リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「Sleeping Beauty Transposon Mutagenesis Identifies Genes Driving the Initiation and Metastasis of Uterine Leiomyosarcoma」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

Sleeping Beauty Transposon Mutagenesis Identifies Genes Driving the Initiation and Metastasis of Uterine Leiomyosarcoma

志村, 寛子 大阪大学

2021.12.31

概要

〔目 的(Purpose)〕
子宮平滑筋肉腫の発生及び血行性転移に関与するドライバー遺伝子のスクリーニング及び、候補遺伝子の検証

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
子宮平滑筋肉腫は非常に悪性度が高く稀であることから大規模な遺伝子発現データセットは存在せず、その発症に関与する分子機構は不明である。我々は、マウス生体内でゲノムワイドに無作為に遺伝子変異を起こし、免疫正常マウスの発癌を誘導し、発癌に関与した癌遺伝子を同定するSleeping Beauty (SB)トランスポゾンスクリーニング手法を用いて候補遺伝子を探索することとした。

具体的には、子宮平滑筋特異的にCreリコンピナーゼを発現するAmhr2-Creマウス、Creリコンビナーゼによって発現が制御されるトランスポゼースを有するマウス(SBaseマウス)、高コピーのSBトランスポゾンを有するマウス (T20nc2マウス)、腫瘍発生を促進するセンシタイザーとしてPten欠損,Kras活性化マウスを用い、子宮平滑筋特異的に、無作為にSBトランスポゾンが転移挿入を繰り返すSBマウスを作成した。55匹のAmhr2- CreTR/+:T20nc2TR/t;SBaseKl/t;Ptenn/i,:KrasLSL~Gl2D/tマウス(実験群)、及び14匹のAmhr2-CreTR/t; Pten"n/i;KrasLS-G12D/+ マウス(対照群)をエイジングしたところ、実験群はすべて、生後3か月までに複数の子宮腫瘍を発症しエンドポイントを迎えたが、対照群では半年迄に全例卵巣低異型度漿液性腺癌を生じるが子宮腫瘍は一例も発生しなかった。これらの子宮腫瘍は、病理組織学的な形態的特徴及びデスミンおよびα-SMAの免疫染色陽性により子宮平滑筋肉腫と診断され、トランスポゾン挿入による遺伝子変異が子宮平滑筋肉腫の腫瘍形成を強力に促進したことが明確に示された。85の子宮平滑筋肉腫シーケンスし、gCIS解析によってトランスポゾン挿入部位を同定、19個の候補 癌遺伝子が同定された。これらの遺伝子群はΝf1、Aff1、Cb1b、Arid1b、Ext1といった既知のがん遺伝子を有意に多く含んでおり、スクリーニングの有効性を示唆した。候補遺伝子の一つ、ジンクフィンガー遺伝子ファミリーに属するZfp217に着目し、検証を行った。ヒトホモログであるZNF217の発現は、ヒト正常子宮平滑筋と比較してヒト子宮平滑筋肉腫において上昇することが示され、患者予後と負の相関を有した。臨床的関連性をさらに検証するために、ヒト子宮平滑筋肉腫細胞株(UT-1、LMS、SKN)を用いたin vitro実験を行ったところ、ZNF217の阻害により、ヒト子宮平滑筋肉腫細胞株における細胞増殖能、幹細胞性獲得、遊走能は抑制され、一方、過剰発現によりそれらは促進された。

また、SB原発子宮腫瘍から確立された8つの細胞株をマウスに尾静脈注射し、肺転移腫瘍を発生させる子宮平滑筋肉腫転移モデルを確立した。正常免疫を有するマウスの50肺腫瘍をシーケンスおよび分析し、肺転移に関与したと考えられる3つの候補ドライバー遺伝子が同定された。そのうちの1つであるNrd1のヒトホモログであるNRDCは、原発性子宮平滑筋肉腫と比較してヒト転移性腫瘍においてより強い発現を示し、患者予後と負の相関を示した。臨床的関連性をさらに検証するために、ヒト子宮平滑筋肉腫細胞株を用いたin vitro実験を行ったところ、 NRDCの阻害により、ヒト子宮平滑筋肉腫細胞株における細胞増殖能は変化しなかったが、遊走・接着能は抑制され、一方、過剰発現により細胞増殖能に影響はなかったが、遊走・接着能は促進された。

〔総括(Conclusion)〕
SBトランスポゾンスクリーニングにより、マウス子宮平滑筋肉腫発生及び血行性転移に関与する癌遺伝子が同定された。これらの候補癌遺伝子は、ヒト子宮平滑筋肉腫においても、治療標的となり得る。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る