リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「Modeling System Bath Hamiltonian with a Machine Learning Approach」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

Modeling System Bath Hamiltonian with a Machine Learning Approach

Ueno, Seiji 京都大学 DOI:10.14989/doctor.r13434

2021.09.24

概要

溶液やタンパク質などの環境の中にいる分子の振動運動は分子内だけでなく環境からも影響を受ける。そのため量子動力学シミュレーションにおいて不可逆性を考慮するという大きな困難が生じる。原理的には無限の環境自由度を考える必要があるが、全系を量子動力学に基づきシミュレーションすることは不可能である。そこで系を主系と熱浴に分けるモデルがよく使われる。環境としての周囲の分子から生じる自由度は、調和振動子熱浴の運動と主系・熱浴の相互作用として扱う。

そのような調和振動子熱浴(HOB)モデルは単純であるが広く応用されている。環境はスペクトル密度関数(SDF)により特徴づけられ、適切に定めることで溶液やタンパク質など様々な環境を記述することができる。そのためSDFを決定する方法は重要であるが、分光スペクトルから実験的に求める方法は不活性モードの存在により、また分子動力学シミュレーションから求める方法は非線形性やポテンシャル曲面の最適化という問題により適用が困難となる。

今回、機械学習的なアプローチによりSDFを決定する手法を提案する。Wiener-Khin chinの定理に基づき、SDFはサンプル毎のパワースペクトルの分散としても求まる。このパワースペクトルを自己符号化器における潜在変数とみなし、サンプルを生成する関数を考える。この潜在変数からサンプルを生成する関数は系のハミルトニアンから設計する。そしてこの関数を、生成されたサンプルと生成したサンプルの誤差を最小化するように最適化する。この手法により、非線形項をあらわにした形で表現して SDFを評価し、また同時に系を記述するポテンシャルを特徴づけるパラメータも同時に最適化することができる。

この手法を用い、液体の水の3つの分子内振動について、熱浴の SDF と分子振動間の結合係数を非線形項も含め評価した。結果に基づき、力場パラメータが非線形項に与える影響と、また水の凝縮相におけるエネルギー移送経路を推測した。また、色素2量体における励起子について、ハミルトニアンの対角項・非対角項とその熱浴の SDFを評価した。その結果を用い線形吸収スペクトルと2次元電子スペクトルのシミュレーションを行った。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る