Periostin Short Fragment with Exon 17 via Aberrant Alternative Splicing Is Required for Breast Cancer Growth and Metastasis
概要
〔目的(Purpose)〕
ペリオスチン(POSTN)は93kDaのマトリックスタンパク質であり、コラーゲンの合成において重要な制御因子である。ペリオスチンの高発現による現象は、悪性腫瘍の予後を気有する。しかし、ペリオスチンの高発現は、間質で観察される場合と、癌で観察される場合が報告されている。本研究では、ペリオスチンの乳癌における機能を調べることを目的とした。
〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
ペリオスチンは細胞外マトリックス重点の一つであり、主に線維芽細胞から分泌され間質に局在することが報告されている。しかし近年、海をはじめとする様々な疾患においてペリオスチンが高発現していることが明らかとなった。また癌におけるペリオスチンの局在は、間質や宿に発現しているなど、さまざまな報告がされている。
本研究では、ペリオスチンC末端領域のエクソン17に対する抗体(Ex17抗体)を用いた場合、乳癌細胞におけるペリオスチンを検出することができた。しかし、ペリオスチンN未端領域のエクソン12に対する抗体”Ex12抗体)を用いた場合では検出できず、Ex17抗体を用いた際の楽色パターンとは異なることがわかった。
また、線維細胞から分泌された画分から、LC-HS/NS分析を使用して、エクソン17を持つ約40kbaのPOSTNの短い断片が検出された。
そして、表面プラズモン共鳴(SPR)を用いた分子間相互作用解析の結果、エクソン17を持つペリオデンはwitsaと特異的に結合した。エクソン17を持たないペリオステンと比較すると、Pnt3aへの結合力に違いがあった。
また結合阻害実験において、Ex17抗体は、ペリオスチンのエクソン17とPnt3aの結合を阻害することから、エクソン17はWnt3aへの結合に寄与していることが考えられた。
〔総括(Conclusion)〕
方法と結果より、繊維芽細胞に由来するエクソン17を持つ短いペリオスチンの断片は、がん細胞に局在している。一方、エクソン17を持たないペリオスチンは、間質に保持される。そして、Ex17抗体は、ペリオスチンのエクソン17とInt3aとの結合を阻害することが証明された。