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書き出し

Impact of Rural-Urban Migration in Thailand : An Economic Study on the Aging of Rice Farmers

シャノン, スワンモントリー 東京大学 DOI:10.15083/0002006268

2023.03.24

概要





















シャノン

スワンモントリー

シャノン スワンモントリー君の博士課程学位論文“Impact of Rural-Urban Migration
in Thailand: An Economic Study on the Aging of Rice Farmers”
(邦題:タイにおける農村から都市への移民の影響:米農家の高齢化局面での経済学的研
究)は、タイ国において、農村と都市における人口構造変化を、特に農家人口に注目しな
がら明らかにし、さらに、その構造変化が米生産に与える影響を定量的に評価したもので
ある。
同論文の第一章は、問題意識と背景である。都市化とそれに伴う労働力移動は、農業や
社会への影響が繰り返し議論されてきた。ただし、中進国に属する国と地域の研究は限ら
れており、タイの農業人口の高齢化問題を調査する研究はほとんど無かった。同論文は、
その経済学的な影響評価を独自に開発した人口移動のシミュレーション結果と併せて示し
た独自性が高いものである。
第二章は、先行研究のレビューである。タイの農村における労働力減少の深刻化や、機
械化の必要性は、特定地域のインタビュー調査から指摘されていたものの、マクロ的な視
点での人口移動の分析や、定量的な評価は限られていたことが示されている。
第三章は、タイにおける省をまたいだ都市(バンコク)への人口流入の量や人口変化に
ついて、より正確なシミュレーションを試みたものである。バンコクでの非常に高い出生
率の要因に、バンコクで出産して再び自らの出身省に戻ることがある点を指摘し、それら
を加味した人口動態を 2030 年時点までのレンジで明らかにした。この結果、特に将来の若
年層の割合は、既往の統計とは大きく異なり、バンコクでも大きく減少しうることが示さ
れている。
第四章は、省を跨いだ人口移動とそれによる農業従事者の高齢化の関係を検証したもの
である。具体的には 1980 年から 2010 年を対象とし、五年毎の省間の人口移動と農業人口
の年齢構成の関係性を見ている。分析の結果、都市への移住者の多くは若年層であり、労
働市場において彼らは、農村の農業部門を去り、都市部での工業などの近代的な部門に流
入することが示されている。農村部から都市部への移住によって、農業従事者の割合の減
少と、高齢の農業従事者の比率の増加が生じることが指摘されている。
第五章は、タイの農業従事者人口の 2040 年までの予測である。ここでは、第四章での人

口構造の分析結果を用いて、さらに将来の年齢別・性別の農業人口をシミュレーションし
ている。従来のコーホート要因法に加え、若年層の就業開始率と、農業部門から非農業部
門への労働の移動率という、二つの要素を導入した点に新規性がある。シミュレーション
の結果、農業労働者の年齢構成の将来予測の結果、
農業労働者の高齢化率は 2010 年の 16.6%
から 2040 年に 29.8%となる可能性が示された。
第六章は、農業の高齢化がコメの生産性に与える影響を、コブ=ダグラス型生産関数に
高齢化の変数を変数として追加することで検証したものである。この分析で得られた高齢
化の効果に基づき、第五章と同様に、2040 年における高齢化の農業生産への直接的な影響
を推定している。分析の結果、タイでの高齢化によって、一人当たりのコメ生産量が 3618 kg
(2013 年水準)から 2348 kg(2040 年水準シミュレーション)に減少しうることが示され
た。その一方で、機械化の指標は生産量を有意に押し上げており、労働生産性の低下を補
うために、効率的な機械化が有効であることもまた示されている。
第七章は、同論文の総括である。農業従事者の高齢化が指摘されるタイにおいて、既往
の手法を洗練させ、より正確に 2040 年の農業従事者の人口構造をシミュレーションし、さ
らにその人口構造の変化が米農業に与える影響を定量的に示した。また、高齢化に伴う将
来的な生産量の低下に対して、機械化率を向上させることで改善可能であることを示して
いる。
以上の研究内容は、十分な学術上の新規性、及び、妥当性・有用性が確認できる。また、
現在だけでなく、2040 年におけるタイ国全体の人口構造変化と農業生産低下の可能性、さ
らにその処方箋を提示しており、相応の社会的意義を有すものであると判断される。研究
成果は、農学と社会の進歩に対し少なくない寄与を与えるものであり、審査委員一同は本
論文が博士(農学)の学位論文として価値あるものと認めた。

見本




















本郷 太郎

(※履歴書の記載と同じにしてください。)
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これらの研究成果は、学術上応用上寄与するところが少なくない。よって、
審査委員一同は本論文が博士(農学)の学位論文として価値あるものと認めた。

※「文書ファイル(Word 等で作成したもの)」及び「PDF ファイル」を提出し
てください。

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