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大学・研究所にある論文を検索できる 「Gab1 in livers with persistent hepatocyte apoptosis has an antiapoptotic effect and reduces chronic liver injury, fibrosis and tumorigenesis.」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Gab1 in livers with persistent hepatocyte apoptosis has an antiapoptotic effect and reduces chronic liver injury, fibrosis and tumorigenesis.

水谷, 直揮 大阪大学

2021.05.31

概要

〔目的(Purpose)]
Grb2-associated binder 1 (Gab1)は、さまざまなgrowth factorの受容体である受容体型チロシンキナーゼによる細胞内シグナル伝達に重要なアダプタータンパク質である。肝部分切除後やアセトアミノフェン過剰投与による急性肝障害時など急速な肝再生が必要な状況では、Gab1がリン酸化することにより肝細胞増殖を誘導することが知られている。一方、肝細胞のアポトーシスが持続する慢性肝障害患者の肝臓では、ゆるやかな肝臓再生が誘導されることが知られているが、そのような肝臓に対するGab1の影響はわかっていない。本研究では慢性肝障害におけるGablの役割を調べた。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)]
マウス正常肝細胞株であるBNL.CL2細胞においてsiRNAによりGab1をノックダウンすると無刺激の状態では細胞生存率とカスパーゼ活性は変化しないが、Bc1-2/-xL/W阻害剤であるABT-737を投与すると生細胞数の減少とcaspase3/7活性の亢進がGab1 ノックダウン群で有意に促進された。またこの時、アポトーシス細胞を示すAnnexinV陽性・PI陰性細胞の割合はGab1ノックダウン群で有意に上昇していた。一方で、ABT-737と共にpan-caspase阻害剤であるZ-VAD-FMKを投与するとGab1ノックダウン群における生細胞数の減少は起こらなかった。また、BINL.CL2細胞にABT-737を投与すると、caspaseによるGab1の断片化が誘発され、断片化された一部であるp35-Gab1が形成された。この時Gab1のリン酸化は断片化に関与していなかった。

p35-Gab1は、肝細胞のアポトーシスを持続させる肝細胞特異的Mc1-1ノックアウトのマウスの肝臓でも検出された。Mc1-1・GablダブルノックアウトマウスではMc1-1ノックアウトマウスと比較して血清ALT値は上昇し肝障害が増悪していた。また血清caspase 3/7活性の上昇、TUNEL陽性細胞数・cleaved caspase3陽性細胞数が有意に上昇しており、肝細胞アポトーシスが増悪していた。この時Mc1-1・Gablダブルノックアウトマウスにおいて抗アポトーシス作用をもつBc1-xLの発現が抑制されていた。またGab1をノックダウンしたBNI.CL2細胞にABT-737を投与するとBc1-xLの発現が抑制され、p35-Gab1を過剰発現したBN1.CL2細胞にABT-737を投与するとBc1-xLの発現が増強していた。

またMc1-1ノックアウトマウスでは肝細胞のSTAT3シグナル伝達活性化を伴う肝細胞の増殖がみられ、collal・colla2のmRNAレベルでの上昇やSirius Red染色による線維化面積の増大を認めるとともに、長期飼育では発癌率・腫瘍形成個数・最大腫瘍径の増加が認められた。

[総括(Conclusion)]
Gab1は肝細胞においてアポトーシス刺激の存在下で断片化され、p35-Gab1が形成される。慢性肝障害では、Gab1は肝再生における役割よりも、アポトーシスを抑制し、慢性的な肝障害、肝線維化、肝腫瘍形成を抑制する役割が重要である。

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