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大学・研究所にある論文を検索できる 「The impact of marginal cut of cash benefit on medical expenditure among public assistance recipients in Japan : A natural experimental evidence」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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The impact of marginal cut of cash benefit on medical expenditure among public assistance recipients in Japan : A natural experimental evidence

西岡, 大輔 東京大学 DOI:10.15083/0002006977

2023.03.24

概要

[課程-2]
審査の結果の要旨
氏名 西岡 大輔
貧困世帯における収入減少は健康や健康行動を変化させるが、生活保護受給者に対する
給付額減少が医療費に与える影響は検証されていない。生活保護受給世帯への児童養育加
算は第 1 子が 3 歳になると 5,000 円減少する。本論文は、5 つの自治体の福祉事務所の生
活保護管理データと医療扶助レセプトデータを用い、不連続回帰分析の手法によって給付
額減少が世帯医療費に与える効果を検証した論文であり、以下の結果を得ている。
合計 476 世帯が研究対象となり、観察世帯数は 4,893 世帯-月(11,032 人-月)であった。
第 1 子が 3 歳になる閾値時点に含まれている観察世帯数は 106 で、世帯の特性には第 1 子
が閾値前後で大きな変化はなかった。世帯の月額医療費を被説明変数とした不連続回帰分
析の結果、
世帯の月額医療費は閾値前後で 24,857 円上昇した。
(95%信頼区間:2,540, 47,174)

医科外来医療費、入院医療費、調剤医療費に層別した分析では、医科外来医療費では 9,672
円(95%信頼区間:-47, 19,391)
、入院医療費では 6,428 円(95%信頼区間:838, 12,019)、調
剤医療費では、4,978 円(95%信頼区間:-3,097, 13,051)であった。これは、各月齢時点の観
察対象者にしめる受診者の割合が 2.4%(95%信頼区間:-1.1, 5.8)閾値前後で上昇したこと
と、第1子以外の世帯員の個人の外来受診回数の閾値前後での増加(0.45 回/レセプト,
95%信頼区間:0.30, 0.61)によって説明された。一方、1外来受診あたりの医療費にはほと
んど変化がなかった(-6.3 円,95%信頼区間:-1385, 1372)
。各世帯類型に層別した分析では、
ひとり親世帯における閾値前後の世帯の月額医療費の変化量は 19,755 円(95%信頼区間:13,617, 53,127)で、高齢者世帯における閾値前後の世帯の月額医療費の変化量は 81,612 円
(95%信頼区間:3,527, 159,698)であった。自治体ごとの層別分析では、1 つの自治体を除
いて閾値前後での医療費の増加がみられた。
以上、本論文は、医療費の窓口支払いが不要な生活保護受給世帯への月あたりの給付額の
減少が、減少時点での世帯医療費の増加を引き起こすことを明らかにした。児童養育加算な
どの生活扶助と医療費の給付などの医療扶助をともに公的に支出している行政にとっては、
給付額の減少は逆説的に費用負担を増やす結果であった。本研究は、生活保護受給世帯に対
する給付額の変化の財政影響を評価するしくみの必要性について提示した研究であり、生
活保護行政に重要な貢献を果たすものであると考えられる。
よって本論文は博士( 医学 )の学位請求論文として合格と認められる。

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