リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「ディープラーニングを用いた冠動脈の血管内超音波画像における血管構造の自動検出」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

ディープラーニングを用いた冠動脈の血管内超音波画像における血管構造の自動検出

篠原, 宏樹 東京大学 DOI:10.15083/0002007010

2023.03.24

概要

[課程-2]
審査の結果の要旨
氏名篠原 宏樹

本研究は、虚血性心疾患に対する重要な治療の一つである経皮的冠動脈形成術の血管内超
音波画像を用いた人工知能の開発を試みた研究である。血管内超音波画像を適切に解釈す
るには専門的な知識が要し、その使用には習熟を要する。血管内超音波画像の読影を補助し、
診断精度の向上および効率化を行うために人工知能の開発を行い、その性能を評価した。
結果:、狭心症患者 12 人から 1786 枚の画像を抽出し、解析したところ、人工知能は血管内
超音波画像において、
内腔面積が 4mm2 未満の有意な狭小血管を有する画像を Accuracy 0.95、
Recall 0.91、Precision 0.99 で、また,石灰化円弧角度が 180°以上の重度石灰化病変を有す
る血管画像を Accuracy 0.97、Recall 0.83、Precision 0.83 での精度で分類した。また、内腔領
域、中膜領域、石灰化、ステントをそれぞれ IoU 0.86、0.70、0.41、0.06 の精度で領域分割
し、それらの平均 IoU は 0.65 であった。以上、本研究は、 (1)人工知能は、実臨床に準じた
複雑病変から取得した冠動脈血管内超音波画像において、臨床的に重要な指標である、内腔
面積 4mm2 未満の有意な狭小内腔を有する血管画像と石灰化円弧角度が 180°以上の重度石
灰化を有する血管画像を高精度に分類することができる、(2) 人工知能は、実臨床に準じた
複雑病変から取得した血管内超音波画像においても、血管内の血管構造を解析し、特に血管
内腔と中膜領域は領域分割できる、(3)本研究の人工知能では、ステントのセグメンテーシ

ョンは正しく行うことは困難であったことを示した。

以上のことから、人工知能は、有意な狭小内腔を有する血管と重度石灰化を有する血管を正
確に分類することで、将来の主要有害心血管イベントのリスクが高い病変を判別すること
ができ、更には、冠動脈血管内超音波画像検査を補助に用いた経皮的冠動脈形成術を行う際
に、治療が必要な病変や特殊な治療機器での治療を要する病変を人工知能が提案すること
で、経皮的冠動脈形成術の効率化を図ることができる可能性があることを示した。一方で、
本研究の人工知能は、ステントを正確に識別することが困難で、その課題の解決を図るため
にはより新しいモデルの使用や新しい冠動脈血管内超音波画像に対する前処理を行うなど
のさらなる改善が必要であることを示した。人工知能の更なる改善を図ることで、血管内超
音波画像の解釈を補助し、冠動脈血管内超音波画像を補助に利用した経皮的冠動脈形成術
をより簡便にし、患者の転機を改善できる可能性を示した。
よって本論文は博士( 医学 )の学位請求論文として合格と認められる。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る