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大学・研究所にある論文を検索できる 「Adiponectin accumulation in the retinal vascular endothelium and its possible role in preventing early diabetic microvascular damage」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Adiponectin accumulation in the retinal vascular endothelium and its possible role in preventing early diabetic microvascular damage

Sakaue, Taka-aki 大阪大学

2022.08.31

概要

〔目的(Purpose)]
脂肪細胞特異的分泌蛋白であるAdiponectin(APN)は多量体を形成し、GPIアンカー型膜蛋白T-cadherin(T-cad)と高親和性に結合することで、心筋細胞・動脈の血管内皮細胞・腎臓の血管周皮細胞に集積し保護作用を発揮することを報告してきた。しかし、糖尿病網膜症に代表される細小血管障害に対するAPNの作用については十分に明らかではない。今回我々は、網膜におけるAPNの局在と糖尿病網膜症の発症・進展に対する役割について検討した。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
まず、野生型マウス(WT)、APN欠損マウス(ΑΡΝ-KO)、T-cad欠損マウス(T-cad-KO)の網膜Flat mountを用いた免疫蛍光染色によりAPNの局在を検討した。WTの網膜においてAPNは細動脈から毛細血管移行部にかけての血管内皮に局在していたが、T-cad-KOでは消失していた。このことから、APNはT-cad依存的に網膜血管内皮細胞に集積すると考えられた。続いて、Streptozotocin(STZ)誘発糖尿病モデルマウスを用いて糖尿病状態における網膜血管のAPNの集積の変化を検討した。その結果、糖尿病発症5ヶ月後および9ヶ月後において、網膜血管内皮のAPNは経時的に減少することが確認された。
 糖尿病網膜症の病態早期では、単球接着因子発現の上昇に伴う血管内皮への白血球接着亢進(leukostasis)やTight-Junctionの破綻が生じた結果、血管透過性亢進が惹起され、その後の病態進展に関与することが報告されている。そこで、WTにSTZ負荷を行い、髙血糖確認後6週における、これら網膜血管の変化を検討した。その結果、糖尿病発症早期においてもSTZ群では、コントロール群に比して、網膜血管のAPN集積は有意に減少しており、同部位における血管透過性亢進(Hoechstの血管外漏出により評価)が認められた。また、STZ群では単球接着因子であるVCAM-1発現上昇と、主要なTight-Junction蛋白であるClaudin-5発現減少が観察された。一方で、これらの変化はいずれも、SGLT2阻害薬であるDapagliflozin(Dapa)の投与により回復したことから、髙血糖依存的であると考えられた。最後に、早期網膜症に対するAPNの役割を検討するために、WTとAPN-KOの比較を行った。非糖尿病状態においては網膜血管透過性に両軍で差は認められなかった。しかし、ΑΡΝ-KOでは、WTに比して、STZ負荷・糖尿病発症後4週のより早期の時点で、網膜血管内皮におけるVCAM-1の発現上昇とClaudin-5の発現の低下が認められ、有意な血管透過性亢進を呈していた。

〔総括(Conclusion)]
APNはT-cadを介して網膜血管内皮に集積し、糖尿病網膜症の発症・進展に対して抑制的に作用することが示唆された。

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