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大学・研究所にある論文を検索できる 「[研究トピックス]博士論文概要 : 太陽コロナ磁場の観測的及び数値的研究(博士論文)」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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[研究トピックス]博士論文概要 : 太陽コロナ磁場の観測的及び数値的研究(博士論文)

山崎, 大輝 京都大学

2023.04

概要

太陽コロナ磁場の観測的及び数値的研究(博士論文)
太陽フレアは、太陽大気中における突発的なエネルギー解放現象である。太陽フレアは、
高温のコロナ中に浮かぶ低温高密プラズマ雲、ダークフィラメントの噴出に伴う磁気リコネ
クションが駆動する。ダークフィラメントは、コロナ中の捻れた磁力線の束である磁気フラッ
クスロープに支えられていると考えられている。しかし、観測上の制限からコロナ磁場を直
接診断することは難しく、ダークフィラメントの磁場構造については、Kippenhahn & Schlüter
(1957) が提案した順極型と、Kuperus & Raadu (1974) が提案した逆極型の 2 種類で議論
が続いている。加えて、フラックスロープの形成過程や噴出の加速機構も、未だ明らかにな
っていない。
フラックスロープを含む 3 次元コロナ磁場の時間発展を調査するために、Solar Dynamics
Observatory 衛星の Helioseismic and Magnetic Imager 望遠鏡によって取得された光球ベ
クトル磁場を用いて、非線形フォースフリー磁場外挿とデータ拘束型磁気流体シミュレーシ
ョンをそれぞれ行った。本研究では、2017 年 9 月の活動領域 NOAA 12673 で観測された
X9 フレアと 2021 年 10 月の活動領域 NOAA 12887 で観測された X1 フレアに注目した。
NOAA 12673 の研究から、X9 フレアに関わるフラックスロープはフレア発生 2 日前の段階
で既に形成されていることが分かった。また、X9 フレアの数日前に発生した複数の M フレ
アに伴う磁気リコネクションによる磁場構造の変化から、X9 フレアに関わるフラックスロープ
が抑制された可能性が示唆された。加えて、NOAA 12887 の研究から、噴出を伴う X1 フレ
アのフラックスロープの加速には、トーラス不安定性とフラックスロープ下部における磁気リ
コネクションで形成された磁気アーケードによる押し上げの両方が寄与したことを明らかに
した。(図 1 参照、博士論文第 2 章[1]及び第 3 章[2])

図 1: 2021 年 10 月 28 日に活動領域 NOAA12887 で発生した X1 フレアに伴う噴出現象を
再現した磁気流体シミュレーション、グレースケール背景は光球面磁場、色線は磁力線
(a,b,c) 斜めから見た時間発展の様子、(d,e,f)真上から見た時間発展の様子

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また、飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡に搭載する偏光感度、3.0×10-4を達成する近赤
外偏光分光観測装置を開発し、フラックスロープに支えられたプラズマ、ダークフィラメント
の磁場構造を調べるために、静穏領域のダークフィラメント8例をHe I 10830 Åで観測し
た。偏光分光データの解析から、ダークフィラメントの磁場強度は8〜35 Gと見積もられた。
加えて、フィラメント磁場と光球磁場の大局的な分布を比較することにより、フィラメントの磁
場構造を調査し、8サンプル中7サンプルが逆極型、8サンプル中1サンプルが順極型と得
られた。(図2参照、博士論文第4章[3])

図2: 2022年4月9日に飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡垂直分光器に近赤外光偏光分光装置を
搭載して観測したダークフィラメントの磁場構造 偏光情報に対する磁場ベクトルの不定性除去の為
Case A, B, C の3通りのパラメータ空間に分けて解を導出した (a,e,i)は面内方向成分を、
(b,f,j)は視線方向成分を、そして(c,g,k)は視線方向性分の観測とモデルの残差を表している
また、(d) 及び (h) は極端紫外線と可視光で見たダークフィラメントの筋模様を、
(l) は光球磁場の分布をそれぞれ示している

参考文献
[1] Yamasaki et al. 2021, ApJ, 908, 132
[2] Yamasaki et al. 2022, ApJ, 940, 119
[3] Yamasaki et al. ...

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参考文献

[1] Yamasaki et al. 2021, ApJ, 908, 132

[2] Yamasaki et al. 2022, ApJ, 940, 119

[3] Yamasaki et al. 2023, PASJ, in Press

(山崎大輝 記)

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