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大学・研究所にある論文を検索できる 「[研究トピックス]修士論文概要 : 飛騨天文台SMART/SDDIを用いた様々な太陽活動現象に関するHα線スペクトルのSun-as-a-star解析(修士論文)」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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[研究トピックス]修士論文概要 : 飛騨天文台SMART/SDDIを用いた様々な太陽活動現象に関するHα線スペクトルのSun-as-a-star解析(修士論文)

大津, 天斗 京都大学

2023.04

概要

飛騨天文台SMART/SDDIを用いた様々な太陽活動現象に関する
Hα線スペクトルのSun-as-a-star解析(修士論文)
太陽では太陽フレアと呼ばれる突発的な増光現象が発生することがあり、しばしばプラズ
マの噴出を伴う。このようなプラズマ噴出が惑星間空間へ飛び出すと、地球に磁気嵐など
の影響をもたらす原因となる。一方で、太陽以外の恒星でも恒星フレアと呼ばれる突発的
な増光現象が観測されている。近年では、Hα線分光観測などによって恒星フレアにもプラ
ズマ噴出が伴っているという可能性が示唆されている。太陽の場合と同様に、恒星フレア
に伴うプラズマ噴出は周囲の惑星(系外惑星)環境に大きな影響を与えると考えられており、
生命の存在を議論する上でも重要視されている。しかしながら、遠くの恒星は空間分解し
て観測することができないため、観測データから恒星表面で発生した現象を特定すること
は難しい。そこで、太陽の観測データを空間積分して遠くの恒星のように観測したデータを
得る「Sun-as-a-star解析」という手法を用いて、太陽・恒星の観測を比較し、恒星の活動
現象を探る研究が進められている。本研究では、飛騨天文台SMART/SDDIで観測され
たHα線分光撮像データを用いて、様々な太陽活動現象のSun-as-a-star解析を行った。
解析結果の一部を図1に示す。(a)-(c)の全てにおいて、横軸に時間、縦軸にHα線中心
からの波長差とドップラー速度を取って、空間積分したHα線差分スペクトルΔSを図示して
いる。本研究で得られた主な結果は以下の通りである。(i)太陽フレアはHα線中心近傍に
増光を示す。特に、増光初期において赤方側の超過成分や広い輝線幅を示す [図1(a)]。
(ii)フィラメント噴出は青方/赤方偏移した吸収を伴うHα線中心近傍の増光を示す [図
1(b)]。 (iii)プロミネンス噴出は青方/赤方偏移した増光を示す [図1(c)]。 本研究によっ
て、空間積分したスペクトルでも、(i)-(iii)のように、活動現象ごとに異なる特徴を確認でき
ることが明らかになった。本研究で得られたスペクトルの特徴をもとに、恒星表面で発生し
た現象を特定することができると期待される。
この研究成果は、T. Otsu et al. “Sun-as-a-star Analyses of Various Solar Active Events
Using Hα Spectral Images Taken by SMART/SDDI” として、米国の天文学専門誌「The
Astrophysical Journal」に2022年11月10日付で掲載された。

図1: 解析結果の一部。横軸を時間、縦軸を波長差とドップラー速度として、空間積分したHα線差分ス
ペクトルΔSを図示。オレンジ色が増光、紫色が吸収を示す。左から順に、(a)太陽フレア、(b)フィラメント
噴出、(c)プロミネンス噴出の解析結果を示す。(c)において観測データが無い領域を灰色で示す。 ...

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