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大学・研究所にある論文を検索できる 「細菌群集ネットワークの動態予測」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

細菌群集ネットワークの動態予測

藤田, 博昭 京都大学

2023.03

概要

令和 4 年度

京都大学化学研究所 スーパーコンピュータシステム 利用報告書
細菌群集ネットワークの動態予測
Prediction of microbiome dynamics
京都大学生態学研究センター 東樹研究室

藤田博昭

研究成果概要
微生物群集は人類にとって有用な生態系機能を有しており、医療や農業といった幅広い
分野で利用される。しかし、微生物群集はしばしば急激な群集構造の変化を起こし、それ
に伴って、微生物群集が持つ生態系機能も変化する。群集構造の変化の要因を解明し、予
測することは、微生物生態学における重要な課題のひとつである。
細菌群集を構築する実験生態学的なアプローチと定量的 DNA メタバーコーディングを融
合させた群集時系列動態分析システムを構築し、細菌群集動態の予測可能性を理論生態学
的に考察した。細菌群集動態の予測は、ヒト腸内細菌叢や農地土壌細菌叢の管理における
大きな課題とされてきた。その一方で、そうした微生物群集の動態がそもそも予測可能な
ものであるのかを検討できる実証データは、これまで存在しなかった。そこで、土壌およ
び水圏生態系由来の細菌叢を対象として、6 つの異なる処理を施したのべ 48 の細菌群集を
構築し、110 日間に渡り培養した。24 時間ごとに得られた培養液サンプルから DNA メタバ
ーコーディングによる時系列群集構造分析を行った。その上で、非線形力学に基づく個体
群・群集動態アトラクターの推定を行ったところ、近い将来(数日先)の群集構造がある
程度の精度を持って予測できることが示された。また、細菌種間の相互作用を表すヤコビ
行列を基に生物群集の安定性を評価したところ、その安定性指数(局所リアプノフ指数)
が理論的に予測される閾値を超えた数日後に、大きな群集構造の変化が起きやすいことが
示唆された。また、統計物理学に基づいて「群集安定性ランドスケープ」の構造を推定し
たところ、代替安定状態間の推移を仮定した理論的枠組でも、群集構造の劇的な変化の「危
険性」を評価できることが明らかになった。

発表論文(謝辞あり)
Fujita H, Ushio M, Suzuki K, Abe SM, Yamamichi M, Canarini A, Hayashi I, Fukushima K,
Fukuda S, Kiers ET, and Toju H. 2023. Alternative stable states, nonlinear behavior, and
predictability of microbiome dynamics. Microbiome. DOI : 10.1186/s40168-023-01474-5. ...

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