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大学・研究所にある論文を検索できる 「Effect of a package of continuum of care interventions on the completion of maternal, newborn, and child health care in Ghana: a cluster-randomized trial」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Effect of a package of continuum of care interventions on the completion of maternal, newborn, and child health care in Ghana: a cluster-randomized trial

柴沼, 晃 東京大学 DOI:10.15083/0002006081

2023.03.20

概要

【別紙2】

審査の結果の要旨
氏名 柴沼晃

本研究は、母子保健継続ケア介入が母子の継続ケア達成に及ぼす効果を測定するた
めに、クラスターランダム化比較試験としてガーナにおける 3 ヵ所の保健人口動態追
跡調査地域で介入研究を実施し、その結果を分析したのものであり、以下の結果を得
ている。
1. 母親への継続ケアカードの配付、保健従事者に対する継続ケア研修の実施、母子の
出産後 24 時間以上の入院と産後ケアの実施、家庭での産後ケアの実施を組み合わ
せた母子保健継続ケア介入をガーナにおける 3 ヵ所の保健人口動態追跡調査地域、
計 32 地区でクラスターランダム化比較試験として実施した。その結果、「妊婦健
診 4 回以上受診」、「訓練を受けた保健従事者による出産介助」、並びに「産後 6
週間以内に産後検診を 3 回以上受診」をすべて満たした母子の割合である継続ケア
達成率は、介入群においてベースライン調査の 7.5%からフォローアップ調査の
47.1%に増加した。比較群では、継続ケア達成率はベースライン調査の 9.2%からフ
ォローアップ調査の 39.7%に増加した。
2. 前項の結果について、地区レベルのランダム効果を考慮し、女性の年齢と教育水
準、出産経験、婚姻状態、健康保険への加入、パートナーの年齢と教育水準、世帯
の資産水準と世帯人員を調整した混合効果ロジスティック回帰分析による分析の結
果、母子保健継続ケア介入は母子の継続ケア達成に統計的に有意な効果があること
が認められた(調整済みオッズ比[AOR]=1.75, 95%信頼区間[CI]): 1.09,
2.74)。
3. 前項のモデルに母子の居住地の特徴を加味した混合効果ロジスティック回帰分析に
よる分析の結果、介入群地区または介入群に隣接する地区に居住する母子は、介入
群に隣接しない比較群地区に居住する母子に比べて、継続ケア達成者の割合は統計
的に有意に高かった(AOR=2.17, 95% CI: 1.29, 3.66)。また、居住地に最も近い
保健施設が介入群地区においてプライマリケアを担う地域保健施設である母子は、
1

比較群に居住する母子に比べて継続ケア達成者の割合は統計的に有意に高かった
(AOR=1.94, 95% CI: 1.05, 3.60)。
4. 項目 2 のモデルをもとに、母子の居住地の特徴により研究参加者の母子を層化した
サブサンプル分析によると、介入群地区に居住する母子が比較群地区に居住する母
子と比べて継続ケア達成者の割合が多かったサブサンプルは以下のとおりであっ
た:幹線道路から離れた地区に居住する母子(AOR=13.5, 95% CI: 1.12,
162.3)、郡病院や保健センターなど高次保健施設の所在しない地区に居住する母
子(AOR=2.47, 95% CI: 1.08, 5.62)、2 ヵ所以上の高次保健施設の所在する地区
に居住する母子(AOR=16.2, 95% CI: 4.13, 63.6)、妊娠数あたりの保健施設数が
多い地区に居住する母子(AOR=3.35, 95% CI: 1.71, 6.57)、並びに少なくとも 1
人の助産師が配置されている地区に居住する母子(AOR=2.00, 95% CI: 1.24,
3.23)。

本研究の結果、ガーナの調査地において母子保健継続ケア介入が母子の継続ケア達
成に有効であること、母子保健継続ケア介入には比較群への波及効果の存在が示唆さ
れること、母子保健継続ケア介入の効果は高次の保健施設の所在しない地区でも有効
である一方、保健施設や人材の賦存状況が良好な地区でも有効であることが示唆され
た。母子保健継続ケアの効果に関する学術研究は希少であり、低中所得国における実
際の保健サービス提供状況において母子保健継続ケア介入が効果的であることを示し
た本研究は国際保健における母子保健状況改善に重要な貢献をすると思われるため、
学位の授与に相当すると考えられる。
よって本論文は博士(保健学)の学位請求論文として合格と認められる。

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