近い宮城県南部の 2 つの地方自治体において、福
島第一原発事故による住民のストレスに対処するため、妊婦や乳幼児の親を対
象に地方自治体と共同で個別のリスクコミュニケーション活動を行った。研修
及び訓練に参加してきたものの、実際に福島原発事故のような放射線汚染が発
生すると考えたことはなく、内部被ばくや食品摂取基準に関する理解が乏しい
状況であった。コミュニケーション活動の前には、原子力災害被ばくによる健康
影響や環境への影響を確認するための勉強会が行われた。活動の直後に参加者
を対象にアンケート調査を行い、回答について検討した。
福島原発事故は広域災害であったため、宮城県においても放射性物質が広く
降下沈着した。災害被ばく影響について憂慮する住民が多く存在していたにも
5

かかわらず、住民の不安に対応できる人材は限られた。環境・人体への災害放射
線被ばく影響に関して理解することは比較的困難であり、住民の不安に対応で
きる人材を育成し確保するためには、リスクコミュニケーションを含む訓練と
教育が必要である。放射線技師は、主に診断のために行われる X 線写真、MRI、
CT スキャンなどの画像検査を専門とする医療従事者である。放射線に関する基
礎教育を受け、医療現場にて患者やスタッフの放射線被ばく低減の検討

19~30)



放射線管理業務 31 ~35)、被検者や患者への検査説明と医療放射線被ばくへの不安
対応を行っており 36 ~37)、不安対応の人材になりうると考える。
経済協力開発機構(OECD)の統計によると、日本の X 線コンピュータ断層撮
影装置(CT)の台数は他国より多い 38)。原子放射線の影響に関する国連科学委
員会(UNSCEAR)2008 年報告書によると、世界では平均して 1 人当たり年間
2.4mSv の自然放射線を受け、さらに自然放射線からの被ばくに加えて医療診断
に関連した被ばくが 0.6mSv あるとされている

39)

。一方、「生活環境における放

射線 第 3 版」では、日本の一人当たりの年間平均自然放射線量は 2.1mSv、医療
診断に関わる年間放射線量は約 2.6mSv と推定されている 40)。したがって、日本
における医療被ばくは自然放射線による被ばくを上回っており、世界的に見て
も医療被ばくの高さが顕著である。放射線技師が原子力災害時における住民の
心のケアを行う人材となるために、災害被ばくによる健康影響・環境放射線・放
射線防護・放射線管理(測定を含む)等の知識が必要であり、医療における放射
線安全対策においても、放射線被ばくのリスクと放射線防護に精通しているこ
6

とが必要である

41~45)

。医療機関のスタッフは様々な専門性や職務特性があり、

放射線技師も医師や看護師と同様に近年は専門性が高まり、専門技師の資格取
得者も増加している。
福島第一原発事故から 5 年が経過した 2016 年、診療における専門域が異なる
医療施設 C・D に勤務する放射線技師を対象に放射線に関する意識調査を行っ
た。携わる業務の専門性が異なる場合、業務にて使用する放射線装置および放射
線量が異なることがあり、放射線に関する認識において有意差があるのではな
いかと仮説を立てた。アンケートの設問において、原子力災害被災者とのリスク
コミュニケーションの経験から、放射性物質飛散による環境・健康影響、内部被
ばく、食品摂取基準等についての知識が必要であったことを踏まえて、いくつか
の設問を行った。放射線に対する認識状況を把握し、研修・習得が必要となる項
目を把握することを目的に、回答について比較、分析および検討を行った。
福島第一原発事故の発生以来、医師、看護師、保健師らにより、福島内外の住
民とのリスクコミュニケーションに関する報告があり 8), 17~18)、一般市民、医師、
医学生などを対象に電離放射線や放射線被ばくについての調査が行われている
が 17,46~48)、放射線技師を対象とした調査は 1 編を除き行われていない 49)。

3. 研究目的
2011 年 3 月に発生した福島第一原発事故は、周辺住民だけではなく、東日本にま
7

たがる広範囲の住民に深刻な不安をもたらした。原子力災害の発生は、放射線被ばく
における健康不安に対応するために、放射線被ばく、放射線防護、リスクコミュニケー
ションに精通した多くの人材が必要であると考える。
本研究の目的は、福島第一原発事故発生より 1 年以内に、妊婦と幼児の親を対象
に地方自治体と共同で行われた診療放射線技師による個別のリスクコミュニケーショ
ンについての調査と、福島第一原発事故から 5 年後に、専門性や業務内容が異な
る 2 つの医療施設の診療放射線技師を対象に実施した放射線に対する意識調査
について解析し、課題と今後の災害被ばくにおけるリスクコミュニケーションへの活用
について明らかにすることとする。

4. 研究方法
4-1 福島原発事故に対する個別の相談活動について
4-1-1 災害被ばく相談対応の概要
2011 年 6 月から 2012 年 2 月にかけて、宮城県南部の 2 つの地方自治体で、原
発事故の放射線影響について個別に対面での被ばく相談活動を行った。2 つの地
方自治体を自治体 A と自治体 B とする。活動は地方自治体の施設で行われ、放
射線技師が相談を担当した。
自治体 A は、福島第一原発から約 45km から 65km に位置し、人口は約 1.5 万
人である。2011 年の出生率は 4.29(人口千対)婚姻率は 3.33(人口千対)であ
8

る。自治体 A では、個別相談に先立ち、放射線被ばくに関する基本的な講義を
行い、妊婦・乳幼児の親を対象に個別にリスクコミュニケーションを行った。講
義の内容は、放射線の種類、バックグラウンド放射線、環境放射線モニタリング、
電離放射線被ばくによる健康への影響、確率的影響、組織反応(確定的影響)、
癌の原因、食品に対する放射性物質の測定管理、チェルノブイリ原発事故、放射
性ヨウ素、放射性セシウムが含まれた。活動期間は 2011 年 6 月から 2011 年 8 月
までの約 3 ヶ月である(表 1)。
自治体 B は、福島第一原発から約 55km から 70km に位置し、人口は約 3 万人
である。2011 年の出生率は 6.62(人口千対)婚姻率は 3.66(人口千対)である。
自治体 B では、妊婦と 1 歳未満の乳児の親を対象に個別相談を行った。活動期
間は 2011 年 8 月から 2012 年 2 月までの約 6 ヶ月である(表 2)。
被災者の災害被ばくに対する不安の程度やストレスによる健康への影響を考
慮し、自治体と協議し、妊婦や乳幼児のいる親を対象に個別相談を行った。個別
相談の時間を 30 分に設定したが、設定時間にとらわれることなく、保護者の方
の不安に応えた。各所に自治体が仮設保育所を設置し、乳幼児の心配をせずに参
加者と話ができるようにした。福島第一原発事故に関するリスクコミュニケー
ション活動は、自治体 A で 4 回、自治体 B で 6 回実施した。
相談対応の終了後、相談者を対象に活動に関するアンケート調査を実施した。
アンケート調査は、匿名で年齢や性別を含まない匿名化された文書を使用して

9

実施された。アンケート調査項目は各自治体で作成したため、自治体によって質
問項目が異なる。アンケートへの回答が選択式の設問は、多肢選択法・単一回答
である。アンケート項目のそれぞれに自由記載欄を設けた。アンケート調査への
参加は任意であり、アンケートに回答することで合意を得た。

4-1-2 自治体 A におけるアンケート調査項目(図 2)
A- Q1.

今日の相談会の話は理解できましたか?

(a) 理解できた (b) だいたい理解できた (c) あまり理解できなかった
(d) 理解できなかった (e) その他
A- Q2.

(f) 無回答

今日の相談会に参加してどう感じていますか?

(a) 安心できた (b) 少し安心できた (c) まだ少し不安だ (d) 不安だ
(e) その他

(f) 無回答

A- Q3.

不安を感じていらっしゃる方は、どんなことが不安ですか?

A- Q4.

自治体 A では、今日のような方式の相談会をこれからも続けていき

たいと考えていますが、それについてはどう思われますか?
(a) 今日のような方式でよい (b) 違う方式が良い
(c) 無回答

10

(c)

A- Q5.

これからの自治体 A の取組みについて、皆さんの不安を解消する

ためには何が必要だとお考えですか?

4-1-3 自治体 B におけるアンケート調査項目(図 3)
B- Q1.

時間の長さはいかがでしたか?

(a) とても良い (b) 良い (c) どちらともいえない (d) あまり良くない
(e) 良くない

B- Q2.

わかりやすさはいかがでしたか?

(a) とても良い (b) 良い (c) どちらともいえない (d) あまり良くない
(e) 良くない

B- Q3.

日常生活の中で参考になる内容でしたか?

(a) とても良い (b) 良い (c) どちらともいえない (d) あまり良くない
(e) 良くない

11

B- Q4.

今回の相談会の満足度はいかがでしたか?

(a) とても良い (b) 良い (c) どちらともいえない (d) あまり良くない
(e) 良くない

B- Q5.

その他、本日の感想や意見等がございましたら、ご記入ください。

本研究は、宮城県対がん協会倫理委員会の承認を受けた(No.1805, 2018/10/2)。

4-2 放射線技師を対象としたアンケート調査について
4-2-1 アンケート調査の概要
施設 C の放射線技師 30 名と施設 D の放射線技師 27 名を調査対象とした。施設
C において 21 名,施設 D において 21 名が回答した。回答者 42 名を解析の投入
基準とし、回答を得られなかった 15 名を除外基準とした。有効回答率は施設 C に
て 70.0%、施設 D にて 77.8%であった。
アンケート調査は、3 項目の人口統計的調査と 38 項目の放射線に関する調査
から成り、匿名で行われた。選択式の設問により、回答方法は多肢選択法・単一
回答とした。

12

施設 C は、主に消化器系、婦人科系の検査を専門とする職員数が約 300 人の
医療施設である。その他、事業として、調査研究・普及啓発・受託研修・がん研
究基金・がん相談を担う。施設 D は、主に循環器、消化器、呼吸器の検査・治
療を専門とする職員数が約 1000 人の医療施設である。地域医療支援病院・二次
救急指定病院・難病地域拠点病院であり、核医学検査・放射線治療を含む放射線
診療を行う。専門分野や日常業務の異なる 2 施設に勤務する放射線技師を対象
に、放射線に関する意識調査を実施した。

4-2-2 放射線技師におけるアンケート調査項目(図 4)
Q 1.

性別

Q 2.

年齢層

Q 3.

家族に小学生以下の子供がいますか?

Q 4.

放射線被ばくで、奇形が発生すると思いますか?

Q 5.

放射線被ばくで奇形が発生するとしたら、いつ被ばくすると奇形が発
生すると思いますか?

Q 6.

妊娠中に胃の検査等で被ばくした場合、堕胎したほうが良いと思い
ますか?

Q 7.

ご自身が被ばくすることで、ご自身の子供(0 歳~15 歳)に影響があ

13

ると思いますか?
Q 8.

0 歳~15 歳の子供が被ばくすると、被ばくによる健康影響が発生す
ると思いますか?

Q 9.

放射線被ばくによる遺伝的影響があると思いますか?

Q 10.

放射線被ばくで、がんや白血病を発症すると思いますか?

Q 11.

放射線によってできた遺伝子の傷は、修復されない(治らない)と思
いますか?

Q 12.

放射線以外の原因で、遺伝子の傷が発生すると思いますか?

Q 13.

放射線被ばくの影響で白血病が発症するとしたら、被ばく後どれくら
いの期間で発症すると思いますか?

Q 14.

放射線被ばくの影響で甲状腺がんが発症するとしたら、被ばく後ど
れくらいの期間で発症すると思いますか?

Q 15.

X 線撮影装置から X 線はいつ出ると思いますか?

Q 16.

X 線撮影装置から放出された X 線は、その後どうなると思いますか?

Q 17.

病院で受けた放射線検査による被ばくでも、健康影響があると思いま
すか?

Q 18.

外部放射線防護の 3 原則を知っていますか?

Q 19.

放射性物質の半減期について知っていますか?
14

Q 20.

CT 検査などで放射線を一度身体に受けると、その放射線はずっと体
内に残ると思いますか?

Q 21.

平常時(事故の影響がない時)に、自然放射線による被ばくはあると
思いますか ?

Q 22.

私たち自身の身体からも放射線を出していると思いますか?

Q 23.

食べ物や医療器具に、放射線を照射することがあると思いますか?

Q 24.

自然放射線と人工放射線(医療被ばく等)とで、身体への影響は異
なると思いますか?

Q 25.

放射線被ばく線量(実効線量)が等しい場合、内部被ばくは外部被
ばくよりも健康影響が大きいと思いますか?

Q 26.

原発事故災害が発生してその 2 か月後に原発周辺地域で奇形を持
つ赤ちゃんが生まれた場合、事故の影響を強く疑いますか?

Q 27.

米・野菜・魚等には、天然の放射性物質が極々微量ですが含まれる
と思いますか?

Q 28. ...

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