Intravital Imaging Reveals the Ameliorating Effect of Colchicine in a Photothrombotic Stroke Model via Inhibition of Neutrophil Recruitment
概要
[目的(Purpose)]
脳梗塞後に好中球が梗塞辺縁部に動員され、神経組織を二次的に損傷することが知られている。しかしその動員メカニズムの詳細は未だ不明である。本研究ではマウス脳梗塞モデルの生体イメージングにより好中球の挙動を制御しうる治療薬を探索した。
[方法ならびに成續(Methods/Results)]
まず我々は、厳密に梗塞範囲をコントロールすることのできるphotothrombotic strokeモデルに二光子頭微鏡によるマウス生体イメージングを適用することで、梗塞辺縁部における梗塞拡大や好中球動員の動態を再現性高く、経時的、かつ直接的に観察しうる実験系を確立した。この方法により、我々は好中球を標的とする薬剤をスクリーニングし、脳梗整後早期(梗塞後6時間後)において、コルとチン、および抗セレクチン抗体が血管壁への好中球の接着を著明に抑制することを見出した。一方で、梗塞後16時間後においては、コルヒチン投与群では好中球浸潤が著明に抑制されたが、抗Pセレクチン抗体投与群では明らかな抑制を認めなかった。抗Pセレクチン抗体による好中球の抑制は一過性であり、好中球浸潤を抑制するには不十分であることが示唆された。さらにコルヒチンの投与により梗塞巣の拡大が抑制されることを明らかにした。
[総括(Conclusion)]
今回、我々が確立した観察系は脳梗塞後のperi-infarct areaにおける病態の動態観察を可能とした。本手法は従来の組織学的解析等では不可能であった、個体内での経時的評価が可能であり、peri-infaret areaの病態研究において強力なツールとなると思われる。